テーマと分類
「テーマ」と「分類」、この2つを見て、違いが分からないという人はあまりいないと思うのですが、実際にはそれぞれを明確に使い分けられていないマニュアルなどを目にすることがあります。
これからお話しする「テーマ」と「分類」について、まず説明しておきましょう。
中心概念を提示する
私がここで「テーマ」と言っているのは、
“これから説明することのポイントを一言で言い表すもの”という意味です。題名、中心概念と言ってもいいかもしれません。
例えば、研修マニュアルの各章に題名をつけますよね。
この場合の‘業務内容’や‘システムの種類’が「テーマ」に該当します。
他にも、コールセンターではFAQを準備していることが多いと思います。
※FAQ(=Frequently Asked Question)とは、よくある質問を一覧にまとめたもののこと。質問(=Question)と回答(=Answer)の頭文字で、「QA集」もしくは単に「QA」とも。
この場合のQ(質問)も今回の「テーマ」に該当します。
『購入履歴を見ることはできますか?』というテーマがあれば、読む人は「あぁ、この回答を読めば、購入履歴の見方が分かるんだな」と解釈します。
メールの問い合わせ対応窓口であれば、恐らくテンプレート集があると思いますが、そのテンプレートにも一つ一つ「テーマ」が付けられているのではないでしょうか。
全体を切り分ける
一方「分類」とは、予め想定された範囲があり(業務範囲、予想されるお問合せ、など)、それを“何らかの目的にもとづいて切り分けていく作業とその成果物”と考えるとよいでしょう。
一旦成果物としての「分類」が完成すれば、その成果物にもとづいてオペレーターが入電内容を記録していく、という作業につながるかもしれません。
その場合、記録は定期的に集計され、何らかの資源として活用されます。
ということは、どのように活用するのかを予め想定していなければ分類はできません。
すごくシンプルな例を考えると、現在のFAQに〔有る問い合わせ〕VS.〔無い問い合わせ〕、という2つの分類で実際に入ってきた問い合わせ内容を記録させるなら、これを集計することでFAQの改善を図ろうとしていることは明確でしょう。
また、分類の別の使い方としては、その分類にもとづいてシステム操作が行われるかもしれません。
・値が100未満の場合は、~。
100以上130未満の場合は、~。
130以上の場合は、~。
・お客さまがクレジットカードで決済なさった商品のキャンセルをご希望の場合、決済から30分以内であれば、~。30分超であれば、~。
etc.
この2つを使い分ける
この2つを一緒に取り上げたのは、使い分けがあまり意識されていないケースを見かけることがあるからです。
特に、「分類」が難しいようです。
「テーマ」はその性格上、後に続く説明を読めば理解でき、多少のことは気にならないということもあるかもしれません。後からいくらでも修正でき、それが他に影響することが少ないのも、それほど問題にならない理由でしょう。
ということで、次回は、もう少し分類について書いてみます。
それでは、また。
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