「家族マンガ」が好き(『次女ちゃん 7さいのじかん』)
『次女ちゃん』シリーズの最後の作品
大好きな、こやまこいこさんの漫画『次女ちゃん』。
昨年末の『次女ちゃん 6さいのじかん』から、およそ1年。
先日、シリーズの最後となる、『次女ちゃん 7さいのじかん』が発売されました。
シリーズの最後となるのは、前もってTwitterを通じて知っていました。なので、楽しみな半面、ちょっと寂しくなってしまうなと思いながらも購入。ゆっくりと読むことにしました。
こやま家の日常は変わらずほんわか
『次女ちゃん 6さいのじかん』を読んだときにも書きましたが、漫画の展開は基本的にその時と同じ。
にこの毎日が数コマのマンガで、いくつものストーリーで展開していきます。
次女のにこは小学1年生に、長女のるーこは小学校6年生に。
にこの毎日は変わらずほんわかしているように見えるのですが、『6さいのじかん』より共感できることが増えてきました。
放りっぱなしにするのに、何かに使えると思ってラップの芯を欲しがったりとか。
ルールが分かっていないまま、るーことゲームをしたりとか。
自分も妹と、小さい頃にもらったばかりのオセロのルールが分からなくて。ただ白と黒の石を「オセロ!」と言いながら、盤上に置いていたのを思い出しました。(姉に「どっちが勝ったの?」と聞かれて「・・・・・・?」となったのも覚えています。)
自分自身の記憶がちょっとずつ増えてきた年齢と、にこの年齢が重なったのかなと思います。
ふと言ったにこの言葉に、ジーンとしてしまったり。
1つ歳を取って、劇的に何かが変わるわけではないのですが、ママのこいこさんが感じ取る変化が、そういう言葉にもあるのかなと。
自分はシリーズを通して見ていた「いつもの」にこが、『7さいの時間』でも見られて嬉しいです。
るーこの小さい頃も大好き
長女のるーこのことを見るのが、やはり自分にとって『次女ちゃん』を読む大きな楽しみのひとつ。
やっぱりるーこの言葉や感性は、いいなと思ってしまいます。
『7さいのじかん』では、るーこがもっと小さい頃の話がたくさん出てきます。よくよく考えてみると、にこがいない頃の、まだ姉妹がるーこ1人だった時の話が結構出てくるなと。
お姉ちゃんでないるーこの姿や話も可愛らしいです。何より、それを覚えているこいこさんにとっても、子どもがるーこ1人の時は、また特別な思い出なのかなと感じました。
自分は中間子なので、生まれた瞬間にきょうだいがいないということがありません。姉と妹はほぼ年子。小さい頃の、両親と「自分だけ」の思い出って何かあるのかなと、るーこのことを見ながら考えていました。
パパはやっぱり「パパ」
パパこと漫画家・小山宙哉さんは、『次女ちゃん』シリーズでは変わらず一家のパパ。
パパも、発する言葉や行動が独特すぎて、思い出しては笑ってしまいます。
三日月を見て「爪・・・切ったみたい」。これを見てから、外に出て三日月を見るたびに、本当に切った爪に見えてきた。
「アイスクリーム食べたい人~」「はーい!!」というやりとりの後で、アイスクリーム屋を素通り。こやま家では全然普通のことなのかもしれませんが、自分がこんな場面に出会ったら、きっとニヤニヤしてしまうと思います。
実はママのページもある(と思っている)
漫画のもくじは、
・にこのこと(季節ごとのまとまりで、『7さいのじかん』では「秋」「冬」があります)
・るーこのこと(「るーこ劇場」)
・パパのこと(「パパ劇場」)
と、ママであるこいこさんのことは、もくじには大きく出てきません。
ただ、ママのことをしっかり読むことができるのが、各所に出てくる「コラム」です。
漫画自体がママから見たこやま家なので、もちろんママの姿はたくさん見るのだけど。コラムに書かれた言葉に、すごくこいこさんの気持ちを感じます。このコラム、とても好きです。
私が知らない事も私に言わない事も
きっともうたくさんあるんだろうな
ふたりの関わり方も
これからどんどん変わっていくのだろうな
家族のつながりを考えたり、にこ・るーこ姉妹のことをよく見ていたりする言葉が何気なく出てきて。
コラムがママの、こいこさんのページなのだなという感覚で読みました。
「それから」と「あとがき」
最後には「それから」として、中学校になったるーこの姿と、同じ分だけ月日の経ったにこが出てきます。
「それから」もいつもの日常が描かれているように見えて、でも小さく小さく変化して、毎日が続いていくんだろうなと感じます。
そして「あとがき」。
本当にサラっと書いてあるように見えますが、<毎日の出来事>と示された円グラフが、シリーズの終わりをシンプルに教えてくれる。そんな風に見えました。
自分は「家族マンガ」が大好きなのですが、もしかしたら作者さんの多くは、こんな円グラフの毎日を過ごしているのかもしれない。
もちろん、描かれていないことの方が多くて、楽しい・嬉しい・面白いばかりの生活ではない。分かっているつもりです。
でも、自身の家族のことを漫画や、それ以外の手段でも伝えることって、想像以上にすんなりいかない。そう思うと、大好きな家族マンガを描かれている人たちに、改めて感謝のような気持ちが出てきました。
こいこさんの気持ちを感じられる一冊
実は、このあとがきの後にも漫画が出てきます。
なんで、あとがきの後に・・・・・・と考えたのですが、こいこさんの、にこ・るーこへの一番の気持ちなのだと思いました。
最後の最後まで、グッとくる。
こやま家の毎日を描いてきた『次女ちゃん』。中でも、こいこさんの気持ちを一番感じられたのが、この『7さいのじかん』でした。
読者の立場から勝手なことですが、やはり最後になってしまうのは寂しいです。
にこ・るーこをはじめとする、こやま家の皆さんが見られなくなってしまうのかなと、そう思ってしまう部分も正直あります。
『次女ちゃん』を通してこやま家の毎日を見て、フフッと笑顔になり、穏やかな気持ちにもなりました。
にこ・るーこを知ることができて良かったし、こういうのが「家族マンガ」の好きなところだと、本当に思います。
こいこさん、『次女ちゃん』の終了、お疲れさまでした。
ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?