私がジョブズになるために
こんにちは!あいでんです。
今回は自ゼミを形作っているといっても過言ではない「ゴールデンサークル理論」について整理していきたいと思います。
それでは、、、いってみよっ!
ゴールデンサークル理論とは
今回紹介する「ゴールデンサークル理論」。あまり聞きなれない理論だと思います。ゴールデンサークル理論とはサイモン・スナック氏が”TED Talks”に登壇した際に提唱された理論です。
実際の動画がコチラ↓↓
さて、この理論が実際にはどういう理論なのかということを私なりにまとめてみます。
サイモン氏によると
「偉大なリーダーや組織には"思考、行動、伝達"の方法にある共通点がある。そしてそれは他の人と正反対である」
と語ります。
偉大な人物や組織は「why:なぜ」 ⇒ 「how:どのように」 ⇒ 「what:何を」の順で”思考、行動、伝達”し、サークルの中心から外側に向かいます。しかし、多くの人や企業は正反対の順に”思考、行動、伝達”しており、外側から中心に向かいます。
ほとんどの人は自分が「what:何を」しているかは理解している。ある人々までは「how:どのように」やるのかまで理解している。
しかし、「why:なぜ」やるのかを理解している人は少ないのです。
そして「why:なぜ」の答えは利益ではなく、ここでは目的を問うています。”信念”とも言い換えることができるでしょうか。
実際、多くの人はサークルの外側から中心に、明確なものから曖昧なものへという順で「思考、行動、伝達」します。再三になりますが偉大なリーダーや組織はサークルの中心から外側へ「思考、行動、伝達」するのです。
これがサイモン氏が語る「ゴールデンサイクル理論」
動画内でも挙げられている「apple」を例に示します。「apple」が他の会社と同じ"思考、行動、伝達手段を取っていると自社の製品を売り込むときに次のような説明をします。
『我々のコンピューターは素晴らしい。デザインも美しく簡単に使えるからユーザーに優しい。1ついかがですか。』
このようにほとんどの人は”何をして、どう違い、どう優れているか”をマーケティングや売り込み、伝達しています。
これでは心は動かされず、購入といった期待する行動を実現することはできません。しかし、「apple」は次のように”思考、行動、伝達”手段を取ります。
『我々は世界を変えるという信念の基、すべての活動を行っています。我々が世界を変える手段は美しくデザインされ簡単に使える親しみやすい製品です。こうして素晴らしいコンピューターが出来上がりました。』
どうでしょうか。心を動かされませんか?買いたいと思いませんか?”思考、行動、伝達”手段を逆にしただけでもこんなに違いが出るものなのです。
この例が示すことは”人は「what:何を」ではなく「why:なぜ」に動かされる”ということです。
「人は”必要なものを提供してくれる人”ではなく、”自分が信じていることを信じている人”とビジネスをするのだ」とサイモン氏は語ります。
脳の構造と同じ
この理論は私の意見でも心理学ではなく、生物学の原理に基づいたものであるとサイモン氏は語ります。脳の構造がゴールデンサークルと対応しているというのです。その構造が次のようなものになります。
大脳新皮質 ⇒ 「what:何を」
大脳辺縁系 ⇒ 「why:なぜ」 「how:どのように」
大脳新皮質は合理的、分析的な思考や言語といった理性的な部分を、大脳辺縁系は感情や信頼、忠誠心といった本能的な感情を司るとされています。そして、大脳辺縁系は人の行動を司りすべての意思決定を行いますが、言語能力はありません。
小難しい話が続きましたが、要約すると次のようなことになります。
「外側から中心の順で”伝達”をしている時はデータや理論といった複雑な情報を処理できる一方で、行動にはつながりません。中心から外側の順で”伝達”をしている時は行動をコントロールする脳と直接コミュニケーションを取っていることになり、行動につなげることができます。」
時にあらゆるデータや理論、事実を伝えても”納得感”が得られずに行動につながらないのはそのためです。「why:なぜ」を伝えることができなければ、人を引き付けることはできないということです。
”自分の商品を必要としてくれる人”ではなく、”自分が信じていることを信じてくれる人”に商品を売ることを目指すべきだとサイモン氏は語ります。
「why:なぜ」にあたる信念や価値観に共感を覚えることで、人は突き動かされます。
「what:何を」ではなく「why:なぜ」を基準にした「思考、行動、伝達」こそが人を引きつけ突き動かすことができるのです。
「なぜ」この理論が重要なのか
ゴールデンサイクルが重要な理由を「イノベーション普及理論」に触れながら述べています。これは商品やサービスが市場に普及していく流れを5つの層に分けて表したものです。
イノベーション普及理論
イノベーターやアーリーアダプターといった16%の層は直感的な感情で行動に移します。つまり「why:なぜ」を重要視するということです。イノベーション普及理論によると、アイデアを幅広く受け入れてもらうためには臨界点になる15~18%の市場浸透率が必要だといいます。
そのためには、アーリーマジョリティの層に受け入れてもらわなければいけませんが、この層が行動に移すのは先に”誰か”がトライした後です。この”誰か”が先ほどお伝えした16%の層なのです。
そしてこの層は、自分が信じていることのために行動を示します。信じているということを行動で示すのです。その信じていることに影響されて多くの人は動きます。それは「what:何を」ではありません。「why:なぜ」です。自分の信念や価値観なのです。
最後にサイモン氏は”リーダーと導く人の違い”について言及しています。
『リーダーとは権威や権力の座にある人です。でも、導く人というのは皆を動かすのです。個人であれ組織であれ我々が導く人に従うのは、そうしたいからです。自分自身のためです。
そして、「why:なぜ」から始める人が周りの人を動かし、さらに周りを動かす人を見出せる力を持つのです』
最後に
「why:なぜ」が重要であることは既にお分かりいただけたと思います。
自ゼミではゼミに入る前から常に「why:なぜ」を問われ続けます。「what:何を」よりも「why:なぜ」を重要視しているからです。
「なぜこのゼミに入りたいのか、なぜその商品を売るのか、なぜこの企業に就職したいのか」「なぜ、なぜ、なぜ」と、はたから見れば狂人のように問い、そして問われ続けます。
これは別に自ゼミや私たちを「すごいだろ!」と自慢したいわけではありません。
偉大な人や組織にとっては当たり前のことで、我々も自覚し当たり前にしなければいけない。
僭越ですが、後輩たちがゼミを形作っている 「why:なぜ」 と問い続ける意図を整理するための一助になればと思い、自分の頭を整理するためにも書いている次第です。
今回はこのあたりで終わりにします。サイモン氏の”TED Talks”を見ていただければ、より理解が深まるかと思います。
(2019/4/18 12:42更新)
私が受講している講義でこの理論について紹介があったので改めて更新。
このフレームを意識していてもついつい”What”が”Why”だと誤認してしまうことが私はあります。このズレをできるだけなくすためにも”Why”から始めるということは重要なのだと気づかされました。
また、より解像度の高い”Why”にすることでズレはもちろん、イノベーティブさが高まるのではないかと思います。(解像度の話についてはこちらをご覧ください:『死ぬカス』の箕輪さんが語る”言葉の解像度”)
それでは、また次回!