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「実務でつかむ! ティール組織 “成果も人も大切にする”次世代型組織へのアプローチ」の感想と概要

最近よく聞く「ティール組織」についての本。他にも何冊かありますが、日本企業での実践例や、その時の経営者の苦悩などがインタビューベースで書かれており、導入したときのイメージが湧きやすかったです。わりとアカデミックな内容なので、事例に入るまでの前半は、人によっては少し読むのに根気が要るかもしれません。

本書について

「社長や上司が業務を管理するために介入をしなくても、組織の目的実現に向けてメンバーが進むことができるような独自の仕組みや工夫に溢れている組織」というティール組織。

そんな「今の体制に疑問はあるけど改善案が思いつかない人」や「もっと効率のいい体制を模索したい人」には、本書はとてもオススメです。

本書を読んで私が感じたのは、
色々テクニカルな方法は色々ありますが、根本的には、組織に属する事で「一人では達成できない目的がこの組織だと達成できる」「周りが自分の成長をサポートしてくれる」など、仕事内容や給料(条件)の他に、組織に属するメリットを明確につくる事が重要で、そのための要素は、元をたどると企業の「ビジョン(目的)」につながっている
ということでした。

OKRでもなんでも根本は一緒なんですね。私もチャンスがあれば、ティール組織の要素を仕事に取り入れてみたいと思いました。

以下、
章ごとに個人的にメモっておきたい内容を、勝手な解釈とともに記載します。

Chap.1 ティール組織とは何か?

ティール組織
「社長や上司が業務を管理するために介入をしなくても、組織の目的実現に向けてメンバーが進むことができるような独自の仕組みや工夫に溢れている組織」
重要な3つの要素
・進化する目的
・「自主経営」が可能となる仕組みや工夫を有していること
 ⑴情報の透明化
 ⑵意思決定プロセスの権限委譲
 ⑶人事プロセスの明確化
・個人としての全体性の発揮

5つの組織モデル

1)レッド組織
オオカミの群。特定の個人によって支配的に運営。短期的思考の傾向があり、今日明日、どう組織として生きていくかに焦点が当たっている。

2)琥珀(コハク)組織
軍隊。上意下達で厳格な社会的な階級に基づく序列によって情報管理を行い、指示命令系統が明確な状態で運営。変化や競争より、組織の規範である階級的な序列が優先される。

3)オレンジ組織
機械。社長や従業員という階層構造を持ちながら、成果をあげた従業員が評価を受け、出世する事ができる運営スタイル。変化や競争に生き残る事が個人としても組織としても必須になり、機械のように働く事が生じ、人間としての幸せとは何かという原点回帰が生まれる契機にも。

4)グリーン組織
家族。階層構造は残すものの、組織内で共有された強い文化や価値観をもとに、現場への権限移譲も進んでいる。人間らしく、生まれ持った主体性が発揮され、個人個人の多様性が尊重される。組織文化との調和が主な判断基準。

5)ティール組織
生命体。社長や管理職から管理するための指示命令系統はなく、組織の進化する目的を実現するために、メンバー全員が信頼に基づき、独自のルールや仕組みを工夫しながら組織運営を行う。

ティール組織の2つの形態
・社長や役員等の役職は若干残しながらも、社長や役員等が持っている権力が経営上、影響しにくい工夫を施している形態

・社内上ではありますが、社長や役員等の役職自体を持たずに、自主経営を実現しながら、運営されている形態

※具体的な運営方法は本書を見た方が早いので割愛

Chap.2 組織モデルを実務的に捉える

5つの組織モデルは、ティール組織が短絡的に正解であるということはなく、組織が直面している状況によって選択する事が望ましい。経営者自身が何を思考しているのかを自覚しておくことが大切。

経営者としての不安
1)経営者の自分が考えていることとメンバーのが考えていることの思考(視野の狭さや勘所の違いなど)のズレ
→メンバーが自然と業務上の勘所が分かるような環境、仕組み、工夫を実現できていない

2)経営者の自分のように、メンバーが会社のことを考えてくれているだろうかという、会社への想いの差から生まれる不安
→小さな成功をメンバーと共有する

Chap.3 次世代型組織の3つの土台づくり

3つの土台づくり
1)心の奥底の想いに気付き、互いに対話すること(Whyの探求と対話)
→個人としての全体性の発揮

2)目的地図と重要指標の透明化(特に事業上の重要指標の透明化)
→自主経営

3)行動と目的の循環サイクル(組織の目的とメンバー個人の目的の繋がり度合いの向上のための独自の仕組みや工夫)
→進化する目的

経営者が頭からではなく、心で言葉を語りはじめることが大切。経営者が、自分自身の喜びや痛みを味わい、その上で、心の奥底にある大切にしていることを感じながら想いを語りはじめることが重要。

自然の植物は人間の手を加えなくても自然に成長していく。ティール組織も、特に経営者や上司が手を加えなくても、メンバーからの意見や提案を糧に、自然に成長していく組織。

※以降は事例のため割愛




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Keishi Ito🏝
Thank you so much🙌 溜まったお金で、また何か買ってレビューさせて頂きます😁

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