久々に"夏休みの宿題"に取り組む男子大学生。
夏休みの宿題なんて当分の間出されていない。最後に読書感想文を書いたのはもう5年前のことだし、ポスターを描いたのはもう8年も前のことになる。
大学に入ってから今僕は3度目の夏休みを迎えているわけだが、大学から夏休みの宿題として何かを課されることがない。言い換えれば、自分で課題を設定してこなしていかなければならないということだ。自分で好きなように計画を立てられる楽しさもある一方、何をやったら良いのか不安に苛まれることもある。
大学生になるまでは、レールが敷かれていることが当然のように思っていたし、道は初めからそこにあるものだと思っていた。けれど全くそうではなかったらしい。レールは作るものだし、道は見つけるものだった。この夏休み、自分と向き合う時間が多く、より強く自分の将来のことを考えていた。
そんなとき、懐かしの言葉が僕の目と心を捉えた。
『夏休みの宿題』
僕の大好きなクリエイターの1人、たまごまるが素敵な企画を用意してくれた。たまごまる先生は僕たちに、子供の頃の気持ちを思い出しながら日記を書き、さらにそれを大人バージョンとしてリメイクするという夏休みの宿題を課した。
久しぶりに課された宿題に取り組む。高校生までは課される宿題に嫌気が差していたが、大学生になった今は”宿題”という言葉が全く嫌ではなく、むしろ魅力的にすら感じる。さて、大人の余裕を持って、締め切りの5日も前に夏休みの宿題に取り組もうか。
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*かねけん少年の夏の一コマ
7/27 はれ
きょうは、ぱぱが、じじちゃんから、大きいすいかを、もらってきました。ぼくは、すいかが、大すきなので、とても、よろこびました。すいかを、たたくといい音がなり、ぱぱは、「これが、おいしいあかしだよ」と言っていました。ぼくは、たいこみたいだな、と思い、いっぱいたたきました。たたいていると、だんだん、あしがびちょびちょに、なってきて、おどろきました。「わあ、そんなに、たたくとわれちゃうよ」と、ぱぱが、言ってくれましたが、もう、すいかにはひびが、入いっていたのです。ぼくは、ちょっと、かなしくなってきて、ないてしまいましたが、ままが「すいかわりができてよかったね」とわらったので、ないたのは、ちょっとでした。そのあと、ぱぱが、すいかを、きってくれたので、たべました。あまくて、おいしかったです。でも、ちょっと、しょっぱかったのは、どうしてだろう。たべたあと、ぱぱが、じぶんのおなかをたたいて、「これは、おいしかったあかしだよ」と言ったのは、おもしろかったです。
*かねけんの夏の一コマ
文月二十日余り八日 一点の曇なき青空のもと記す
本日の昼下がり、父は母方の祖父より、目算で直径70cmは下らないであろう巨なる西瓜を頂戴した。吾輩の大好物であるが故、其れと目が合うや否や悦に入った。其れを弾くと鳴り渡る"コツンコツン"という響。父は「此れぞ、まさに、トレボンたる証憑なり」と微笑を添えた。吾輩は其れが太古より受け継がれる和の誇り高き膜鳴楽器かのよに覚われてゆき、玉響張り続ける。すると、どうしたものか、足下が浸潤してゆくではないか。吾輩が魂消る思いを募らせている最中、父が目角を立てる。「さしも力を込めるでない、西瓜に罅が走ってしまう」吾輩の心、豆が腐っている故、涙腺より澄んだ塩気のある塩分を含んだ溶液が分泌される。身を知る雨は、ソレイユ的母の「海の神へ西瓜を奉納出来たと思うがよい」という言葉掛けにより鳥渡で終止符を打った。然る後、父が三日月に切りし其れを入口させ、美味及び甘味を心身染み渡るほどに感じた。しかれども、幾分の塩味を憶えたのはいかなる所以か。食後、父が腹鼓し「此れぞ、まさに、トレボンたりし証憑なり」と謂うこと、吾輩は破顔一笑せざるを得ない。
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夏休みの宿題、とても勉強になった。こんな言い回しがあるのかと新しい発見があり課される宿題・テーマも悪くないなと思った。たまごまる、こんな素敵な機会を与えてくれてありがとう。
ちなみにトピックス✍️
・7月27日はスイカの日である。
・コツンコツンと高い音がなればなるほど、スイカは熟していて、あまく美味しいとされている。
・豆が腐ってる故は完全に造語。お豆腐メンタルってこと。
・トレボン=美味しい
・ソレイユ=(フランス語で)太陽
・身を知る雨=涙を表す古語
・スイカ割りが生まれた説の一つに『海の神へ西瓜を奉納するため』という物がありそれを採用。他にもいくつか説はあるようだ。
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今回参加させてもらった企画
Respect For たまごまる