国語辞典とムダ知識
小学生の頃、国語の宿題や予習で
教科書の中の知らない言葉を調べて、ノートに意味を書く、ということをやっていました。
子ども用の分厚い国語辞典
確か小学館のものを使っていたと思います。
この辞書にはカラー口絵がふんだんにあり、
本編よりいつもそちらの方に
目がいきました。
中でも飽かずによく眺めていたのが
日本古来の和柄がカラーで印刷された頁。
着物や手ぬぐい、千代紙などの
定番モチーフです。
一番シンプルなのは
鬼滅の刃、東京五輪マークにもなった
市松模様。
そして袴姿の大正ロマン女学生
といえば矢絣
麻の葉とか青海波とか
単純な連続模様が
逆にモダンで新鮮です。
巻末附録には江戸いろはがるたも
ありました。
犬も歩けば棒にあたる
論より証拠
花より団子
憎まれっ子世にはばかる
骨折り損のくたびれもうけ
。
。
。
京の夢大阪の夢
今でもそらで言うことが出来ます。
これは何かと役に立ちました。
国語の授業で諺を習ったとき。
そして人生の節目節目で。
やがて
国語辞典そのものを
読むのが面白くなってきました。
日本人なら知らない日本語が
あってはならぬと
(金田一先生じゃあるまいし)
辞書をランダムにめくっては
あっちこっち寄り道して
知らない単語を拾って
小さなノートに書き付けていました。
電子辞書もインターネットもない時代の暇つぶし。
そんなムダ知識が、役に立ったこともありました。
某女子大の入試のとき
日本史の問題で選択肢の中から
仲間はずれをひとつ選ぶというものがありました。
例えば鎌倉五山の中に余分なひとつが
混ざっていてそれを選ぶとか、そんな類いのものです。
教科書の知識で答えられるものばかりでしたが、中にひとつ
七福神というのがありました。
昔覚えたムダ知識がモノを言い、自信をもって答えることが出来ました。
せいぜい2点か3点の配点でしょうが、その時はヤッター!と思いました。
このように
役立つのはごく稀で、
たぶん知らなくても生きていける。
だけど邪魔にもならない。
その程度のものだけど、
自分のカラダの大部分は
ムダ知識で出来ている
と言っても過言ではない
と思っています。