見出し画像

本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えたトップ企業50 - 感想・引用

著者プロフィール: ジム・ ステンゲル
P&Gの元グローバル・マーケティング責任者。
同社に25年間在籍し、パンパースやオレイなどのブランドを「消費者がボス」の視点から再生させ、ブランド王国P&Gの確固たる地位を築く。
2001~2008年までグローバル・マーケティング責任者を務め、年間80億ドルの広告費を動かし、収益を倍増させた実績をもつ。
2008年に退社後はジム・ステンゲル・カンパニーを設立。
コンサルティングを行なう傍ら、UCLAアンダーソン経営大学院の非常勤教授として、マネジメントを教えている。
2011年にはフォーチュン誌が選ぶ「ドリーム・マネジメント・チーム」の最高マーケティング責任者に選出。

本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えたトップ企業50

今回の本は、パンパースを100億ドルのビジネスに育て上げ、グローバル・マーケティング責任者としてP&Gの礎を築いた伝説的マーケターが説く「ビジネスを加速する理念の法則」についてです。

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介し、また、他記事で紹介されている要点を説明するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。


要約

以下の要約は、「GROW 本当の企業理念について語ろう by Jim Stengel エコ*リラ*キレイ NORITZ」で紹介されている要点を、引用、または、さらに要約したものです。

理念の定義

  1. 21世紀に企業やブランドが成功するための鍵を握る要素

  2. 社員に始まり顧客にいたるまで、企業やブランドが関わる全ての人々を末永く味方につけ、連帯させ、行動の背中を押し続ける唯一の手段

  3. 市場で競争力を得るためにビジネスリーダーが活用できる最も強力な道具

  4. 企業やブランドの根本的な存在目的。企業やブランドが世界にもたらす高次の恩恵を表現したもの

  5. 社内の人々がいだく中核的信念と、その企業やブランドが奉仕する 人々が重んじる基本的価値観を結びつける要素

  6. 社会的責任や利他主義に基づく行動にとどまらず、“人々の生活をよ りよいものにする”ことを通じて、利益を上げ、成長を実現するための基本指針

最も急速に成長しているビジネスは、人間にとって大切な5つの基本的価値のいずれかに関わるブランド理念を持っている。

  • 喜びを感じさせる

  • 結びつくことを助ける

  • 探求心を刺激する

  • 誇りをかき立てる

  • 社会に影響力を及ぼす

ブランド理念の木

ブランド理念の根っこは、2つの要素で構成される。1つは、社内の人々がい だく信念(ブランドの歴史に由来)。もう1つは、そのブランドが顧客や消費者と共有する価値観である。

5本の枝(リーダーの行動原則)

  1. ブランド理念を発見する→人間にとって5つの基本的価値のいずれか で人々の生活をよりよいものにすること

  2. 企業文化を構築する →本当に重要なのは社員

  3. 理念を社内外に発信し、社員と顧客の両方と共有する “企業のあらゆる行動はメディアである”→ストーリー

  4. 理念に沿った顧客体験を提供する →差別化 (イノベーションの5原則)

  5. 理念に照らしてビジネスと社員を評価する →重視する明確な基準(成長を持続させるための評価の4原則)


引用

ほとんどの人は、「いい商品だから」という具合に漠然とした理由を述べるか、「役に立つから」「安いから」「品質が優れているから」などと機能面の理由を挙げる。このような回答が多くなりがちなのは、一つには、深い動機と高次元の概念が複雑で表現しづらいからだ。人間はえてして、言葉にしやすい答えに走ってしまうのである。

認知神経科学の研究により明らかになっているように、私たちの決断と選択は、潜在意識レベルの感情的・本能的反応によって決まる面が大きいのだ。

【ブランド理念が社内で力を失っていないかどうかを頻繁に点検する】
[中略]
・ブランド理念は、ブランドの伝統と組織のDNAに沿っているか?
・ブランド理念は、人々の生活に好ましい影響を及ぼしているか?
・リーダーがブランド理念の推進に積極的に関わっているか?ブランド理念は、社員と顧客を鼓舞できているか?
・ブランド理念は、成長の源泉となる多様なイノベーションを継続的に生み出せているか?

