見出し画像

読書と日記:6月19日~6月30日:釈迦への興味とオックスフォード留学紀

6月下旬は怒濤の仏教勉強期に突入。

五木寛之さんの『21世紀 仏教への旅』シリーズを図書館で借りてきたこともあり、まずは『インド編』の上巻から読み出す。

これまで、釈迦の人生を深く知りたいと思ったことはなかった。五木寛之さんという触媒がなければ足を踏み入れなかったかもしれない、釈迦の人生や仏教という世界に触れてみると、その奥深さに心を揺さぶられる。わたしは今、インドに行きたいと思っている。(影響され易過ぎ)

と、血迷っているわたしを見透かすように、日曜日の午後、BSで『インド秘境 スパイス達人紀行』という番組がやっていて、まんまとじっくり観てしまう。

ああ、あれがマンゴーの樹か、樹勢が凄いなとか想いながら。
ちなみに、スパイスについては漢方薬方面からの興味も疼いてしまった。

この時期に並行読みしていたのは、彬子女王殿下の『赤と青のガウン』。この本は、女性皇族がオックスフォードに留学し博士号を獲るまでの留学生活をまとめたもの。内容がすごく面白かっただけでなく、日本語の文章としてとても素晴らしかった。久し振りに、いい文章を読んだな。

また、この本を読んでいたタイミングで、天皇皇后両陛下の英国訪問が重なり、両陛下がこの彬子女王も所属していたマートン・コレッジを再訪された様子をテレビで観れたのも感慨深かった。

6月25日に、内田樹さんの『勇気論』と、江國香織さんの『読んでばっか』を購入&即、読み始める。

内田樹さんの『勇気論』は編集の方との往復書簡形式なので、とても読みやすい。

「いまの日本人に一番足りないものは」と訊ねられ、少し考えて「勇気じゃないかな」と答えた

内田樹『勇気論』16ページより

勇気というのは孤立を恐れないということだと思います。自分が「正しい」と思ったことは、周りが「違う」と言っても譲らない。自分が「やるべき」だと思ったことは、周りが「やめろ」と言っても止めない。

内田樹『勇気論』22ページより

いまの日本人に勇気が足りなくなった原因を訊かれて、「少年ジャンプじゃないかな」と答えているところが面白い。少年ジャンプは『友情・努力・勝利』がテーマの物語を作家に要請している。この友情が勇気との喰い合わせが悪い。

勇気は独立することで成立するが、友情はまず仲間になること、絆を強くして連帯することを求める。連帯の先にあるのは、ある種の服従であり、足並みを乱すことは許されない。

…ああ、これが、ジャンプ作品に感じる一抹の違和感の正体だったか。

江國香織さんのエッセイはちょっとずつ読む。


いいなと思ったら応援しよう!

慧|Hz books 書店やりたい人です。
チップありがとうございます。気になる本たちの購入費に充てたいと思います。いつもお読みいただき、ありがとうございます(深謝)

この記事が参加している募集