「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」【読書感想】みんな成瀬みたいになりたい
娘から勧められて読みました。面白くて一気に最後まで読めます。本屋大賞を受賞してるのも納得です。
個人的には「信じた道をいく」はさらに面白かったです。「天下を取りにいく」を読んでから続編を読むのをおすすめします。
主人公である成瀬あかりが、本のタイトルのとおり、自分のやりたいと思ったことをやっていく。
成瀬は個性が際立った、クラスでは浮いてるキャラだけど、全然嫌味がなく、それどころか周りの人が気がついたら巻き込まれて魅了されている。巻き込まれていく人たちもごく普通の人に見えながらも、キャラのある人たちなのが面白いところ。登場人物に一人も嫌なヤツがいないのもホンワカする。
成瀬は、「こんなことをしたら周りからどう思われるかな」とか、「よく見られたい」とかいう承認欲求みたいなことが一切なく、自分の信じたことを自己実現していく様子に読者も惹きつけられるのだろう。
成瀬あかりが「将来何になりたいか?」と聞かれた時、
「何になるか」より
「何をやるか」
の方が大事だと答える。
この小説のテーマ。
ストーリーが面白いのはもちろんだけど、こんなに読まれるのは、みんなのこころの隅っこに小さい成瀬がいて、自己実現欲求が刺激されたのかもしれない。
みんな本当に同調圧力や承認欲求にうんざりしているんだよね。
この表紙の絵がまたドンピシャで素晴らしい。私の中で成瀬はこの子以外あり得ない。実写化はして欲しくないなあと思う。
イラストレーターは「ざしきわらし」さんという方です。他の絵もとても素敵です。