見出し画像

ご報告のみ

『百年の孤独』

噂には聞いて来ましたが、やはり手に余る難敵でした。


白状すると、ここ数年、翻訳ものからすっかりご無沙汰していて、アンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』以来でした。
横文字の人名を覚えることに苦手意識があります。
ましてやこの物語は、同じような名前の人物が繰り返し登場してきて…

 
端的にいえば、一族のファミリーヒストリーです。
ファミリーヒストリーといえば、一世を風靡した『ルーツ』を思い出します。
日本のものなら、山口瞳の『血族』、佐藤愛子の『血脈』。
この2作品は興味深く、一気に読めましたが、スケールや価値観がまったく違います。


とにかくラテン文学というだけで敷居が高い上に、虚実入り交じったような不思議な手法に戸惑いながらも、淡々と活字を追い、ページをめくっていくうちに、後半はあれよあれよで最後のページまで辿り着きました。


羊皮紙の謎が解け、皮肉にも、一族の物語は収束しますが、この結末に説得力があるのかないのか、それは読み手次第。
そんなことはこの際、気にしないことです。

寂しさと虚しさと、燃え尽きる前の情熱のようなものを感じました。

多くは語れません。

ネタバレになるから?

いえ、わたしごときが語れるほど、単純なおはなしではないのです。


以上、読了のご報告でした。

※筒井康隆の解説付きです。





この記事が参加している募集