『旅する学校』 _地方創生につながる、新しい学校の選択肢をつくりませんか?
9月9日(金)つの未来会議第3回「これからの教育」。
ゲストは、新渡戸文化高校副校長の山藤旅聞さん。
山藤さんが新渡戸文化高校で、修学旅行を廃止、新しいスタディツアー「旅する学校」をはじめたことがきっかけで、ぼくが移住した都農町にも高校生たちを連れてきてもらったのが今年の6月。
そのときに、町長や教育長とも会談。高校が廃校になった都農町における新しい高校をつくる、というテーマでかなり議論が盛り上がりました。
7月から「民間・若者がまちづくりに関わるきっかけづくり」「未来の次世代にバトンを託す」をコンセプトに開催している「つの未来会議」で、これからの教育について、教育委員会や行政だけでなく、民間・若者たちとオープンな議論をはじめました。
1.自分でまちを変えていく
山藤さんから、最近の社会・教育のトレンドや問題意識を共有。
ぼくの問題意識が一番高まったのがこのデータ↓↓↓
欧米アジア9カ国の18歳、各国1,000人の意識調査で、総じて日本の意識の低さが気になる結果。
特に、「自分で国や社会を変えられると思う」が18.3%で、日本意外で一番低い韓国のさらに半分という断トツぶり。
14億近い人口のインドは83%、共産主義の中国で65.6%だから、もはや構造的な原因でないことは明らか。
いま、都農中学校で担当させてもらってる総合学習「つの未来学」の目指す「まちづくり教育」の必要性と符合します。
一方、未来に向けて必要な能力のデータでは、「正確・従順」に関わる能力は相対的に低下、「新規・創造」に関わる能力が高い数値を。
生徒が求めている学びについて、「体験」「探求」「プロジェクト」が上位
もうひとつ、とても腹落ちしたのが「大人の存在」
日々、町内外の中高生と交流する中で、ポジティブな感想で多いのは圧倒的に「大人たちとの交流」なので、すごく納得!
大人とのセレンディピティーの演出は、ぼくら民間経営者が、より積極的に学校に入り込み、一緒にしかけていきたいこと。
2.旅する学校
山藤さんからメインテーマである「旅する学校」の紹介。
新渡戸文化高校では、従来の修学旅行を撤廃、都農町のような1万人から、300人の島にいたるまで、全国15エリアとパートナーシップを締結。
高校生たちは、1年に複数回、好きな人と好きな場所、好きなときを選び、生徒が主語、主体的に旅をつくっていくツアーです。
スタディツアーの4日間で、「問題発見能力」や「プロジェクトへの主体性」など、21世紀型スキルの上昇が見られたとのこと。
3.都農町スタディツアー
昨年のいまぐらいに、久しぶりに東京に戻って新渡戸文化高校にご挨拶に行った際、上記のスタディツアーの話を聞き、年末には山藤さんをはじめ4人の先生が都農町に下見に(はやい!!)
そして6月には7名の高校生が都農町に!
事前にZOOMで顔合わせや、ツアーでやりたいことのすり合わせ。
実際には、ほぼアドリブで高校生たちの意志最優先で、会いたい人に会っていってもらいました。
結果、7人とも大満足!
2回目のスタディツアーとなる11月にも、ほぼ全員が都農町を希望!!(他に10地方以上あるにもかかわらず)
都農町スタディツアーの詳細はこちらで↓↓
今回、山藤さんと芥さんの2人の先生には、つの未来会議の前に、都農中学校「つの未来学」の授業があったので、一緒に参加。
この日のプログラムは、11月の職場体験を前に、訪問する事業所を自分たちなりに調べてみんなで発表、最後に体験したい事業所の希望を出します。
同じ時間に新渡戸文化高校の授業があり、スマホ越しにオンラインで都農とつないでいただきました!
山藤さんと芥さんが、都農中学校の授業に参加した感想は
11月は、新渡戸文化高校の高校生と、都農中学校の中学生を交流させたいね!と話しています。そこに大学生も加わってくれると、みんなにとっていい刺激になりそう。
校長先生からも、山藤さんと芥さんに一緒に授業をしてほしいとリクエストもいただいたので、これからスケジュールやプログラムを考えていきます。
「旅する学校」構想の第一歩として。
4.未来をつくる高校
山藤さんから、最後に、現状のスタディツアー「旅する学校」をより進化させ、地方の複数ヶ所に拠点を置き、東京と多拠点を数ヶ月単位で移動し、日本各地の本物と出会いつながる学校づくり構想をお話しいただきました。
いまはまだ構想段階。もちろん、高校が廃校になった町だから、都農町単独では可能性が低いけど、他の町と連携していけば可能性は出てくるかも。。
参加者の感想や気づきのシェアが、いつも以上に盛り上がってた感じ。
山藤さん、町長、教育長と参加者からいただいた質問を吟味。
「今日の話を聞いて町長はどう思ったか?」という質問に、
山藤さんからは改めて明快に。
都農中学校の海野校長先生からも、従来型の進学をベースにした授業も欠かせないが、「旅する学校」の内容も必要と共感のコメント。
最後は、「つの未来会議」恒例の、未来へのバトン。
今回は、Uターンした20代起業家、河野文也さんに。
あたらしい高校をつくっていく上で、少し先を行く20代たちの活躍は不可欠。町長からも「早く代替わりして〜」と期待のバトン。
高校が廃校になって、考えられる選択肢は3つ
当然、あたらしくつくるのが一番難しいですが、都農町だけでなく、他の町とも連携して、旅しながら学ぶスタイルであれば可能性はあるかも。
このようなまだまだ企画にもなってない構想段階で、町長や議長、教育長、校長と若者を含めた民間の人たちで、話し合えることはとても価値があること。これからも続けていきます!
「これからの教育」3回シリーズ、次回は小・中学校の選択肢です!
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