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note連続講義 第0章−2 指数と対数


~はじめに~

 皆さんこんにちは,lim_sub_r_boyです.今回は第0章−2 指数と対数ということでやっていきたいと思います.
前回も言ったようにここの~はじめに~では,前回の復習を軽く行うというようになっていたので,要点を絞ってまとめ的な感じでお伝えできたらなと思います.詳細に関しては以下に載せるページの方で確認をお願いします.
1. 「関数とは何か」について考えた.
2. 関数の一般式$${y=ax^n+bx^{n-1}+cx^{n-2}+・・・+q}$$を考えた.
3. 平方完成をし,2次関数の一般式についても平方完成した.

⬇前回の講義⬇

⬇前回の解答⬇

 後,前回の演習問題の(2)の問題はあまり良い問題ではなかったなと思いましたので,今後の問題作成ではなるべく良い問題を作れるように努力していきたいと思います.


~今回の最終目標~

・指数と対数の関係について理解する.

・$${y=a^x\,,\,y=\log_ax}$$についてのグラフが分かり,図示できる.

・(応用) 逆関数$${f^{-1}(x)}$$について求めることができる.


~指数・対数とは~

 それでは1つ目の目標である指数対数関係について話していきます.
これを話す際に,指数と対数の知識が必要となるのでここで話します.
(ⅰ) 指数とは
 指数とは何でしょうか?中学数学でその存在を表し,指数法則を学んだり,指数を含んだ公式をこれまでに多く学んできたと思います.第0章−4出でてくる総和を表す"$${\sum}$$”の掛け算バージョンがこの指数というやつです.ですが,そもそも掛け算とはその数を何回足したかを表す総和なので,大本は$${\sum}$$になるということです.今回は指数・対数についてなので$${\sum}$$については一旦離れたいと思います.ここで,先程出てきた指数法則について復習したいと思います.

        指数法則 ($${n\,,\,m}$$は定数)
(Ⅰ) $${a^n\times a^m=a^{n+m}}$$
(Ⅱ) $${(a^n)^m=a^{n\times m}}$$
(Ⅲ) $${(ab)^n=a^nb^n}$$
(Ⅳ) $${a^n\times \frac{1}{a^m}=a^{n-m}}$$

中学でやった範囲だとこのあたりかなと思います.今後,多くの数を考えるために以下の内容を増設します.そのうちの1つは前回の内容で証明済みなので紹介のみにします.

指数法則$${+\alpha}$$

(Ⅰ) $${a^0=1}$$ ($${a\neq0}$$)   
(Ⅱ) $${\sqrt[n]a=a^{\frac{1}{n}}}$$

これが追加の法則です.(Ⅱ)のものは若干見慣れない方もいると思うので説明します.左辺は,「$${n}$$乗根」といい有名なもので言うと,ルート($${\sqrt{ }}$$)は中学3年生で学習します.ルートは2乗すると外れてくれるので数式で見ると以下のようなことが起こっています.

$${\sqrt[n]a\times a^n\\=a^{\frac{1}{n}}\times a^n=a^1}$$

これで指数については知識が深まったと思います.この指数をフル活用するのが今から説明していく対数です.それでは,対数についてもやっていきましょう.
(ⅱ) 対数とは
 対数とは何でしょう?対数とはある数が何乗されているかを調べる道具の一つです.例えば,先程やった式($${\sqrt[n]a=a^{\frac{1}{n}}}$$)を見ていくと,この数の対数をとると答えは$${\frac{1}{n}}$$となります.これは以下のような式のもとに成り立っています.

$${\log_aa^\frac{1}{n}=\frac{1}{n}\log_aa=\frac{1}{n}}$$

この「$${\log}$$(ログ)」こそが対数なのです.言葉で言い換えて指数と比較してみましょう.
例)
指数:「2の3乗は8です.」
対数:「2の□乗は8です.」

 違いは1回見ただけでもわかるかと思いますが,何乗の部分が指数のときでは具体的な数字が入っているものの,対数ではそれが□に変わっている.対数の仕事はこの□の中の数字を当てることだ.今度は,これを数式にして表して理解を深めていきたい.

$${2^x=8\\2^x=2^3\\x=3}$$

これは方程式から指数の値を求めている.$${\log}$$の中にはこの方程式の要素が埋め込まれている.ここからもわかるように,指数と対数は逆であるということがわかる.ここで$${\log}$$の性質について見ていこう.

$${\log}$$の性質

(Ⅰ) $${\log_ab^n=n\log_ab}$$
(Ⅱ) $${\log_abc=\log_ab+\log_ac}$$
(Ⅲ) $${\log_a{\frac{b}{c}}=\log_ab-\log_ac}$$

この3つは普段の計算でも頻出であり解答を簡潔に書くためにもこの性質は知識として覚えておこう.本当はこの他にもあるのだが,対数は指数の逆であるので指数から考えれば他の性質もある.それは今回の演習問題で扱おうと思う.今後やる微分積分では自然対数といって性質にある$${a}$$が,ネイピア数$${e}$$であるものを大抵の場合使用する.また工学の世界では常用対数といい,$${a}$$が10のときのものを多く使う.

~指数関数・対数関数を考える~

 次に,この今やった2つの関数について考えたいと思う.以下が関数の式
ある.

指数関数
$${y=a^x}$$

対数関数
$${y=\log_ax}$$

これが関数の形である.指数関数は指数に当たる部分が変数となる.また.対数関数は真数の部分が変数となる.次にグラフについて見ていく.

⬆指数関数・対数関数⬆

緑のラインが指数関数で,青のラインが対数関数です.指数関数はこの後,急激に上がっていき,対数関数は緩やかに上っていきます.今後やる極限の話をすると,「発散する」といいます.それは第1章−1で詳しく話したいと思います.グラフについてもこれをたくさん使うかと言われたらそうでもないので,これは頭の片隅にでも入れておいていただければなと思います.

~(応用) 逆関数を知る~

 最後の目標である「逆関数$${f^{-1}(x)}$$」について考えたいと思います.
今回やる逆関数は比較的簡単な1次関数や2次関数などの簡単な関数を逆関数にしたいと思います.ここでは,$${y=\frac{1}{2}x}$$についての逆関数を考えていきたいと思います.

~例題~

$${y=\frac{1}{2}x}$$の逆関数を求めよ.

[解法]
 逆関数はまず$${y=}$$の形から$${x=}$$の形にし,それについて$${x\,,\,y}$$を逆にすると逆関数を求めることができます.
よって,$${x}$$について上の式を解くと,

$${x=2y}$$
上記に書いたようにそれぞれの文字を逆にすると,
$${y=2x_{//}}$$

例題で解いた問題なので難しさで言ったらそこまでではないですが,逆関数を求めること自体難しい計算を要すわけでないので安心していただけたらなと思います.演習問題では$${n}$$次関数,指数・対数関数についての逆関数の問題を出します.是非,解法を抑えておいてください.


~さいごに~

 今回学んだことは以下のような内容です.
1. 指数・対数とは何かについて理解した.
2. 指数・対数関数についてのグラフを見て理解した.
3. 逆関数についての簡単な知識を得ることができた.
 次回の第0章−3は「三角関数」についての講義となります.正直言って難しい内容にも踏み込むと思うので,なるべく理解できるようにはしますがそれでもだめであれば演習問題とは別に解説を少しつけようと思いますのでよろしくお願いします.
 それではまた次回のnote連続講義でお会いしましょう.
 さようなら!





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