何もかもが不確実な時代に必要なのは「自社のファンである」こと
経営者JPが運営する志高き経営者・経営幹部・次世代リーダーが集う会員制プラットフォーム「KEIEISHA TERRACE」。
エグゼクティブの皆さま、リーダーの皆さまに、激動の時代を乗り切るためのインナーブランディングをベースとした3つの観点を伝えます。
ビジネスの世界で「VUCA」という言葉が使われ始めたのは、2010年頃と言われています。コロナ禍でさらにその言葉は社会に広がりました。 ※VUCA:「Volatility:変動性」、「Uncertainty:不確実性」、「Complexity:複雑性」、「Ambiguity:曖昧性」の4つの単語の頭文字をとった造語 パンデミックにより、仕事に対する価値観や、働き方そのものに大きな変化が起きました。「VUCAの時代に、組織やリーダーシップはどうあるべきか」という議論も数多くされました。「ニューノーマル」という言葉も流行りました。
コロナ禍が一段落した今、さらなるVUCAの荒波の中でこれから必要になるものは一体何なのでしょうか?
その答えのひとつに「インナーブランディング」の存在があると、私は考えています。
ブランディングには狭義に「インナーブランディング」「アウターブランディング」の2つが存在します。広く一般的に使われている「ブランディング」は、アウターブランディングのことを指します。社外向けに社内の事を知ってもらうためのものです。マーケティングのひとつとして使われることもあります。
一方インナーブランディングは、社内向け、組織向けのブランディングです。
「理念の浸透や文化の醸成を通し、従業員が思考や行動の変容を起こし同じ方向を向いて、そのチカラをひとつに合わせて理念を体現していくための全ての活動・概念」がインナーブランディングのそもそもの定義です(弊社では、「自社の従業員を自社のファンにするための全ての活動」がインナーブランディングであると定義しています)。
以下、エグゼクティブの皆さま、リーダーの皆さまに、激動の時代を乗り切るためのインナーブランディングをベースとした3つの観点をお伝えします。
「共感される」自分であること
「共感」という言葉が、これほどビジネスシーンにおいて使われることがかつてあったでしょうか。営業の現場でも、社内コミュニケーションの現場でも、システム開発の現場でも……。
特に営業における「共感力」は、とても重視されるようになっています。
「作れば売れる」という時代は当の昔に去り、多くのものがコモディティ化する中で、何をもって買ってもらうのかについては、「人」によると言われます。では「人間力」があれば良いのでしょうか。相手の言葉を理解し、感情を読み解き、抱える問題に気付き、寄り添えるチカラがあれば良いのでしょうか。
もちろんそれらの要素はとても大切です。しかし、こちらが相手に対して共感をするだけでは足りません。「いかに相手から共感されるか」も大きな要素なのです。
では、何をもって共感されるに至るのでしょうか。扱っているサービスや作っている製品などももちろん対象ですが、最も共感される要素は「その会社の想い」すなわち「理念」なのです。従業員がどれだけ自社の理念について徹底的に理解し、理念が紡ぎ出されたストーリーに共感し、自分の言葉で話せるか。自社サービスや製品の成り立ちを相手に伝えられるか。これが相手に伝わり共感されると、「共鳴」が生まれ、距離が格段に近くなります。そして選んでもらえる可能性も格段に上がります。
まずは「従業員が自社のファンになる」ことが…
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