らーめん りんどん家
Y市の片隅に、気まぐれな店主が気まぐれに営業しているラーメン店がある。
暖簾が出ていれば、ラッキー。
即入店をおすすめする。
一期一会の究極の一杯を味わうことができる。
その日の気温、湿度によって、麺の水分、スープの塩分が微妙に変わる。
レシピは店主の頭の中にある。
紙に書き起こせない、秘伝のさじ加減。
横浜の家系ラーメンの流れを汲む店のようでありながら、そうでもない。
唯一無二のスープの味。
誰も今まで味わったことがない。
飲み干したらため息が出る。
幻の味と称されるけれど、
隠し味はどうやら、店主の涙と思い出らしい。
春になると思い出や痛みが増すのはなぜ。
春のスープは少し濃いめの味になるという。
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元気のない人に、「元気出して」というのは簡単ですが、そんなことで
元気になるほど人間の心は単純では
ありませんね。
フォローしている方が久しぶりに投稿されたので、こんな短いお話をつくってみました。