Tokyo Sexy Pop Tune! / Album 『POP×STEP!?』 Sexy Zone
リリースから時間が経ってしまったけど、ちまちま書いていた記事🌹
デビュー10年目を迎えるSexy Zoneが放つのはTokyo Sexy Pop Tune! 色とりどりのPOPと、目まぐるしい振り幅で揺れ動くSexyの概念。J-POPという間口を大きく持った彼らのまさに今を体現したアルバム。ただ自分たちをカッコよく魅せようというフェーズをとうに脱し、その先の「君」へ等身大で寄り添い導こうとしてくれる姿は素敵な大人の様相。
ソロ曲でも全員が作詞に関わる意欲の高さを見せつけ、話題のアーティストが次々と楽曲提供。メンバーの菊池風磨はレコード会社に「この人の曲はセクゾに合うと思います」とプレゼンするそうな…素晴らしいね!ちなみに去年のアルバムでもiriから楽曲提供を受けていました。推せる。
歌謡曲もロックもヒップホップもシティポップもR&Bもダンスナンバーも、とにかく凡ゆる方向から音楽を楽しめるという点でジャニーズのアルバムはキッカケに相応しいと思っています。ベテランの作家陣から今をときめく邦ロックバンドまで様々な作り手が楽曲を提供しているので、色々なタイプのJ-POPが聴けてしまうお得さ。Sexy Zoneはその中でも楽曲のクオリティが高いと思っています。
ちなみに、曲が良いからソロ曲収録の通常盤だけ買おうと思ったのですが、「DVD Sexy Zone サイコロ旅〜Sexy ドライブで熱海から東京までポップ!ステップ!?〜」というタイトルにまんまとやられて初回盤Bも買ってしまいました。MVやメイキングも勿論素敵なんですが、結局バラエティ番組みたいな映像が好きです。たぶん、キスマイのせい。笑
全曲感想🌹
01_極東DANCE
*AOKI フレッシャーズCMタイアップソング
リード曲。安定の多田慎也さん作詞作曲。常に世界を視野に入れている彼らが極東(東アジア)で踊るダンス。本気でアジア背負ってほしい。
"Tokyo music 召しませ 極東Dancing"
"抗うでも 争うでもない
誇り高く舞い上がれ Spirits of NIPPON"
2番の"SZ music"はSexy Zoneの音楽として、"ST music"とは…? と思って調べたら、そもそもアルバム名の"STEP"=【Sexy, Tokyo, EPisode】という意味なんですって。
"躊躇なく我が道を行け"と高らかに歌い上げて幕を開けるアルバム!
CMの🌸F4🍡感も凄かった。全校生徒が憧れるイケメン4人…(リンク切れちゃって残念!)
02_恋のモード
マシンガンのようにハートを撃ったり、ショーウインドウ越しに微笑んできたり、まさに"昔のシネマのよう"な映像が描ける可愛らしさ。ザ・アイドル!ライブではダンス曲か花道を駆け抜ける演出でお願いしたい!ハートを纏う4人が見える。
君のことをラブリー、ポップ、ゴージャス、グラマラスとか散々言っといてセクシーは2回言うの、設定に忠実で推せます。セクシーセクシーベイビー!(更に発音はセクスィー)
03_禁断の果実
変わり身の早さ!まさにセクシーな1曲。現代版アンダルシア…と言ったらマッチ御大に怒られるでしょうか。
ジゴロってどういう意味だっけ?と調べたら、ヒモとか男妾とか…なかなかアレな意味だった。マリちゃんにそんな言葉うたわせるなんて!風磨の「俺はジゴロ〜〜」で笑わないファンが居るだろうか(反語)
とにかく韻の踏み方が気持ち良い1曲。読んではいけない、聴くのだ!
"真っ赤な太陽 黒々 大都会のジャングルをウロウロ
イカした君にメロメロ 狙う獣たちの目がギョロギョロ
キケンな噂は色々 弄ばれた男はゴロゴロ
俺の出番だな そろそろ 何を隠そう俺はジ・ゴ・ロ"
"Darling Darling Hurry Hurry やばみ せっかちなもんで
Darling Darling わりぃ わりぃ Feel me 俺ら共犯者!"