【「視聴者に指図するな」という哲学】
[中略]
・その番組は、視聴者の好奇心を満足させているか?
・その番組は、高い質を満たしているか?
・その番組は、視聴者の感情を揺さぶれるか?
・その番組は、視聴者に新たな疑問を抱かせることができるか?

「消費者は、イノセントのことなんて忘れてしまうときもあるだろう。人々が企業やブランドのことを意識的に考える時間なんて、たかがしれている。だからこそ、消費者の役に立ち、おもしろい存在であり、消費者の友達であり続けることが、長い目で見た場合に有効な戦略なのです。お店の棚の前に立ったときや、オンラインショッピングで買い物をしようとしたとき、消費者が選ぶのは親しみのあるブランド。そういうブランドは、新製品も買ってもらいやすい」

企業のあらゆる行動は「メディア」である。企業が行うあらゆる行動が「メディア」である以上、必要とされるのは高度なコミュニケーション能力だ。

【ネットフリックスの止まらないイノベーション】
この会社のサービスの特徴は、3種類のイノベーションを巧みに組み合わせていることだ。1つは、持続的イノベーション(製品やサービスの日常的・継続的改良を行う)。もう1つは、商業的イノベーション(製品やサービスそのものは変更せず、マーケティングによって新しい需要を生み出す。既存製品の新しい用途や新しい使用局面を提案するなど)。そして3つ目は、破壊的イノベーション(新しいビジネスのジャンルを発明・再発明し、ビジネスモデルを変更する)である。

彼が語ってくれた「CMO五つの機能・原則」を披露しよう。
1. 組織におけるマーケティングの役割を明確化し、定義すること。
2. マーケティングWAYを開発し企業内に展開すること。
3. 個人的に自らが先頭に立って、みんなをリードしていくこと。
4. ベストパートナー(広告会社等)を選び、一緒に働くこと。
5. 将来に向けての準備をすること(マーケティング改革やパイロット組織の創造等)。

ブランド理念をどのようにして表現していくか→その表現をした結果(プロセス結果)を業績評価に落とし込む→(結果)業績が上がる・下がる→(振り返り)ブランド理念を表現する行動内容・評価基準を見直す

『GROW 本当のブランド理念について語ろう』を読んで。

感想

  • P&Gが非常に良い企業だということがわかった。

    • P&Gの本、Founding storyを読んでみたいと思った。

    • 日本企業がTop50に入っていないのは残念。


  • 企業のブランドは理念に基づいているというのを明確に言語化している

    • この本の中で一番良い点。

    • 企業のWhyやMission、Why existingがベースにある。


  • メソッドなどのフレームワーク

    • ここがいまいち不明になっているかも。


  • 5つの基本的価値

    • これはThe right things 101に通じるところもあるし、根本的な価値観はやはり一緒なのだなと。


  • 理念だけではダメだし、Utilityだけでもダメ。

    • これは経験から分かった。

    • Missionが強くても、ProductにValueがないといけない。

      • Glaspの例はまさにこのこと。


  • 「Whyから始めよ」と非常に似ている本だと思った。

    • 定期的にビジネス理念やMissionを思い出させてくれる本は素晴らしい。

    • Whyから始めよも、明晰なWhyを作り、Golden circleからWhyを伝えていくというもの。

      • チームや社員が共通の理念に基づいて動く。

      • それが行動を通して、クライアントや顧客など他の人に伝わっていく。


  • Netflixのイノベーション論は洞察に富んでいる。

    • 持続的イノベーション

    • 商業的イノベーション

    • 破壊的イノベーション

    • イノベーションのジレンマとも通じるところがある?

    • 最近、Excelが典型的なイノベーションのジレンマに陥っているとの話があったが、Netflixはどうなるだろうか。


  • VISA

    • 価値観に合った行動をとっているか


  • Pizza Hut

    • お客様が喜んでいるかどうかが従業員の満足度に関わっている

この記事で掲載した引用は、Glaspの機能を使ってエクスポートしています。Kindleのハイライトをエクスポートすることに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。

また、この本のトップハイライトは以下のリンクよりご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?