カナダの田舎での出会い
これは、僕がカナダでファームステイ(農業体験)をした時の話です!
最悪の状況
僕はファームステイ先のホストファミリーとケンカになり、家を飛び出した。
状況は最悪だった…
夜の10時、カナダの田舎、街まで15~20キロ、交通機関なし、スマホは使えない→町の方向すら不明、日本からの荷物で歩くのも一苦労、近くの家は農家で就寝→外には人がいない、来て2週間→頼る知り合いゼロ、英語による言語の壁
僕は「とにかく、明日の朝まで生き延びよう」と思った!
人々が活動し出せば、街の方向を聞ける。街に行けば、ホテルもWi-Fiもあるはず。
当時、食料を何も持っていなかった僕は、とっさにファームステイ先にあったリンゴを3つ、ポケットに入れてきた。
「これで野宿をして、朝まで待とう」と思った。
動物
僕は、野宿する場所を探しながら、歩き始めた。
街からファームステイ先までは、車で来た。その道だけは方向がわかったから、そこを街の方に歩き始めた。
僕は幽霊とかは信じていないから、そういう怖さは全く無かった。でも、現実的なものは怖い…
カナダには、「ムース」という巨大なシカ科の野生動物がいる。
オスのムースの平均的な大きさ
体長280cm、肩高210m、体重600kg
カナダでは、この「ムース」と車の衝突事故が多い。
ムースにもダメージはあるけれども、衝突すると車が破損して、人が死亡することもあるほどの威力がある(>_<)
芸能人の武井壮さんが「百獣の王」を目指すきっかけになったのも、アメリカで「山で巨大な鹿に遭遇して、生命の危険を感じたから」と言っている。
結論、僕は野生の動物には、遭遇せずに済んだ。
でも、番犬が今にも襲ってきそうな勢いで吠えてきた時は、怖かった!
姿は見えなかったけれども、声から判断するにかなりの大型犬で、聞いたことがないぐらい威嚇的な声で吠えていた。
その声が遠くなったり近づいてきたりするのは、怖かった…
真夜中のヒッチハイク
僕が歩き始めてから、車が通ることが3回あった。
僕は何とか助けてもらえないかと思って、スマホのライトを付けて手を振った。でも、車はそのまま通り過ぎて行ってしまった…
ただ、「ここに人がいるから、気をつけて通ってね」という意味に取られたのかもしれない(^_^;)
それから少しして、もう一台の車が通った。
今度は、もう少し大げさにスマホのライトを振ってみた。それでも、車は通り過ぎて行ってしまった。
その時に気付いたことがある。その黒い車は車高が低く、何やら改造しているうよな大きな音が鳴っていた。
完全にヤンチャな雰囲気が出ていた。(笑) 「止まらなくて良かったかも」と思った。
それから、5~10分ぐらい歩き続けていると、遠くからさっきの車の音が近づいてくるのがわかった。
「ちょっとやばいかもしれない」と思い、とっさに民家の敷地の中に隠れて、やり過ごした!
どちらにしても、朝になれば何とか出来ると思っていたから、そこでリスクを取る必要はないと思った。
不審者
ファームステイ先を出てから、1時間ぐらいが経った頃だと思う。3台目の車が通った。
ついに、車が止まってくれた。中には、若い女性が一人で危険そうな雰囲気はない!
僕は、近くの街の方向を聞いた。「方向はあっちだけれども、ここからは歩いて行く距離ではないよ」みたいなことを言われた。(笑)
僕は、拙い英語で「ほんの少しでも良いから乗せてくれないか」と頼んだ。
すると、女性は何も言わずにアクセルを踏み、その場を去ってしまった…
そりゃそうだ、夜中に荷物だらけの見慣れぬアジア人が近くの街まで20キロ歩こうとしている。
世間では、これを「不審者」という。(笑)
一軒の灯り
僕は女性の行った方向に何となく歩き始めた。それから少しした時だった。
灯りの付いている家があった!
その時は夜の11時を過ぎていた。それにも関わらず、灯りが付いているのはその家だけだった。
僕は「ここしかない」と思った。
もし、街まで送ってもらうことが出来れば、何となる。お金を払ってでも、頼もう!
そう思った。
僕は緊張しながら、玄関のドアをノックした。少しすると、中から女性が近づいてきた。
彼女は明らかに不信がって立ち止まった。「Who are you!?」と大きな声で言われた。
一度、いなくなったと思ったら、すぐに旦那さんが来た。僕はドア越しに、拙い英語で必死に状況を説明した!
僕が不審者ではないと判断してくれたようで、「きちんと話を聞くから、中に入りな」と言われた。
キャンプ
僕は必死に状況を説明した。そして、「街まで送ってくれないか」と頼んだ!
すると、彼らは「状況はわかった。今夜は遅いからここに泊まっていきな。」と言ってくれた。
しかも、「お腹が減ってるだろう」と言って、サンドイッチも出してくれた。
本当に助かった…
そして、彼らに明日からはどうするのか聞かれた。僕は正直に「全くわからない」と答えた。
彼らは翌日から、家族で3泊4日のキリスト教のキャンプに行く。だから、明日以降は泊めてあげられないんだと言われた。
彼らにそんな義務はないし、当然のことだ。僕は何とかして街まで辿り着くことを考えた!
すると、彼らから「良かったらキャンプに一緒に行かないか?」と誘われた。
キャンプから帰ってきた後は、次の行き先が見つかるまで家にいて良いと言ってもらえた。
僕は「もちろん、行く」と答えた!
濃い時間
その家には、キャンプが終わって次のファームステイ先が決まるまで、2~3週間いさせてもらった。
そこでの時間も本当に濃い時間だった!
お父さんとお母さんの他に、小さな子供が3人と、大きな犬が2匹いた^^
僕はタダでいさせてもらう代わりに、家の手伝いや子供や犬の世話を任せられた。
子供たちと遊ぶのは楽しかったけど、みんな活発で大変だった(^_^;)
キリスト教のことも教えてもらった!食事に感謝することや、色々な教えを話してくれた。
日曜日には、教会に行って礼拝をした。礼拝というよりは、その後で食事をしたりする、コミュニティが楽しかった!
そこで仲良くなった人たちと、教会以外で食事会をしたり、一緒にスポーツをしたりもした。
みんな優しくしてくれた記憶しかない(^_^)
旅は続く
一時はどうなることかと思ったけれども、こうして僕は無事に生き延びることが出来ました!
次の目的地は、トロントから車で1時間の街、ポートペリー(Port Perry)。
ここでもまた、他では中々できない貴重な体験をすることが出来ました^^
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