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「廃校活用×サーキュラーエコノミー」を議論、まちづくりを学び合う修学旅行(京都の高校生×都農町の小・中学生×東京の社会人)
11月15日から17日にかけて、京都市立日吉ヶ丘高等学校の2年生78名が、修学旅行で都農町を訪れました。
都農町が修学旅行先となるのは、町史はじまって以来の、初めての出来事!
高校生たちは、今年3月に閉校した都農高校を訪れ本拠地に。
9月13日にゼロカーボンタウン宣言をした都農町ならではの企画として、閉校した校舎でゼロカーボンを体現していくためにはどのような業態をつくればよいか、企画提案を行いました。
企画提案の作成には、
・東京など都市部から都農町に移住したイツノマ・つの未来財団のメンバー
・ボランティア参加の社会人6名(建築家、リクルート、Life is Tech、WEBクリエイター、映像ディレクター、ホテルマーケッター)
・町に提案するゼロ・カーボン実現の施策を企画している、都農町の小中学生選抜チームのメンバー
が一同に会しにぎやかに。
最終プレゼンテーションには、都農町役場のまちづくり課長、つの未来財団理事、最終日には町長が審査員としてご参加いただきました。
修学旅行を終えて、高校生たちのアンケートでは、85%の生徒が、今後も継続して活動に関わりたいと回答!
「まちづくり×教育」のひとつのカタチとして、これからの修学旅行のありかたを探ります。
1.当日の様子
A班55名が1日目の午後と2日目の午前、B班23名が2日目の午後と3日目の午前にわかれて都農高校に。
町内視察は、都農ワインと都農ペレット工業を。お土産は道の駅つので。
会場となった都農高校の3Fの教室、右手に拡がる日向灘
左手には都農町のシンボル、尾鈴山
今回、企画提案の対象となった建物。3月に閉校してから8ヶ月ぶりに高校生が!!
高校生が到着する前に、日吉ヶ丘高校の先生たちから改めて高校紹介
育てたい生徒像は「世界をつなぐ越境者」。いいキーワードですね!
①A班:1日目
いよいよバス2台が都農高校敷地内に到着
ウェルカム!
社会人側からの自己紹介のあとに、高校生代表の挨拶。立派でした。
今回のワークショップの目的とアウトプットの確認
ゼロカーボンを考えることが、「世界をつなぐ越境者」のきっかけに
10代にチャンス、正解のない環境で新しいしくみを考える。
自他ともにつめこみすぎ?大人でも難しい。
とはいえ、ハードルは高い方が社会人ファシリテーターのモチベーションもあがるので本気。
6グループにわかれて、高校生10名前後と社会人ファシリ2名のチーム。
1日目は、NHKの取材が入り、高校生たちも盛り上がり。
1日目、1時間以上の議論を経て、最後はオランダ在住のニューロマジックアムステルダムCEOの吉田和充さんから、最新のサーキュラーエコノミー事情をZOOMでレクチャー
高校生たちも熱心に。Fair Phoneかっこいい。
質問は先生や社会人からも次々に。吉田さんから明快な回答
Q:なぜ、オランダと日本でサーキュラーエコノミーの浸透が違うのか
A:オランダは国をあげてやろう!とリーダーシップを発揮している
Q:とはいえ、若い人まで浸透するのは難しいと思うけど。
A:「かっこいい」「おしゃれ」「楽しい」ものとブランディングできてる
1日目の終わり、自宅兼宿泊地の HOSTEL ALA に戻ってきて、全員でNHKニュースの観賞会。
いまどき、すごいですね。撮影からわずか1時間半足らずで放送とは。
高校生たちも、帰りのバスで放送を見て盛り上がっていたそうです。
②A班:2日目
2日目は、1時間で一気に「LEAN CANVAS 」とレイアウト図面を作成
東京から駆けつけた建築家の藤本信行さんからワンポイントレクチャー
あと2分!プレゼンのリハーサルも。
6グループ、各5分のプレゼンに、都農町まちづくり課長、つの未来財団理事からの質問で計10分。
最優秀賞は、「ペレットアウトドアショップ」に!
A班、全行程終了!の集合写真。
(都農高校の卒業写真でも同じ構図があったそうです)
③B班:1日目
都農町の小・中学生選抜チーム9名(10歳から14歳)が参加!
小・中学生も入ったことで、A班の時より、すぐに雰囲気がやわらぎました。高校生の感想でも、「小学生がかわいかった〜」と
かわいいだけではなく、1日目の中間発表では、高校生をさしおいて、小学校6年生が自ら手を挙げ発表を!