04_Honey Honey
*コーセーコスメポート「ソフティモ」CMソング
岡嶋かな多さん作詞の可愛い歌詞…"Sexy Love""Softにもっと("相当にもう"と対比させるの巧すぎ)"etc. 織り交ぜ方が流石の商業的アイドルソング。メイク落としのCMも美しかった。。💋
05_タイムトラベル
"タイムトラベルみたいな恋"…成人式の二次会シチュ!!浮遊感漂うミドルテンポが堪らないシティポップ。お洒落グルーヴに飲まれておセンチな気分になります。これがほろ酔い気分ってやつだな…?
サビ、裏声部分はふわふわ妄想してるのに、最後に置かれた"…のでしょうか"だけ地声で現実に戻ってるのがリアルなんだな…カッコいいテンションで入ってくるラップは心の声(笑) 歌い分けが良い。個人的にはこのアルバムの中で一番好きかも。
06_Blessed
作詞・作曲・編曲:Kai Takahashi (LUCKY TAPES)
"真面目に生きてきたけど 何処か空っぽです"ってSexy Zoneに歌わせるのはなかなか強い。
「しずかに前向き」な感じが良い意味でアイドルらしくなく、等身大に生きる彼らの気持ちみたいで切なくて好き。
なんかビーチっぽいなと思ったらLUCKY TAPESというバンドの前身はSlow Beachらしい…まさにスローモーションの海辺感あると思うのは考えすぎ??2018年5月にメジャーデビューしたばかりのようです。
07_BLUE MOMENT
学生生活の終わり、まさに「青い瞬間」を歌う王道J-POP🌸 何気ない日常、受験、部活のことまで思い出させる歌詞!卒業式で歌われて欲しい。冒頭のフレーズから受験頑張った勢としては涙が出ます(笑)
"春 桃色の風が背中押した一歩
憧れの場所がいつのまにか毎日のホームになっていた"
"上を向いて歌えばあの頃の僕らがいるよ"
"枝分かれする未来も 始まりはそう 同じ木の下で"
08_○△□
おでんではありません「まるさんかくしかく」です(笑) 最初こそあまりピンときてなかったけどよくよく読んだら素晴らしい歌詞なんです。幅広い年代が覚えやすそうなメロディー&歌いやすそうなテンポも相まって、まさに「みんなのうた」向きなのでは…!サビを子どもに囲まれて歌い踊る彼らが見たい👶
自分の"HAPPYになれるカタチ"を宝探しのように見つけよう、色んな刺激で変わっていこう、と型に嵌らなくても良い自分らしさを肯定してくれる歌詞に救われる人が沢山居そうだし、それが多様性を包含する彼らの魅力の一つだなと強く思わされる。
"みんな違うからいい それだけは忘れるなよ
無限に広がる可能性を 秘めてることも"
"まるさんかくしかく
HAPPYになれるカタチ ひとつ見つけたら
君の生きてる世界はきっと
昨日までよりも少し明るいはずさ"
09_ダヴィンチ
ロックチューン×SNS社会批判の歌詞。ひとつ前の『○△□』と全く違ったテンションをこれでもか!と見せつけてくる彼らの振り幅に幸福な目眩を覚える。こんな「美しくない」未来など願われていなかったはずだ、僕達だけは芸術をするんだと歌うのだけど、とにかくサビの歌詞のインパクトが凄い。
"世界へ皮肉を込め モナリザが笑う
優しさの陰に隠されているメタファー"
"天才 レオナルド・ダヴィンチさん
Please tell me..."
ダヴィンチも急に呼びかけられてビビると思うな…w
あとは、この歌詞を菊池風磨が歌ってるという事実に沸きます。滑稽な社会の風刺。歌割考えてくれた人に大感謝。↓
"マウント取り合っているあの子
開いてるぜ君の社会の窓"
10_まっすぐのススメ!
