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新NISAでメキシコ国債の債券ファンドを買ってみたよ②[リスクと魅力]

注意
筆者は、投資のプロというわけではなく、ただの一般人です。多少の無知はご容赦ください。
また、この記事は、当該ファンドの購入を勧めるものではありません。あくまで購入は自己責任でお願いいたします。

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前回、新NISA成長投資枠で「iFree HOLD メキシコ国債」という新興国債券ファンドを購入したというお話をしました。
ですが、このような小規模ファンドならびにメキシコ国債にはリスクがあるとも書きました。

一体どのようなリスクがあるのでしょう?
そのリスクに見合うリターンの見込みはあるのでしょうか?

今回は、一般論だけでなく、メキシコ特有の事情も踏まえてお話しようと思います。


1、小規模ファンド特有のリスク

まず、今回私が購入した「iFree HOLD メキシコ国債」は、24年11月に運用したばかり。
その上、純資産総額がわずか0.36億円(25年1月24日現在)という小規模ファンドです。

一般的に、安心できる純資産総額は50億円と言われていますが、これだけ規模の小さいファンドでは、ファンドが受け取ることのできる信託報酬が運用コストを下回る危険性が常に付きまといます。

そして、ファンドの運用で赤字が続くと、本来の償還日を待たずに強制的に償還されてしまう「繰上償還」のリスクが高まります。

そうなってしまうと、仮に基準価格が購入時より下回っていたりすると、基準価格の回復を待つこともできずに損失が確定してしまいます。

まあ、このファンドの場合、運用会社である大和アセットマネジメントが国内トップクラスの運用資産を有しているので、すぐに繰上償還になることは無いでしょうが。

また、オルカンのように莫大な純資産総額を有するファンドなら、投資家が1000万円の資金を引き上げたとしても、チャートのグラフに及ぼす影響は微々たるものです。

ですが、純資産総額が1億円にも満たない小規模ファンドの場合、その1000万円の資金引き上げがチャート上にも大きな影響を与えます。
最悪、それに釣られて他の投資家も続々資金引き上げ…なんて可能性もゼロではありません。

iFree HOLD メキシコ国債の実際のチャート
1000万円の下落が大きく見えます
※下落の理由は不明


2、新興国国債に共通するリスク

続いて、メキシコ国債自体のリスクについてです。
一般的に、新興国国債は利回りが高い傾向があるものの、先進国の国債に比べて、

・債務不履行
・通貨の為替差損
・金利上昇による債券価格の下落
・流動性リスク
・政情不安
・資本の急速な流出

等々の各種リスクが高い傾向があります。
この辺は、より詳しい記事が他にあると思いますので、詳細は割愛させていただきます。
要は、ハイリスク・ハイリターンですね。


3、メキシコ特有のリスク

そして、メキシコ国債特有のリスクとして最も注視すべきなのはこの人でしょう。

America first!!

就任早々、メキシコへ25%の関税を課そうとしています。

これの何が問題なのかというと、メキシコはアメリカ向けの自動車工場を抱えるなど、「北米の工場」の役割を担っています。
トヨタなどの日本企業も、メキシコに工場を持っていますね。

このように、輸出が経済を支えているメキシコにとって、大きな貿易相手であるアメリカがこのような関税を課すことは大問題です。

しかも、彼はメキシコに関税をかけることによって、メキシコの工場をアメリカに呼び寄せようともしています。

もし、これによってメキシコが「北米の工場」の地位を失えば、経済が低迷し、メキシコペソの急落や投資の減少、更にはメキシコ国債の信用リスク増大に繋がる…なんて可能性も無きにしも非ずです。

また、現在高金利が続いているメキシコの政策金利ですが、インフレ率が低下すれば、政策金利も引き下げられ、国債利回りも低下することになります。

あとは、麻薬カルテルによる治安悪化などの政情不安リスクがじわりじわりとボディブローのように効いてこなければいいなぁ…といったところでしょうか?

トランプ大統領就任も相まって、よりキナ臭さが増しています…な記事(出典:ロイター通信)↓


4、それでも無視できない魅力

ここまで散々購入を躊躇いたくなるようなリスクの数々を説明してきましたが、それでも大和アセットマネジメントがわざわざメキシコ国債の債権ファンドを2つも始めたのは、リターンがこうしたリスクを上回る可能性が充分見込めると踏んだからでしょう。

メキシコ国債の魅力をまとめると、

・今後も人口(つまり労働力)増加が見込める新興国の国債
・当面続くであろう、他の新興国と比べても高い利回り
・新興国の中でも市場が成熟し、高い信頼性
・海外労働者が稼いだ外貨の国内への流入(ペソへの換金)が年々増加→ペソ高の下支え→為替差損(ペソ安による基準価格低下)のリスク低減

といったところでしょうか。
つまり、新興国の中でも安定していて、将来性が充分見込めるということですね。

もう少し詳しく知りたい方は、大和アセットマネジメントがこれでもかというくらい力説しているので、是非そちらもご覧ください↓


新NISAで購入できるファンドの中でも、ハイリスク・ハイリターン色の強いメキシコ国債の債権ファンド。

私は「メキシコが好き」というあまりにも単純な遊び心で購入しましたが、「新NISAでカ〇ジのようにざわざわしてみたい!」という上級者の方は、購入してみるのも面白いかもしれませんね(あくまで購入は自己責任で笑)。

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