【レシピと思考】豚トロのチョエラの作り方【スパイスレシピ】
「ネパールの文化とか歴史とかなんも知らないけど、知らないなりに味のこだわりはある」
※このレシピはスパイスを一通り揃えているガチ勢向けですが、スパイスさえそろっていれば簡単に作れます。
スパイスを持ってない方もこの記事をきっかけにスパイスに手を出すのも悪くないかもしれません。
「大丈夫。みんなやってるよ。試しに一回だけやってみない?」
※忙しい人は目次からレシピまでジャンプ!
前書き
最近ネパール料理に関心がある
2023年1月、東京マサラ部室はネパール月間ということもあり、ダルバートをはじめとしたネパール料理をほぼ毎日摂取していた。
そんな中で個人的にはまって何度か作っていたのがチョエラ。
チョエラってなに?
チョエラは「わら焼きにした肉」という意味。
羊・豚・水牛・鶏などの焼いた肉に、スパイス・にんにく・しょうがでマリネして作るネパールの料理。
ネパールではカジャ(おやつ・軽食・酒のお供)として食べられているらしい。
ネパール料理店のチョエラを食べて感じたこと
1月はいろんなネパール料理店でチョエラを食べた。
どれも美味しいのだけれど、そんななかで気になる共通点がみえてきた。
・肉がパサついてる
ネパールの人は、肉はしっかりと火を通したものが好みらしく、チョエラは肉から水分がぬけてパサついてることもしばしば。チョエラは肉がジューシーなほうがもっと美味しくなりそうと個人的には思った。
・ぬるい
「肉を焼いてからスパイス・にんにくしょうがペーストでマリネする」という調理工程上、食べた中では熱々なものはなかった。熱々が至高なわけではないけど、チョエラは温かいほうが脂の口溶けやスパイスの香りの立ち方的に美味しいんじゃないかと個人的には思った。
・にんにくしょうがの刺激臭が強い
チョエラは、にんにくしょうがに火を通さずに肉と和えるものが多い(必ずしもそうではないらしいが)。なので、刺激臭が半端ない。
生にんにくしょうがのライブ感もこれはこれで美味しいのだが、少し火を入れて刺激臭を軽く飛ばしてなじませた方が一体感は生まれるんじゃないかと個人的には思った。
ということで
ネパール本式のチョエラの作り方を参考にしつつ、コバタロが美味しいと思うアレンジ版チョエラのレシピを紹介します。
ネパールの文化とか歴史とかなんも知らないけど、知らないなりに味のこだわりはあるので語らせてください…。
どんなチョエラなの?
コンセプト
①肉はジューシーに
②温かい
③ティムルのフレッシュな香りにこだわる
こんな人におすすめ
・酒のツマミ味が好きな人
・おにくだいすきな人
・ティムル(ネパール山椒)の風味が好きな人
豚トロチョエラができるまでの思考過程
このレシピに至るまでの思考過程を書いていきます。
カレー屋さんやプロの料理人の方が読んだら当たり前のことや滑稽なことを書いてるかもしれません。コバタロなりの考えということで許してください…。
忙しい人は「レシピ本体」までスクロール!
