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ほっこりのメカニズムはすごい。読書感想「ほっこり」:伊藤裕


「ほっこり」こそが、医学的にも、人間にとって、大切な体と心の状態であり、幸せの源泉なのです。

「ほっこり」って、気持ちがやわらぐ感じとかほんわかした心地よい気分の時によく使いますよね。そのメカニズムを医学博士である著者が、専門のホルモンを中心にわかりやすく説明してくれています。

人間は、脳で指示をだしたあと、体がそれに従って動くのだと思っていました。が、実はそうではなく、体が先に動いて、少し後で脳がそれを「追認」しているというのです。


例えば、

①喉が渇く
  ↓
②ペットボトルをとるように指示をだす
  ↓
③体をうごかして、飲む

ではなく、


①体が動いてから
  ↓
②ほんの少し後で
  ↓
③脳が「のどがかわいた」という意識を覚える。

ということです。


意識して笑顔をつくると、自然と楽しくなってくると聞いたことがありますが、ちゃんとした科学的根拠があるんですね。脳が「楽しい」と意識するのです。


体が感じとったものが、無意識のうちに行動をうながし、脳も同調する、というメカニズムです。

心地よいと感じる行動をする。すると「ほっこり」状態がつくりだされ、その結果、幸せな気持ちになる。その活動を積み重ねることで、一時的に幸せな気分になるのではなく、「ほっこり」状態を持続することができるようになる。


「ほっこり」のためにはステップがあります。


①まず頭の中をからっぽにして脳を休めることが大切。無心になる。(ろうそくの炎をみつめる、鏡をピカピカにみがく、など。)

②体が感じる小さな感覚を思い出し、五感をとり戻す。(いい香りをかぐ、素手や裸足で土にふれる、など)

③非日常を味わい、ワクワクドキドキを感じる。(いつも通らない道を通ってみる、ソロキャンプに挑戦する、など)

④自然の中にとけこもう。(雨の音に耳をすませる、外に出て風にふかれてみる、など)

⑤「つながり」を感じよう。周りにいる人はもちろんのこと、動物や植物といった身の回りの命とつながろう。(ペットとたわむれる、ハグしたり、ぬいぐるみをだきしめたりする、推し活する、など)


読み終わった後、腑に落ちました。

最近の私の行動は、砂時計の砂を飽きずにずっと見続けていたり、秋の匂いのする夜に無性に散歩に行きたくなったり、急に思い立って観葉植物をかってきたり、市内を見おろす高台の公園でぼーっとしたり…。すべて体の声からきていた行動だったのだなと。


「ほっこり」するための活動、「ほっ活」。全部で55個の具体例があげられてます。ほとんどがお金もかからず、すぐできることばかりです。

この中から試してみるのもよし、自分の「ほっ活」を模索するのもよし。
せわしいノイズだらけの世間にのまれないよう、「ほっこり」を積み上げて、みんなで元気になろう!

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