弘法ではないので
筆不精なのは
字に自信がないから。
子どもの頃から、
きれいな便箋、葉書などを
蒐集しています。
しかし、字を書いた途端、せっかくの便箋が台無しになってしまうのです。
違う違う。
そうじゃない。
イメージ通りの文字が書けなくて、
悲しいほど便箋を反故にしてしまいます。
時代の趨勢とはいえ、文字を書く機会がめっきり減り、このままでは、字は下手になる一方です。
子どもの頃から、毛筆がからきしダメで、小学校時代には教室の後ろに張り出される筆文字を見ては気が滅入ったものです。
わたしの母は、なかなかの達筆の人でした。
市のコンクールがあるときに、度を越えた熱血指導を受けたことがあります。
課題の字は確か「学校」。
最終的には授業で書いたものを提出するのですが、その前に家で、ぶっ続けで丸一日、朝から晩まで、
学校 学校 学校 学校 学校 と
半ベソになりながら、手が痺れるまで書かされました。
結果をいえば、校内で2人賞をいただいたうちの1人になりました。
日頃の貧相な字とのギャップが大き過ぎて、受賞したことが逆に人生の汚点になりました。
母はさぞかし得意だったことでしょう。
子どもの頃、マンガ雑誌などに
「日ペンの美子ちゃん」の広告がよく掲載されていました。
昭和の方ならご記憶かもしれません。
私たちの青春時代はまだ文通が盛んでしたから、美文字には一定の価値がありました。
日ペンではないけれど、ユーキャンのペン習字講座を申し込んだことがあります。
数回添削を提出して、案の定挫折しましたが、テキストが手元にあるので、時々気まぐれに出しては、マイペースで稽古しました。
お蔭で、少しはマシな字になったのではないかと思います。
字を書く上で、わたしが最も重視しているのが筆記用具です。
自分に合う道具を見つけること。
魔法のように、滑らかに書けるものを選ぶこと。
それで実力が何割増しかに増幅されれば、勝ったも同然です。
いつかnoteにも登場したことがある、わたしの敬愛するお友達、マダムの息子さんが今月、結婚されました。
お祝いの品を贈るときに、一筆啓上ということで、まずは、文具店に走りました。
いろいろ試し書きをして、これはという一本を購入し、お祝いの手紙を認めました。
満足とまではいきませんが、筆記用具の力を借りて、なんとかそれなりの文字が書けました。
後日、マダムからお礼の電話があり、
〇〇さん、達筆ね。
前からこんなにお上手だったっけ?
わたしの友達の中でも、これだけ書ける人はなかなかいないわよ、と言われました。
まぁ、お世辞にも程がありますが、
満更でもない気分です。
内心ガッツポーズ。
ちょっと高価なペンを奮発した甲斐があったというものです。
手書きの場面が激減しているからこそ、逆に直筆の文字が貴重になっていくのかも知れません。
こちらは字にまつわる愉快なお話。
shin 4804さんです。
タイトルだけでも
笑えます。↓