はじまりの場所 〜ゲームアツマール〜
2023年 6月28日。
ゲームアツマールのサービスが終了した。
僕がゲーム制作者としてデビューした場所。
SING FANTASYという作品を、初めて遊んでもらえた場所。
この記事を書いている今、Twitterでは公式アカウントによるスペースが開かれ、利用者が思い出を語っている。
僕はそこで喋る気にはなれない。
言葉を簡潔にまとめる自信がない。
感情が高ぶると声が大きくなる人がいるけど、僕はその逆だ。
言葉に出来なくなるのだ。
仕事なら割り切って出来るのだけれど…。
だからやっぱり文字として残すことにした。
サービス終了に対しては哀しみこそあれ、不満はない。
エンタメが飽和しているだけでなく、大企業が良質なアプリを量産し無料で配信している現代、ブラウザ上で個人がつくったフリーゲームを遊びたいという層はごくごく限られているし、そもそもフリーゲームという性質上、そこから運営資金を生み出すのは容易なことじゃない。
むしろ7年間も運営できたことは、企業努力以外の何ものでもないと個人的には思っている。
僕がゲームアツマールに投稿したのは2022年2月26日。
ゲームの名は SING FANTASYだ。
その時、僕はゲーム制作者としてデビューした。
自作ゲームを不特定多数の人々に遊んでもらえる場にぶん投げたのだ。
投稿一日目のプレイ数は140。信じられない数字だった。
多すぎるのだ。んなわけあるかと疑いたくなる数字。
五日経つ頃にはプレイ数は1000を越えた。
プレイ数よりも驚くことがあった。
フィードバックだ。
ゲームアツマールにはフィードバックという機能があり、プレイヤーが制作者に向けてゲームの感想を匿名で送ることができる。
このフィードバックという機能は、僕に新しい体験を与えてくれた。
こうしてほしいと要望を言ってくれる人、
ストレートに攻略情報を聞き出してくる人、
戦闘バランスがおかしいムキ〜!なゲーム評論家な人、
純粋にゲームを愛してくれる人。
通知マークが来ているとドキドキした。
内容次第で一喜一憂したりした。
それはまるで恋をしているかのような毎日だった。
すべてのフィードバックが愛おしかった。
新しい体験は、新しい価値観を僕にくれた。
ゲームは自分で作るもの。自分が楽しめるゲームを作る。
ここは変わりない。
変わったのは、プレイヤーの声に耳を傾けるということ。
なるほどと共感できるような意見を取り入れてゆくことで、ゲームの質をさらに向上させてくれた。
大好きと呼べるゲームに出会った。
課金してギフトも贈った。
制作者へダイレクトに応援と感謝を贈ることができる手段だ。
つくる人とあそぶ人が繋がる場所。
あそんでほしい人とあそびたい人が集まる場所。
アツマールという名前は確かにダジャレだけど、心の底からこの名前に敬意を表したい。
冒頭であんなことを書いておきながら
やっぱり直接感謝を言いたくて結局スペースにあがらせてもらった。
二分間くらい話したのかな。
緊張して今も手が震えてる。
とても優しい対応をしていただけた。
素敵なスタッフさん達だった。
約束を果たせたよ、父さん。
アツマールのおかげだよ。
日付が変わってしまうのでこの辺で記事を終わらせようと思う。
ありがとうゲームアツマール。
はじまりの場所はあなたです。
その場所で生まれた思い出を、僕は忘れません。