シェア
桂子。
2019年10月16日 10:44
初めて会ったのは、よく晴れた日 だった気がする。たしか七月四日。まだ梅雨も明けていない木曜日。遠い昔のように思えるのは、金木犀の匂いに 秋を教えてもらえたからかもしれない。君はよく笑う人だった。そのくせ、なんだか瞳の奥では何を考えているのかわからないような人だった。瞳の奥にある悲しみに似た何かを 隠すようにして笑う人だなと思ったのを今で覚えている。知ったように言うなって言われるかもしれないけれ