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地方でホステル経営、黒字化するためにしておいたほうがいい7つのこと。

観光地でも出張地でもない、人口1万人の過疎地、宮崎県都農町HOSTEL ALAを開業して1年半。

前職で東京、京都、沖縄、北京などホテルを20箇所近く経営していた経験はほとんどいかされず

どうやれば、採算がとれるのか?試行錯誤がつづいてます。

現時点で体験している限りで、黒字化するためにしておいたほうがいいことをまとめてみました。

1.コンセプトの明確化

誰のためになぜやるのかを明確にしておくことは最低条件。

ぼくらの場合は、もともと宿泊施設をやりたいというよりは、都農町のまちづくりをお手伝いしたい、という想いありきでした。

ヨソ者のぼくらが、人口減少・高齢化・若者流出のまちに貢献できるのは、町外の都農町ファンをつくること、ふやすこと。

観光資源は少ない過疎地域のまちづくりそのものをコンテンツに。

「ここにくればリアルなまちづくりに関われますよ」的な、いわゆる”関わりしろ”の訴求。

まちづくりや地方創生を学んでる大学生や関心のある若者、同業系の人たちが集まり、地方で住むことや働くことについて話し合えて、地元の人たちにとっても、ここに来れば都市部の面白い人にあえる場所になる

そんな想いではじめました。

2.無人チェックイン導入

過疎地域で宿泊施設を企画するにあたり、ふつうに頭をよぎったのが、
働く人の確保→無理
でした。

東京の会社でホテル経営していたときですら悩まされていた夜勤人員の確保。都農町では、夜勤どころか、そもそも採用は無理だとあきらめ、最初から無人チェックインを前提に保健所へ相談、申請を行いました。

宮崎県内でも、そんなに事例がないようでしたが、絶対おすすめです。

簡易宿所として、無人チェックインで旅館業営業許可を取得するために、必要な書類は「玄関帳場を設置しない場合の代替機能を有する設備等」です。

心配していたのはゲストからのクレームや機器トラブルでしたが、いまのところはほぼ問題なく運営できています。

無人チェックインを導入していると、「無人運営」のデジタル合理派と思われるかもしれませんが、運営自体はアナログ人情派です。

コンセプトが、都農町ファンをつくること、ふやすことなので、ぼくらが常時出入りしてゲストとおしゃべりや現地案内を楽しんでます。

ゲスト対応にパワーを集中するために、誰でもできる、デジタルでもできるフロント業務を無人化する、いう考え方です。

3.固定賃料の確保

観光客・出張客が少ない町なので、一般宿泊客の稼働率頼りでは事業として無理があります。

当初から、数室は賃貸住宅(シェアハウスに近い)として固定賃料収入を得る計画としていました。

いまは、都農町が誇るプロサッカークラブ「ヴェロスクロノス都農」の選手に住んでいただいています。

これは結果論ですが、ホステルのゲストにとって、入ってすぐいきなりサッカー選手がキッチンで自炊してたりするのはプラスの印象になってます。

4.ADDress・HafH・LACと提携

新型コロナ真っ盛りの中での開業だったため、当初から、リモートワーカーや多拠点居住者のニーズを期待して(すがって)いました。

ADDressさんは、契約形態として、一定の部屋を専用で貸し出し、毎月固定金額をいただきます。稼働率が高くないぼくらにとってはありがたい安定収益源

ADDressの紹介ページ

もちろん、ADDress会員さんの利用が少なければ固定金額も低くなるため、居心地や、地元との交流促進など、会員さんの満足度をあげて口コミで広げてもらう努力は必要です。

HafHLACにも大変お世話になっています。
一般のOTA(オンライントラベルエージェント)では、宮崎県都農町という立地的ハンデや、観光資源がないため掲載してもリアクションはほぼ見込めません。

サブスク大賞を受賞したHafHが賞金の一部を寄付してくれました!
トレーラーホテルのデッキDIYを手伝ってくれたHafHコミュニティの方々

HafHやLACだと、旅慣れた人やコミュニティを求めてくる人が多いので、立地というよりは、自然環境や人の交流があれば来ていただけます。

5.ツアーコンテンツづくり

ぼくらがホステルをやりたかったことに一番近いのがオリジナルで企画・催行している「スタディツアー」です。

大学生や高校生を中心に、定期的に東京・京都から来ていただいてます。

他のツアーとの差別性は、

「廃校活用・商店街再生などリアルなまちづくり課題解決」
「町長や神社の宮司をはじめ、町の人たちと深い交流」

①高校

京都市立日吉ヶ丘高校

一昨年は修学旅行、昨年はフィールドワークで、700人から立候補した22人が都農ライフを満喫していただきました。

新渡戸文化高校

いち早く修学旅行を廃止した新渡戸文化高校。探求力向上のために、全国の15町村と提携、2年間で4回、高校生が自分で選んだところにいけるスタディツアー。HOSTEL ALAも提携先として、すでに2回実施。

②大学

東京大学(東大むら塾)

東京大学の地方創生サークル「東大むら塾」。当時、インターン生、いま新卒入社した 吉良倫太郎 くんが在籍していたサークルでもあり、後輩たちを都農町に招集。廃校となった都農高校の跡地活用を企画、最終日には町長、副町長にプレゼン。

立教大学(観光学部)

ぼくらが講義を担当したことがきっかけで、実際に大学生が都農町に。都農町の名産品「南国プリン」をTikTokでプロモーションする企画を提案。

③社会人

JTB

これからのワーケーション先を体験するツアーとして、東京の20代・30代の社会人が都農町に。

TURNS

宮崎の食を楽しむTURNSさんのツアーで都農町に。

6.テントサウナの運営

HOSTEL ALAでもサウナ人気は高いです。

テントサウナは初期投資もそれほどかからず、1人3,000円で運営しているので、初期投資分はすでに回収

ゲストの満足度も高く、副収入として貢献。
ちなみに、サウナ通の方々には、サウナ・水風呂・外気浴が5歩でいけるコンパクトさの評価が高かったですw

7.返済のない資金調達

最後はお金の話。
特に目新しい話ではありませんが、初期投資分を、町の助成金や、クラウドファンディングで調達しておくと、運営に入ってからありがたみを実感できます。

当たり前ですが、返済や利息・配当がないため、日々の対人運営に集中できます。

クラウドファンディングは、単なるホステル、トレーラーホテルだけだと差別性がないため、地方の過疎地にとって絶滅危惧種?である20代女子の挑戦を前面に出しました。

偉そうに書いてしまいましたが、損がでてないだけで、儲かってて成功!には程遠いレベル。

まだまだ課題だらけですが、地方、特に過疎地域でもっともっと面白い宿泊・滞在施設ができて、国内外問わず、旅人、働く人が全国各地をぐるぐる回遊できると、地域にとってもプラスが多くて楽しいのにな、という思いで紹介しました。

地方に移住してホステル・ゲストハウスやってみたい!という人がいたら、ぜひチャレンジを!体験談ならいつでもお伝えしますんで。


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