作詞:金井政人(BIGMAMA)
金井ママ(懐かしい)が作詞を手掛けた本作。幼馴染みへの片想いを歌う内容、タイトルからは予想できなかった(笑) 勝利くんに一番似合う。。BIGMAMAっぽさのある楽器の多重奏、ビッグバンドの伴奏で観たい!コンサートではナポレオンジャケットを羽織ってJr.も交えて行進してほしいし、少クラで名もなきJr.たちがやったら可愛いと思う。。
"家族以上 友達未満"はあるあるだけど"彼氏未遂 親友疑惑"はちょっと好き(笑)
11_Tokyo Hipster
[Hipster]流行の最先端を行く人。トンチキな歌詞は流石の三浦徳子御大、なんか凄く元気が出ます。だいすき。それが往年のキラキラジャニーズサウンドに乗ってるから不思議な気持ちになる(笑)
"石器時代にもしも僕ら出会っていたら
愛してると君になんて伝えていたの?
Ah, 言葉などいらない世界
なんかそれはそれでイイ感じ!"
"流行り廃りあることは わかっててもその先を
目指してく 僕たちは 風を感じる
最後の地球人だからね Tokyo Hipster"
12_MELODY
作詞・作曲・編曲:tofubeats
tofubeats色に染まるセクゾめっちゃ良い…エフェクトのかかるボーカルは機械的なのに、歌詞の温かさが伝わる不思議な曲。歌うだけで君と僕は繋がれるんだよと語りかけてくれるのは先が見えないこの日々の中でも勇気づけられる。友達、と言っているけれど彼らから私たちへの気持ちだと思えばより大切に受け取れる。
"人に怒らず 無駄に焦らず 生きるのは難しいね
でも少しでも できることはやってみよう
君ならできるはず"
"いつでもメロディ 口ずさめば
なにがあっても大丈夫 心はもっと強くなる"
13_One Ability
突然のダークな雰囲気も似合う…「愛する」という「ひとつの才能」しか無い。ケンティーマインドを4人でやってみた、って感じ。居なくなってしまった彼女への想い。ライブではスクリーンに雨を降らせて欲しい。雨夜の雰囲気。
14_それでいいよ
Sexy Zoneはいつまでもコドモじゃない。どんな君だってそれでいいよ、なんて優しさで包み込める強さを持ったオトナの男なんです。ポスト嵐感。こういう曲調がアルバムの最後に据えられるようになったらまた一段ステージ上がる感じがするけど、まだまだ挑戦的な彼らで居てほしい気持ちもある。コンサートでは勝利くんのアコギ弾き語りに合わせてステージ上の階段に座って歌って欲しい。
"ねぇ それでいいよ いいよ いいよ
どんな君だって それでいいよ
何個でも言えるくらい知ってる 君の素敵なとこ
僕の眼に映る 世界でたったひとつ輝く誇りだから
出かけよう顔上げて いつも側にいるよ
まだ君が知らない 君に続いてく旅へ"
15_麒麟の子
*映画×日本テレビ深夜ドラマ×Hulu『ブラック校則』主題歌
"限りない草原を 知らないままじゃ僕らは
こんなにも 汚れきった世の中で
死んだように生きるだけ"
作品のイメージがあったとは言え、この尖りをシングルで持ってこれる強さ。顔面偏差値の高さ故に優等生っぽかった彼らだけど、学生のファンも多いし、まだこういうロック(反抗的という意味で)もありですね。時代批判系の曲、Base Ball Bearの小出さんが提供してくれないかなぁ…ラップもありで…。
16_HIKARI
作詞:タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)
ラストに据えられたのはジャニーズらしいサウンドに邦楽ロックバンドの歌詞が乗る救済ソング。アルバム曲として埋もれるのが本当に勿体ない!大人だって救われる歌詞。
"誰もが皆んな何か持ってこの世に生まれてきたのだろう
その荷物は僕と少しの大事な誰かを救う光"
"何度も僕らは光り輝くそのたび 夜は教えてくれる
「暗闇こそ自分のこと見つけやすいんだよ」と
希望が呼んでいる 飛び込んでしまえ 君となら行けるさ
僕にとっての光 それは君だ"
"Are you ready?"から始まる歌は"Ready to go"で幕を閉じ、最後の最後に奮い立たせてくれる。彼らも、私たちも、次の時代へ旅立つ準備はできているのだ。
◆通常盤付属:メンバーソロ曲
01_Show must go on(佐藤勝利)
作詞:佐藤勝利
ジャニーさんに「Youは特別かっこいいよ」と言わしめた顔面偏差値東大級の勝利くんソロに冠されたのは、その「芸能界の父」が大切にしていたフレーズ。ステージの中央で"踊り続けよう 歌い続けよう"と宣言する勝利くんが眩しい。
"これからずっと走り続けるの?"と2回繰り返された歌詞が最後"走り続けたい"になる覚悟には号泣必至。
アルバムのクレジットに刻まれる"Eternal Producer:Johnny H. Kitagawa"!
