映画 『こちらあみ子』
(少々ネタバレ)
なぜお母さんはあみ子のことを
「あみ子さん」と呼ぶのか。
切口上なのか。
違和感を覚えながら、物語は進行する。
あみ子のような子は昔もいたかも。
一風変わった子。
でも、今なら多分病名が付いてしまうのだろう。
昔は空気読めない、なんて言葉もなかった。
あみ子は我が道を行く。
周りのことは眼中にない。
応答せよ 応答せよ
こちらあみ子
トランシーバーで交信する。
オバケなんてないさ
オバケなんてウソさ
オバケと行進。
だけど周りはどんどん変わっていく。
あみ子の誕生日に
ポーズをとって写真に収まっていた家族も
気がつけば、脆くも崩壊。
父も母も疲弊して
兄は道から逸れていく。
あみ子は中学生になった。
子ども部屋には一人きり。
ベランダから妙な音が聴こえてくる。
ずっと同級生の、のり君のことが大好きで、
好きなことを隠そうともせずに
一途に追っかける。
追っかけて
追っかけて
悲劇は起こる。
そして
お別れのときがやって来る。
あみ子には
人には見えないものが見え、
人が聞こえないものが聞こえる。
校長室の歴代の校長先生、
音楽室の楽聖たちも歩き出し、
ボートで大河へと漕ぎ出して行く。
あみ子の頭の中は
いつもワンダーランド。
この天使に
安息の地はあるのか。
新宿武蔵野館にて。
映画といえば、やはり天王寺ゆうだいさんです。
是非併せてお読みください。