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【海外移住の話⑫】 ペルー 《超えられない山を抜けて80km、マチュピチュへ》

マチュピチュ行きを決めるまで

テキサスから来たJoe(ジョー)に、マチュピチュに一緒に行かないかと誘われたのは、まだシェアハウスにいた頃のある日。

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クスコに来て1ヶ月くらいが経っていた。

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当時7カ国の住民がいたシェアハウスで、唯一本気でスペイン語を頑張っていて一番仲が良かった彼からの誘いに、二つ返事でOKした。

クスコからマチュピチュへの行き方は色々ある(バス、電車、トレッキングの組み合わせ)。

2人でいくつか街のツアー会社をまわって、"Salkantay(サルカンタイ)"という3泊4日のトレッキングを選んだ。

リビングでその話をしていると、「何それ私も行きたい!」と入ってきたカナダのMelanie(メラニー)。

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その場のノリで盛り上がって、この3人で行くことになった。

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Salkantayは、ケチュア語で「踏破不可能」という意味らしい。

アンデスにそびえる6,000m級の山で、ペルーでは12番目の高さとのこと。その山肌に沿って丸3日かけて80kmを歩き、マチュピチュに向かうルートのトレッキングに申し込んだ。

本格的なトレッキングは初めてだったから、体力的に大丈夫か内心ドキドキ。

そんなことを話しながら、Joe、Melanieと一緒にトレッキングシューズなど、必要なものをレンタルしに行った。

クスコの街中には、ちらほらとそういうレンタル業者が結構ある。何軒か回って、装備がそれなりに整ってくると、気持ちも上がってきた。

1日目、暗くなるまでにキャンプ場に着けるか?

僕らの他に、フランス、アメリカ、ベルギー、中南米などから来た10人の参加者と、「チャスキ」と呼ばれるガイド2人で出発。4日間一緒に歩き続ける仲間になる。

一列に並んでひたすら歩く。

出発して2、3時間は草原、そのあとは草が茂る山道に。

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だんだん高度が上がってくると視界が開けて、牧歌的な風景になってくる。

大きな動物にも出会うようになってきた。

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2、3時間ごとに休憩を挟んだ。これから長いので、飛ばしすぎないようにしようと皆で話す。

一緒にココアを飲んで軽食を食べて、JoeとMelanie以外のみんなと徐々に打ち解けてきて、一緒に歩いている仲間意識が芽生えてきた。

体力的にもみんなまだまだ余裕で賑やか。楽しい。

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更に3、4時間歩くと、高度が上がるにつれて気温が下がって、生い茂っていた植物もまばらになってきた。

景色がどんどん変わっていく。

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天気も絵に描いたような変わりやすさで、なんの前触れもなく突然雹が降ってきた。

顔に当たるのが痛くて、みんな一斉に前かがみになる。

半袖でもいけた気温が、だんだん下がってくる。

積雪も目につくようになってきた。

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この辺で、Melanieが遅れ始めた。

体力的に持たなくなってきたらしく、3人で最後尾を歩く。

チャスキ(ガイド)のEdwinに「もうちょっと、すぐそこだよ」と何回も励まされて、でもなかなか着かない。

こういう時の気を遣ったもうちょっとは遠いあるある(笑)

歩き始めて9時間半、ようやく初日のキャンプ場に到着!

ギリギリ暗くなる前にたどり着けた。

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↓テントの中はこんな感じ。

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テントに入るやいなや、大雨が降った。

汗で濡れた靴下やインナーは、湿気が多くて乾く気はしない。一応干せるところに干す。

外の雨で濡れた人もたくさん入ってきて、湿度的に快適とはいかなかったけど、寝袋に潜り込んだら一瞬で寝落ちた。

よく寝た。

2日目、4,600mのピークを目指して

チャスキに頭をガシガシと撫でられて起こされた。

めちゃくちゃ眠い。朝日が昇る前だった。

2日目の昼までにこのトレッキングの標高最高地点4600mまで一気に登り、午後からはずっと下りになる予定。

さらっと朝食と身支度を済ませて、点呼。今日のトレッキングが始まった。

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朝日が昇って、初めて明るい辺りの景色が見えてくる。

このタイミングが、最高に絶景だった。

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8月初旬から夫婦でCamino de Santiago巡礼の旅に出ています。出費はできる限り少なくしている旅なので、サポートは有り難く旅の資金にさせていただきます。ですが、読んでくださったり反応をいただけるだけで、一緒に旅している気分になって十分エネルギーをいただいています。^^