①肉はジューシーに
前述のとおり、ネパール人が作るチョエラは、個人的には肉が硬いので、今回はお肉がジューシーに仕上げたい。
ということで、今回肉は豚の首肉"豚トロ"を使って作る。
ジューシーでサクッとした歯触りとプリっとした噛みごたえがチョエラに合いそうだな、と思いこの肉にした。
②温かい
前述のとおり、ネパール人が作るチョエラは個人的にはぬるいので、今回はマリネするにんにくしょうがも軽く炒めることで温かい状態に仕上げる。
③ティムルのフレッシュさにこだわる
ティムルとは、ネパールの山椒のこと。痺れと青い柑橘を思わせる爽やかな香りがする。
そして、ティムルはフレッシュなものを使うのが大事。ティムルにはわりと苦味があるので、香りが飛んだ古いティムルを多めに入れて香りを補おうとすると、苦味が強く出てしまう。なのでフレッシュなものを少量使って香りをつける。
おすすめは東京豪徳寺のネパール料理店「OLD NEPAL」の2階にあるスパイスショップ「sunya」のもの。新大久保などで売られているものより価格は高いですが、質がとても良い。
オンラインショップもあるのでぜひ。
思考過程終わり
こんなことを考えながら、チョエラのレシピを考えました。
ここからレシピ本体です。
レシピ本体
レシピを見る前に
※分量はグラム(g)表記です。デジタルスケールがあると作りやすいです。
おすすめのデジタルスケールはこちら
※スパイスを挽くためにミルサーが必要になります。
おすすめのミルサーはこちら
ミルサーなくても最初からパウダーになっているスパイスを使っても大丈夫です。
材料(3~4人分)
調理工程概要
下準備
①豚トロに小麦粉と塩をまぶしておく
小麦粉を加える意図は、肉の水分と油分を保つのと、味の絡みがよくなるためです。肉に下味をつける意味で、塩もこのタイミングで加えます。
②ホールスパイスを乾煎りしてミルで挽く
今回のホールスパイスはこんな感じ。クミンをしっかり目に効かせて、ティムルの香りで彩る。ティムルもこの写真では同じ容器に入っていますが、ティムルは別のタイミングで加えるので分けておきましょう。
③ティムルを荒く潰すか包丁で刻んでおく
※写真とりわすれました
④にんにくしょうがをおろす
にんにくしょうがはおろし金を使っておろすか、少量の水と一緒にミキサーでペーストにしてもOK。おろすの面倒であればみじん切りでもOK。
本調理
①フライパンに油を敷いて豚トロに焼き目をつける
サラダ油を入れて強火で豚トロの表面を焼きつけていく。
中まで火が通ってなくても大丈夫。余熱と仕上げに炒め合わせるときに火が入る。焼きすぎると肉の水分がぬけてパサつくので、火入れはしすぎない意識で。
②余分な油をふき取る
豚トロに焼き目が付いたら、一度ボウルに移し、溜まった油を12g(大さじ1くらい)残るように取り除く。
③スパイス類にんにくしょうがを加えて軽くソテー
フライパンを再度強火で熱し、そこにスパイス(ティムル以外)とにんにくしょうがを加えてじゅわっとさせます。
④にんにくしょうがに軽く火が入ったら、肉を戻し入れて軽く炒める
※写真撮り忘れた
⑤火を止めパクチーごま油ティムルを加えて軽く混ぜる
豚トロに味が絡んだら、ここで火を止めます。仕上げにパクチーごま油ティムルを加えて混ぜたら盛り付けます。
⑥皿に盛り付けパクチーをあしらったら完成!
食べ方
そのままおつまみとして。ビールがすすみます。
ご飯のオトモとしても大活躍の味です。
味の方もめちゃ美味い!!!肉がジューシーでにんにくしょうがの刺激もほどよいし、ティムルの香りもフレッシュで華やか。
狙った通りのものが作れた気がします。
より高みを目指すために
やはりわらの火で焼いて干草で燻されたような香りをつけてやるのが大事なポイントかなと思うので、いつかはちゃんとわらの火でチョエラ焼きたい。
キャンプ場でチョエラバーベキューとかやりたいな。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございマサラ。
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それではまた別の記事で。皆さまのカジャタイムが充実することを願って…。フィルミレンゲ~。
おまけ
コバタロお気に入りのお店のダルバート(東京)
今回はチョエラの話ばっかりしてたが、ネパール料理といえばやっぱりダルバート。コバタロお気に入りのお店を3店舗ご紹介します。
①豪徳寺「OLD NEPAL」
ティムルの仕入れ先でも紹介したこちらは、ネパール人ではなく日本人がやっているお店。使ってる食材の質が高く、塩と油の使い方が繊細で、洗練された上品な味。レシピ本も出されているのだが、めちゃくちゃ良い本。夜のコースも行ってみたい。
②新大久保「ソルマリ」
ダルバート激戦区の新大久保で一番好きなお店がこちら。にんにくと塩がバシッときまっていて、勢いのある味。ゴルベラコアチャールのトマト感とティムルの強さが好き。
新大久保で飲んだ後の〆に食べると最高。
③巣鴨「プルジャダイニング」
ここのダルバートのダルが本当に好き。皮付きウラドを中心に多種類の豆が使われたトロッとしてリッチな味わい。写真に写っていないが、フィッシュカレー(ナマズ)もめちゃくちゃ美味い。アジョワンがふわっと香る。
ということで、お気に入りのダルバート3選でした。チョエラもダルバートもだいしゅき!ネパール料理はうまい!
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