④B班:2日目
町長が出張から戻り合流。企画の大詰めのところを見て頂けました。
町長から高校生たちに都農町来訪への感謝とワークショップへのねぎらい。
B班は3チーム。
どのチームも、すぐに実際の企画に落とし込めるクオリティーでびっくり。
町長、まちづくり課長、つの未来財団理事も熱心に聞いて頂けました。
町長から3案とも実際の都農高校の企画へ反映していくことを約束。
これからの高校生たちの活躍にエールを。
3日間にわたる高校生たちとの熱い議論も終わり、最後のおわかれ。
⑤高校生たちを盛り上げてくれたファシリテーター
高校生たちに、せっかくの都農町での修学旅行を盛り上げようと、わざわざ東京から無償で集まってくれた社会人メンバー。
有給とってきてくれたり、仕事激務で夜中までほぼ徹夜だったり。ただただ深謝。ありがとうございます!!
朝から、ちょっとした空き時間、そして宿に帰ってから夜中まで。
ファシリテーターたちの議論は永遠に、どうしたら高校生たちが納得のいく議論や、満足のいく発表ができるのか。。
僕らイツノマにとっても宝物の写真。ありがとうございました!
2.参加した高校生たちの反響
学校に戻ったあと、高校生たちから嬉しいコメントがたくさん!
・サーキュラーエコノミー、廃校になった高校の活用方法など普段は絶対に考えないような事について話し合う機会を頂けて感謝しかないです。
・起業家ラボをどのようにつくるかという難しい課題でしたが、大人の方に手伝ってもらいながら積極的に話し合いに参加出来ました。
・自分たちにはない考え方、価値観、視点などに触れ、とても新鮮でした。
・京都市は人口が多く地域課題について考えるような機会はありませんでしたが、都農町のような小さな町の未来について考え、企画がもしかしたら採用してもらえるかもしれないと思うととても身近に感じました。また都農町を訪れたいと思いました。
・最初は正直楽しいのかなと思っていたけど、実際交流して、沢山の凄い人達の意見を聞いて楽しかったし、自分の将来に役立つことが沢山ありました。
・活動していく中で自分達の意見が本当に実現されていくと思うと、もし完成する日が来たら是非都農町に行って、過疎化の町が活気づいているのをこの目で見に行きたいと思いました!!
・地元の小中学生や、いろいろな大人の方と話すという貴重な体験ができてとても良いしげきになりました。普段とは違う視点で物事を見ることができて、自分の感覚だけではなく様々な人の視線でどうすれば良いか考えるのは難しかったけれど、新しい考え方を得られたりしてよかったです。この活動で終わらずに、これからもこの経験を活かしていきたいと思います。
「今後も継続して活動を続けたいと思いますか?」に、85%がYES!
今回参加した2年生たちは、コロナ禍の中で高校生活を送り続けてきた学年で、さまざまな学校行事が相次いで中止に。
それらの影響は大きく、議論の際も、ややおとなしい印象の学年だったそう。
それが今回、事後の振り返りの集会は、別人のように積極的に話したり、頷いたりする姿にあふれ、とても明るく、活発な雰囲気で行われたとのこと。
とても嬉しいことに、都農町での活動に言及する生徒は多く、とっても印象深い活動で、生徒たちの嬉しい変化につなげられたのかもしれません。
3.リアル×世界の最重要課題を、多様な人と一緒に
参加する当事者である高校生たちの反響がここまで良かったのはなぜか。
コメントを見ると、
・普段の高校生活では考えないようなことを考え、提案までつくれたこと
・地元の小中学生、社会人など、普段出会わない人たちと取り組めたこと
・自分の中になかった考え方・視点に触れられたこと
が、「楽しかった」「貴重な経験を得られた」という感想につながっているようです。
今回はこれから計画がまとまり、整備が進む都農高校を舞台にしましたが、過疎地のまちには、まだまだ高校生たちとの議論のテーマになる課題が山積しています。
地元の小中学生が参加してくれたように、より多くの地元の多様な人たちを集めて、修学旅行を受け入れられると、リアルな課題解決のアイデアが生まれ、まちづくりの新しいモデルを創っていけるのではないでしょうか?
58名が継続して関わりたいと言ってくれている声を無にしないよう、早速、高校生たちのアイデアを具体的に都農高校跡地の活用につなげられるよう業態企画を進めてます。
また報告します!