見出し画像

【life】今、に焦点を合わせる

夢見が悪いのは昔からで、よくテロリストや怪物と戦う夢を見ていた。
しかし最近は過去の夢をよく見る。

それも学生時代には親友と呼んでいたけれど何がきっかけかわからないまま離れていった友人や、思い出すのもはばかられるような恋をした相手や、もう一生会うことはないだろう父や元夫まで。
蓋をした記憶の中の人たちがこぞって夢に出てきては、現実のように振舞って去っていく。
目が覚めると隣にいる家族の寝顔を見て「ああ、違った違った。今はここだ」と思い直す。

それでもやっぱりふとした時に、以前までは環境や人のせいにしていたことも、「あれは私も悪かった」と反省する気持ちが出てくる。
過去の記憶から学びを得ようとするのはまだいいが、それに引っ張られて自己嫌悪になりそうなこともある。

そんなある日、夫が寝た後にを観ていたら「子どもの初めて動画」を放送していて早速さんちゃんの初めて動画を1つにまとめてみた。
初めて夫氏に抱かれて泣いた授乳室での様子や、寝返りをした日の動画、ハイハイをしようとがんばっている背中から、初めて洗い物のお手伝いをしてくれた日まで。
赤ちゃんの時から最近の初めてのできごとを1つの動画にしたものは、我ながら涙なしには見れない仕上がりになった。

その夜、さんちゃんが洗面所で歯を磨いている後ろ姿を見て、「なんて大きく頼もしくなったのだろう」と思った。
まだ5歳とはいえ0歳の頃から比べたら色々なことができるようになった。もちろんそれはべえさんも同じだ。
だからこそ「今を見逃してはいけない」と強く思った。
過去の自分を振り返っている場合ではない。
今目の前にいるわが子の成長を見逃さないように、焦点を「今」に合わせようと。

そう思ったら、過去と一緒に先のことを考えてあれこれ焦る気持ちもどこかへ消えてしまった。SNSで発信したり、副業するためには何ができるか考えたり、子どもたちの将来に向けてやっておかなくてはいけないことは何だろうと情報収集にいそしんだりする時間が減った。

するとどうだろう。仕事も、家族との時間もずっとずっと楽しくなった。
今目の前にあることに集中して、できることを考える。
今目の前にいる人を大切にして、一緒に過ごしている時間のことを考える。
それだけで十分満たされていることに気づいたのだった。

記憶の中の人たちは、それを教えてくれるためにわざわざ夢に出てきたのだろうか。
そうならば、今夜の夢では「ありがとう」と伝えたい。


いいなと思ったら応援しよう!