プレゼンテーションを飛躍的に向上させるための10ポイント
今回は、プレゼンテーションを飛躍的に向上させるための10のポイントについて、ZIPAIRのマネージャーをされていらっしゃる方にお話を聞くことができましたので、まとめたいと思います。
なぜ、話を聞こうと思ったのか?
この方は、もともとJALのスチュワーデスを経験後、COVID-19の中で話題となったJALの格安飛行機/LCC事業のZIPAIRの立ち上げに参画され、日々邁進されている。
日々、お客様と対面し、様々な場面でお客様にアナウンスを行い、常に笑顔でお客様に喜んでもらえるようにホスピタリティの精神を高く持ちながら、業務に当たられている。
つまり、アナウンスの技術というのは
プレゼンテーションで最近話題になっている
「伝えるから伝わるに変化させる」
「伝わらないプレゼンは意味がない」
を常に実践されているのではないか?
と思い普段、意識されていることをお聞きさせてもらった。
プレゼンを飛躍的に向上させるための10ポイント
大前提(相手の頭の中に映像化させる)
まず、プレゼンで飛躍的に向上させるためには、大前提がある。
それは、こちらがプレゼンを行ったときに伝えた内容が、
「相手の頭の中に映像化できるように話をしているか」という点である。
なぜ、この点が重要になるかというと
「相手に話が伝わったときにしか頭の中で映像化することができないから」である。
この相手の立場でプレゼンを準備するように、自分のマインドセットを変化させる必要がある。
それでは、ここからプレゼンを飛躍的に向上させるための10ポイントをまとめたものを記載する。
①話す内容には、句点を打つ。
どうしてもプレゼン中は、話したいことが増えてしまい、
1文が長くなってしまう。
しかし、それを「~です」という形で、文章を区切って話すことで、
聞き手が話を聞きやすくしてあげることができる。
②「間」が大切
話すときには、句読点の間で必ず「間」を設ける。
これは、プレゼン対象や会場の雰囲気などで変わってくるが、
体感で1s以上の間があると望ましい。
✖:この飛行機は、まもなく離陸いたします。
〇:この飛行機は、□まもなく□離陸いたします。
※□:間
ここでの「間」の保ち方としては、
会場の人数や規模感によって変わる。
規模感や人数が多いほど間を取ることが重要になる。
③相手が相槌を打つまで待つ(相手を見る)
相手の反応をしっかりと見ることで、
ここまで本当にわかっているのか、わかっていないのか
どんなふうに聴講者が感じているのかを見ながら話すことが大事になる。
相手の反応を見るためにも、②の「間」を持つことが重要になる。
④感情を込める
ここでいう感情を込めるというのは、
単にプレゼンテーションに喜怒哀楽を詰め込むのではない。
感情を込めるということは、「伝える・伝えたい意思を伝えること」である。
とある介護施設では、認知症の患者を自立させるためにコミュニケーションの取り方に工夫をされている。
認知症の患者さんなので、いくら内容で相手に伝えようとしても、相手は記憶にとどめておくことができない。
なので、感情に訴えるコミュニケーションを心掛け、介護施設・担当者がその介護される人にとって安心される存在として認識されるようにしているのだ。
感情を込めるというのも、「私はどうしても伝えたいメッセージがあるのだ」ということを思いながら話すと、自然と言葉に抑揚がつくと思う。
意識で行動を変えることができる。
⑤キーワードは強調する
キーワードには、より感情が込められるものである。
特に、大事なのは、キーワードはゆっくり強めに発音すること
⑥何でもないことを凄そうに話すこと
この飛行機は、まもなく離陸いたします。
シートベルトをお締めください。
この文章では、「シートベルトをお締めください。」が本当に伝えたいことになる。(離陸するので危ないからシートベルトを締めるということを伝えたい)
なので、「この飛行機は、まもなく離陸いたします」はそこまで重要性が高いフレーズではない。
しかし、本当に言いたい文章のための前説に入れたのであれば、
この文章を入れたなら、入れたなりに意味を持たすために凄そうに話すことが重要になる。
⑦メインテーマを意識する
まず、プレゼンをするメインテーマが何なのか。
何を伝えたいプレゼンなのかを意識することが重要になる。
同時に、そのメインテーマは「相手が最も知りたいことなのか」を意識する
相手が知りたいと望んでいないのに、どんなにプレゼンを頑張っても
なかなか相手の頭の中に映像化することは難しい。
⑧相手の顔を見る
航空界で現在主流の旅客機 ボーイング787でアナウンスをする際は、
ファーストクラスの一番前で話をするとのこと。(下図 1の前付近)
参考:https://www.jal.co.jp/jp/ja/aircraft/conf/787.html
その時は、1番奥のエコノミーの席に座っている人にも
顔が見えるように意識をして、皆にアナウンスをしていたそう。
(実際には後ろの席からは見えないが、意識の問題)
スチュワーデスさんが、全員がアナウンス時に全員の前で話をするわけではなく、中には隠れてアナウンスをしたり、後ろを向いてアナウンスをする人もいたそう。
しかし、アナウンス・プレゼン側は聴講者の方を向いていなくても、
聴講者はプレゼンターの方を見ていることの方が多い。
常に見られていることを意識して、相手を見ながら話すというのは、
意識的に行うべき重要事項である。
⑨声の出し方が大事
⑧顔を見るにも通じるが、エコノミーの一番後ろの人にも聞こえるように話をする意識を持つと自然と声の出し方も変わる。
プレゼンをする際には、自分から見て1番奥に座っている人に話すつもりで声を出すように心がければ、自然と声の張り・力が変わってくる。
プレゼンももちろんのこと、アナウンスでは資料を出さないので、
相手に伝えようとできる武器は「声」のみである。
聴力に感情を載せて、発声に張りを載せるだけでも、相手に伝わる印象は大きく変わる。
⑩笑顔でやること
何事も、笑顔で行うこと。
笑顔が出ないと、雰囲気も硬くなり、自分の話す内容というのも硬くなる。
努めて笑顔で楽しんでやるということが重要になる。
まとめ
プレゼンで意識することを10点にまとめて記載した。
すぐに挑戦できることも多く、10の意識する点はプレゼンだけではなく、
コミュニケーションをとるうえでも非常に重要な点である。
また、10点の中でも最も重要だと思う事柄は、相手のことを考えながら話しているということである。
サービスマーケティングのコラムでも書かせていただいたが、共感する・理解するというのは努めて意識しないとできないと思う。(コラム:https://note.com/keiarnoldshimizu/n/n8a81feb18695)
プレゼンテーションもコミュニケーションも、相手のことをそのまま受け入れることから、全ては始まっているのだと考えれば、応用の幅と共感される機会が今後さらに増えていくことになると思う。
このような気づき・機会をいただけたことに感謝をしながら、
さらにお互いに高めあいながら成長出来たらと思う。
清水慧(しみずけい)
医療用医薬品の調査会社にてリサーチャーとして勤務。前職では、大手内資系製薬会社にてMRを担当。2021年4月から立教大学院ビジネスデザイン研究科(RBS)にてMBA(修士課程前期)を就学中。将来、起業(医療業界・合気道道場)を夢見てます。趣味は、トレーニング・合気道。