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かねけんのショートケーキ

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男子大学生かねけん🐶の日常や懐かしい思い出を140字以内でお届けします。軽く笑いたい人、元気を出したい人どうぞ! #ショートショート
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2020年6月の記事一覧

ゼミのオンライン人狼で開口一番に「自分は人狼だ〜い」って散々に自慢されていた方がいまして。みんなに吊し上げられた末に、狂人でもなく市民だったっていう。その方曰く「人狼って嘘つけば良いんでしょう?」間違ってないけれど、間違っているんですよね。ちなみにその方は教授なんです。好きです。

携帯にイヤホンを繋ぎ、英語を聴きながら田舎道を走っていた夜。急に無音になったので画面を見ると、全く違う表示が。走りながらも懸命に操作するが、一向に元に戻らない。「あっ!」画面に気を取られ何かにつまずいた僕は、力んだ手で携帯を強く握りしめ、田んぼに落ちる。携帯の電源も落としながら。

チリチリッ。虫の鳴き声だろうか。夜、散歩をしていると前方の建物から謎の音が聞こえてくる。目を凝らすと、建物の入り口には青白い光を放った何かが吊り下げられているのが分かる。「そうか!」僕は気付いた。鳴き声ではなく、捕らえられた虫の最期の泣き声だったのか。僕は"むし"することにした。

経験上、日本人の「〜で良いですか」は「良いですよね?」と同義だ。「窓閉めても良いですか」は窓を閉める合図で、「トイレ行ってきて良いですか」は漏れる直前。先日、美容院での「湯加減ちょうど良いですか?」に違和感なく「はい」と答えてしまった僕は、直後に気付く。頭皮の焼けるような熱さに。

youtubeを見ている母に聞く。「何見てるの?」母は「流行りの新曲よ。なんか、思ってたPVと違ったのよね。」と言いながら画面を見せてきた。画面右下には"広告をスキップできます"のサインが。「それ、PVじゃなくて広告だし、新曲じゃなくてフリー素材のBGMやん。」新曲が流れ始めた。

僕は、幼き頃”健ちゃん”と呼ばれていた。今日、心理学の授業で行動観察をした児童は偶然にも”健ちゃん”。考察レポートにて「健ちゃんは人の話をよく聞ける。」「健ちゃんは時々奇声をあげるが、これは〜」 などと綴る。「これじゃ一人称が"健ちゃん"みたいで恥ずかしいな」と健ちゃんは思った。

先日のzoomで行われたオンライン授業にて。「画面共有しますね〜。」教授の声がした。何か資料が出されるんだろうな、と期待して画面を見つめること数秒。画面にはでかでかと教授の顔が映し出された。画面の教授と見つめ合って気付く。「そうか。"画面"共有じゃなくて"顔面"共有だったのか。」

浪人時代、予備校での出来事。自習室に行くためエレベーターに乗った僕。数人の生徒と乗り合わせる。勉強でストレスフルになり爆音で聴いていたのか、誰かのヘッドフォンからQueenの代表曲が音漏れしていた。ズンズンチャのリズムは僕たちの体を揺らす。数十秒、エレベーターはディスコになった。

高校時代、プールで飛び込みの練習をしていた。怖気付く→腹を水に叩きつける→痛い→怖くなる→怖気付く……という音痴っぷり。見かねた友達Tが、飛び込む直前の僕に向かって全力で走ってきた。驚いた僕は、怖気付く暇もないまま自らプールにダイブ。「何すんだよ」僕の声にTは答える。「出来たな」

高校時代、僕の一つ前の席の男子は、よく鼻血を出していた。それなのに何も紙を持ってないので、毎度振り向き僕に紙を求めた。なぜ頻繁に鼻血を出すのか甚だ疑問だったが、帰り道、凄まじく鼻をほじる彼を見かけ、すぐに納得した。目が合ったが、彼は堂々とほじり続ける。彼以上の逸材を僕は知らない。

「今日のラッキーカラーは緑です〜」朝、信頼をおくアナウンサーにそう言われたので、緑の服に着替えたかねけん。オンライン授業でグリーバックに混じり、奇妙な姿と化してしまう。

高校時代、カフェで英語を勉強しているときの話。右隣に外国のお客が座った。聞き取りの練習になるなと、傾聴する。が、全くわからない。その後、左隣にも外国のお客が座る。今度こそはと傾聴すると、不思議と話の大意を掴める。『片言な日本語を喋ってるだけ』真相に辿り着くのに時間は要らなかった。

「安心と安全」地元栃木はこの言葉がよく似合う。台風の進路にならないし、津波の心配もない。そんな栃木にも弱点がある。雷だ。近頃は毎晩空で暴れている。昨晩、怖い話をラジオで聞いていると話者の「振り返ると…」で閃光が視界を包み「女が立っていたのです」で爆音が轟いた。贅沢すぎるBGMだ。

夕方になると庭の花や野菜に水やりをするのが日課なんだけど、昨日はうっかり忘れちゃって。夜の散歩のときに気付いて「ごめんね」と言いながら水をやった。そしたらあろうことか、短いけれど激しいスコールに見舞われた。降るなら降ると言って欲しい。びしょ濡れの僕は呟く。「お互いに水分過多だな」