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最後はみんなオムツよ

10月になった途端、秋を楽しもうとしている自分がいる。

夕方、子育てサポートに行く前に、おでんを煮ておこう。

スーパーのいちの市(月初めの特売)で買ったおでん種の詰め合わせ。

それに、地元農家の大根、茹で卵、買い足した練製品を用意して、昆布出汁と出汁パック、調味料で味付けして煮込む。

おでん作りと同時進行で、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年)を例によって、BSプレミアムで観た。

公開時に一度観た作品だからと、キッチンで作業しながら、途切れ途切れに見る。

覚えていないものだな。

おおよそのあらすじと、いい映画だったということは記憶にある。

細部は殆ど忘れている。

ブラッド・ピット演じるベンジャミン・バトンは、80歳の肉体で生まれ、その後逆行して赤ん坊に還るという、まさに数奇な人生を辿るというお話。

老人から次第に若返り、壮年期、青年期、ニキビ面の少年になったときには、認知症の症状が。

運命の人と結ばれ、妻の妊娠を知らされるが、手放しで喜べない。

自分はやがて子どもに還る。
親になる資格があるのだろうか。
苦悩するベンジャミン・バトン。

ケイト・ブランシェット演じる妻はこういう。

「最後はみんなオムツよ」


オムツをして死んで行く人。
オムツのお世話になる前に死ぬ人。

どっちがいい?

人間の尊厳を失いたくない。

人間は生きているだけで尊いと
思いたいけれど。




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