02_SHE IS...LOVE(中島健人)
作詞・作曲:中島健人
中島健人と書いて「愛」と読ませたほうがいいレベルで愛しか歌わない人(褒めてる)。自己プロデュース力の高さに脱帽。「僕がいるよ」だけじゃなく双方向の愛情を歌ってくれるアイドルの尊さよ…。歌だけじゃなくラップも入れてるあたりファンの需要をよくわかってる。
ちなみにレギュラーラジオで、サビの"SHE IS...LOVE"の合間に「ケンティー!」とか叫ばせる合いの手講座をやってました。やりたすぎる。笑
03_HAPPY END(菊池風磨)
作詞:Rachel / Mamiko / Fuma
作曲:Mikeneko Homeless / Mamiko
編曲:Mikeneko Homeless
前作のソロ曲では「作曲父親、作詞俺」というエモエモのエモをやってのけた菊池風磨くんですが、今回コラボしたのはchelmico&三毛猫ホームレス!
作詞クレジット「Rachel×Mamiko×Fuma」...つよい。前作起用のiriもぶちあがったけど、また素敵な人との接点を持ってきてくれた風磨くんにはずっと音楽と関わり続けるお仕事をして欲しい。ていうか他のメンバーと一線を画したリア恋感…キスマイ北山くんと同じ国民の元カレ感…好き……。ラップを本当に自分の武器にしてて、そこはかとないリスペクト感じるから、櫻井アニキと共作してくれないかな。永遠の櫻井担としては心掴まれっぱなしです。
04_all this time(マリウス葉)
作詞:Marius Yo / Kanata Okajima
歌詞の内容の普遍性がビートルズ級。ベストアルバムに紛れ込んでいてもバレないのでは…? 1番とか洋楽として聴けてしまうのに2番はちょっと舌足らずな日本語の歌い方が可愛くて、サブスクに紛れ込んでたら新規ファン獲得間違いなし…。Sexy Zoneが「世界」を目指す説得力の一つにマリウス葉の存在があることは間違いない。それは単に彼のルーツや語学力だけでなく、彼のフラットでやわらかな思想に世界中が救われ繋がっていけると思えるから。11歳でドイツから震災後の日本に飛び込んで来てくれて、皆を笑顔にしたいとアイドルになってくれた尊さが彼のタレントとしての原点なのだ。
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「J-POPという間口を大きく持った彼らのまさに今を体現したアルバム」と先述したが、Sexy Zone自身もまた間口を大きく持ち、飛躍する未来のすぐ手前に居る。
それぞれが映画、ドラマ、ラジオ、バラエティ番組のレギュラーなどこなす他、中島健人がアカデミー賞のメインレポーターに起用されたり、菊池風磨が慶應大学の「インテリ」キャラを惜し気もなく(?)捨てて「ジャニーズなのにドッキリで全裸になっちゃったNGの無い子」としてお茶の間の人気を取りに来ていたり。。。
もしかしたらキャラを求められ本意ではない場面もあるかもしれないが、ひとつひとつの仕事が成長に繋がる、グループに還元できると思いながらやっているであろう彼らをずっと見つめていたくなる。
J-POPでSTEPを踏む彼らが JUMP! するときにはどんな景色が見えるのか…その軌跡を陰ながら追いかけていきたい。