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最近観た映画 #3 ~不思議惑星キン・ザ・ザ/ファンタスティック・プラネット~

心の中にたくさんの箱があります。

その中には、私が持っている「顔」や「気持ち」や「好き」が入っています。

今は、私の中の「母の顔」や、しばらくハマっているK-POPの箱の蓋が開きっぱなしになってている状態。

先日、ずっと観たかった作品がAmazon Prime Videoで公開されていることを知りました。
そのとき、私の中の「映画が好きだったときの気持ち」の箱が開きました。

姉が購読していて、今では廃刊した映画雑誌『PREMIERE』を、姉の目を盗んでこっそりと読んでいたこと。

気になる映画を見つけては、近所のレンタルビデオショップで借りて観ていたこと。

そんな10代の頃を思い出したのです。

今から紹介するこれらの映画も、その頃に知ったもの。
田舎のレンタルビデオショップにはなく、随分と時間がかかってしまいましたが。
ようやく観るに至った2作品をご紹介します。


不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年/ソビエト連邦)

🎥あらすじ

1986年、ソビエト連邦時代のジョージア(グルジア)で製作され、当時のソ連で大ヒットを記録した脱力系SFコメディ。ある日、建築技師のマシコフは、「あそこに自分は異星人だという男たちがいる」と困った様子の学生ゲデバンに助けを求められる。異星人など信じられないマシコフが、その男たちが持っていた空間移動装置のボタンを押すと、次の瞬間、マシコフとゲデバンは地球から遠く離れたキン・ザ・ザ星雲のプリュク星へとワープしていた。そこでは何故か地球のマッチが超貴重品で、2人はマッチの価値を利用してなんとか地球へ帰ろうとするのだが……。

映画.comより引用

🎥感想
建築技師のマシコフと学生ゲデバンが、宇宙人と名乗る男が持つ装置のスイッチを押したら、いきなり惑星へ飛ばされてしまう。

一瞬にして視聴者を登場人物と一体化させる導入に引き込まれ、途中退屈な部分もあったけれど、観賞後しばらく思い出してしまうくらいにはこのシュールな世界にハマってしまった。

惑星プリュクでは、「クー」と「キュー」のみで会話したり(実は異性人同士は頭の中が読めるから会話の必要がない)、マッチの価値がやたら高かったり、理解不明な上下関係があったり、チープな宇宙船はあるものの文化レベルは低かったり、倫理観はさらに低かったり…。

言葉も文化も分からない異国へ来てしまったような状況にもかかわらず、異文化をすぐさま理解し、心理戦を繰り広げながらも異星人と謎の友情を育んでしまうマシコフとゲデバン。順応力高すぎぃ。

観賞後は、誰しもが「クー」と言いながらプリュク式挨拶をしたくなること間違いなし!の、ゆるくて不思議で癖になる映画だった。

そして、この映画で得た教訓。
「不用意にスイッチを押してはいけない」。

スイッチを見れば何でも押したがる小1の息子に言っておかなければ、と思う。

「そんなになんでもかんでも押してたら、いつか他の星に飛ばされるよ」って。

🎥小話
本作をセルフリメイクした『クー! キン・ザ・ザ』(2013年/ジョージア・ロシア)というアニメ映画もあります。

オリジナルの方が断然面白かったのですが、この世界の虜になった人は是非。

2024年9月鑑賞
Amazon Prime Videoにて

ファンタスティック・プラネット(1973年/フランス・チェコスロバキア)

🎥あらすじ

地球ではないどこかの惑星。その星には真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らから虫けらのように虐げられている人類オム族が住んでいた。ある日、ドラーグ人の知事の娘ティバは、ドラーグ人の子どもたちにいじめられ母を亡くしたオム族の赤ん坊を拾う。ティバは赤ん坊をテールと名付け、ペットとして飼うことになるが……。

映画.comより引用

🎥感想
地球以外の惑星で人間と知的生命体が共存したら…。
起こり得そうな内容にゾッとした。

手塚漫画に通じるものを感じる。『火の鳥』とか。

緻密なアニメーション、不気味な音楽も、物語の世界観を一層引き立てていて素晴らしかった。

主人公のテール(TERRE)から、「あの星」の名前がつけられた結末がなんかいいな、と思った。
まあ、フランス語が分かる方は、テールの名前が出た時点でピンとくるのだろうけれど。
日本語でいう「大地」という少年から「地球」と名付けた的な。

🎥小話
チョコレートプラネットの長田さんがこの映画の大ファン。コンビ名の由来になっているらしい。※出典

ゲーム『ピクミン』開発チームが、製作時に参考として観たのがこの映画だったらしい。※出典

2024年9月鑑賞
Amazon Prime Videoにて

まとめ

20年の時を経て、やっと観ることができた2作品。

どちらも、今なおカルト的人気を誇ると言われているのも納得の面白さでした。

ジョセフ・コーネルがお気に入りを箱に閉じ込めたように、私も観た作品やそのときの感情をまた、大事に箱に閉まっておきたいです。


長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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