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「うちにCDOは必要ないよ」。そう言える社内環境をつくり出すことがCDO最大の仕事。【前編】

経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACE「CxOの羅針盤」では、各業界でご活躍中のCxOつまり「最高○○責任者」をお招きし深掘りしています。


育成が急務といわれる経営人材の中でも、現在多くの企業が渇望しているポストがChief Digital Officer=CDOです。いずれ起業家になることを目指し、新卒入社したサイバーエージェントを皮切りに、Google、Salesforce等で多彩な経験を積んだ石戸亮さんは、DXが進まない日本企業の課題をもっとも的確に捉えているひとりです。

「なぜ、事業会社はどんどんツラい状況に陥ってしまうのか?」この課題を解決したいと、外資系から歴史ある日本の老舗企業へとキャリアの舵をとった石戸さんに、前職・パイオニア、そして2023年1月に移ったばかりの小林製薬でのデジタル施策と日本におけるCDOの在り方について語っていただきました。

(聞き手/井上 和幸)

石戸 亮氏 小林製薬株式会社 執行役員 CDOユニット ユニット長

経営者としての経験を積むために入社したサイバーエージェント

井上 新卒でサイバーエージェントに入社されていますが、当時は仕事についてどのようにお考えでしたか?

石戸 大学時代に地元・千葉県柏市のタウン誌を創刊し、このまま学生起業家として仕事にして行こうかと考えていたので就活もしていませんでした。結果的に「このまま経営者として生きて行くにはいろいろなものが足りない」と感じるようになり、遅ればせながらの就職活動を始めたのですが。

井上 ではある意味、学生時代から起業されていたわけですね。

石戸 当時、少し流行っていたんですよね、学生起業。でも『渋谷で働く社長の告白』(サイバーエージェントCEO 藤田晋氏・著 2005年刊)に出会って、「すごい人がいるな」と。
それで、まずはこの人に会ってみたいと面接を受けに行ったという流れです。

井上 サイバーエージェント在籍中に2社の子会社の役員になられています。「経営者になるために不足しているものを身につけよう」という入社動機でしたが、そのおもいは満たされましたか?

石戸 そうですね。1社目のCAテクノロジーは私が参画したタイミングでは社員が5名程度の会社でしたので、最初は営業メンバーとして入りましたが、2年後には役員になり、経営にかかわる多くのことを経験することができました。ただ、はじめての管理職、15名以上ひいては50名以上のマネジメントと急拡大する組織で、僕はマネジメント崩壊を起こしてしまって…

当時は「経営者になりたい」という気持ちが本当に強かったんですよね。柏市で一緒にタウン誌を立ち上げた親友は、いま“アソビュー”というレジャー予約アプリで波に乗っている山野智久(アソビュー株式会社CEO)という人間です。大卒後、リクルートに就職した彼は、2年ほどで退職して自分の会社を立ち上げた。

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