「ロマンと算盤と自慢」を胸にAgeTechで資産凍結問題に挑む
経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォーム「KEIEISHA TERRACE」。「イマ、ココ、注目社長!」では、各業界でご活躍中!いま注目の社長に、事業、経営、経営者とは、理想の幹部像などについてズバリお聞きしています。
「家族信託を、あたりまえに」。こうしたビジョンのもと、信託DXで認知症による資産凍結問題を解決するために創業されたのがファミトラです。AgeTechのトップランナーをめざし、家族信託のコンサルティング事業「ファミトラ」を運営しています。
代表の三橋克仁さんをお招きしての前編は、教育ビジネス「manabo」、ファミトラと2社を起業してきた軌跡や、HA(人体拡張)の領域に注目した背景を伺いました。
(聞き手/井上 和幸)
東大入学後に出会った起業家たちに火をつけられた
――まず、起業をめざすようになったきっかけについてお聞かせいただけますか。
三橋 きっかけは大学入学時の経験です。もともと小学生の頃からの夢は宇宙飛行士で、その登竜門といえる東大理一に入学しました。ですが、いざ入ると、もともと関心のあった株式投資サークルのほうが面白くて、株式投資や起業の世界に引き寄せられていきました。
2006年当時はライブドアがフィーバーしていた時代。株式投資サークルを通じて、その後ウィルゲートを創業する小島さんなどのように、学生でありながらすでにITベンチャーを起業している人など、これまで知り合ってきた人とはかなり違う同世代に出会い、大きな影響を受けたんです。
また、宇宙飛行士になるための試験は日本では10年に一度。セカンドキャリアも限られそうだなと考えた。尊敬している人の多くが起業や会社経営をしていたこともあって、僕自身も起業家をめざすようになりました。
――事業内容はどのように決めていったのですか。
三橋 まずは、どの領域なら自分の能力でインパクトを生み出せるかを考えました。2011年頃はGunosyやSmartNewsが世に出る前だったので、ニュースメディアや農業など、DXが進んでいなかった領域も検討しました。ただ、予備校の講師経験や、EdTech企業のインターン経験を考えると、教育には興味も土地勘もある。この領域ならバリューが出せるのではないかと思い、EdTechの領域を選びました。
大学院を入学1日で休学。起業の聖地シリコンバレーで見えたもの
――その後、manaboを起業するまでの経緯は?
三橋 実は大学院に入学したものの、インターン先でIT×教育分野の事業の立ち上げにフルコミットしようと決め、入学1日で休学をしたんです。当時『東大合格生のノートはかならず美しい』という本が売れて話題になっていたため、多様な「東大生のノート」が見られるWEBサイトがあればアクセスされるだろうと。開発もプロジェクトマネジメントもやりましたが、うまくいか...
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