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映画 『正体』
横浜流星主演
『正体』を観た。
一家3人を惨殺した凶悪犯が刑務所から脱走、逃亡する。
冒頭から緊迫感が高まる。
死刑囚の青年は、どうやら自分の無実を証明するために命懸けで脱獄したらしい。
あるときは土木作業員、またあるときはフリーのライター、介護施設の職員…
顔かたちを変え、まるで別人格になり、正体を隠しながら、さまざまな場所に出没する。
そして、そこで束の間の人間関係を築く。
主人公の寂しい生い立ちが浮き彫りになる。
彼の目的は、唯一の目撃証人を捜すこと。
ネタバレになるのでこのぐらいしか明かせませんが…
それはないでしょう?と、リアリティに関しては、突っ込みたくなる箇所は多々ありますが、映画館には非日常、超現実を求めて来ているのですから、野暮なことはいいたくありません。
初動捜査のミスによる誤認逮捕、冤罪の恐ろしさ。
現実の事件と重ねてしまいます。
映画は原作(染井為人 作)とは結末が異なるようですが、人が人を信じること、最後まで希望を捨てないこと…
主人公の一途な思いが胸に迫りました。
一番興味深かったのは、事件の核心に迫る大事な場面でSNSが重要な役割を果たしたことです。
これは今風な展開だなと思いました。
子どものときに読んだ『巌窟王』、映画『逃亡者』や『大脱走』、『ショーシャンクの空に』、吉村昭の『破獄』など。
脱獄ものは、逃げる側、追う側の、手に汗握る攻防は勿論、主人公の執念、不屈の精神みたいなものに血が沸くような興奮をおぼえます。
この作品を観て、吉田修一の『悪人』や『怒り』を思い出しました。
どちらも映像化されていますが、逃亡劇を題材にしたものです。
吉田修一つながりで帰りに立ち寄った書店で、こんな本を買ってしまいました。
一気に読み終えました。
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さて、来年の大河ドラマの主役も務める横浜流星さん。
実はお顔もよく知らなかったのですが、この映画では5つの顔を演じ分け、熱演されています。
そのため、どれが本当の顔に近いのか未だによくわかりません。