⑤積層マルチ ~アパートの庭エディブルガーデン化プロジェクト~
キーホールの畝に30cm近くまで頑張って高さを出した目的のひとつは、水はけを良くするため(水はけ悪そうな土質なので特に)。
水はけが悪く土中に湿気がたまりすぎると、根が腐ったり病気になりやすかったりします。
一方で日照りによる水分の蒸発が激しすぎると、頻繁な水やりが必要になってしまうので手もかかるし経済的にもしんどく。。
そこで水分の過度な蒸発を防ぎつつ、育てたい植物の成長を阻害する雑草を抑制するために土の表面を覆うのが「マルチ」。
特に慣行農法では太陽光を吸収して蓄熱しやすい黒マルチ(黒いビニール)を敷いたりしますが、自然農の文脈では刈った草を利用した「草マルチ」をよく施します。
草マルチは撤去せずとも時間が経てばそのまま土に還るし、
過度な蒸発は防ぎながらも通気性が保たれて微生物や虫たちの住処にもなり生態系が活性化するし、
材料費もかからず経済的だし、
草抜きをしてほしい人はそこら中にいるのでむしろ感謝されて資源をゲットできる...
雑草との共存を目指す農をしたい僕的にはいいことだらけ。
そして、以前パーマカルチャー関西(PCK)のふたりから学んだのが発展版の「積層マルチ」。
土壌が育っていなくても、植物の体を作るメインの要素、窒素資材と炭素資材を重ねることで堆肥化を促せるマルチとのことで、
炭素→窒素→炭素→窒素...と重ねていく。
普通に草マルチをするよりも層が分厚くなるので、雑草の成長もより抑制されるし、寒さも緩和されるし、微生物にとってもより住みやすくなって、水やりの頻度もずっと減らせる優れもの。
PCKのワークショップではカバー写真のようにちゃんと
枯れ葉(炭素)→フレッシュな刈り草(窒素)→新聞紙(炭素)→醤油の搾りかす(窒素)→枯れ草(炭素)→刈り草(窒素)と分厚く重ねていきました。
アパートのオーナーが「ぜひ草刈って欲しい」とのことだったので、敷地内の雑草をしこたまGet。
マメ科の植物は特に窒素分を豊富に含んでるはずなので、たくさん生えてたカラスノエンドウを積極的に刈る刈る。
今回は手近に材料のバリエーションが無いので気軽に新聞紙(炭素)→刈り草(窒素)→枯れ葉(炭素)→刈り草(窒素)で薄めの積層マルチ。気軽さも大事。
最後は窒素資材で終えるのもコツらしく、理由は水分が抜けていない窒素素材が一番上に来ると、雨をソフトに受け止めてくれるので水や泥の跳ね返りが少なくなること。
(一番上が枯れ葉だと雨が跳ね返って葉っぱに飛んだりして病気の原因になりやすい)
ちなみに、炭素と窒素の含有比率のことをC/N比と呼んだりしますが、それぞれこんな資材があるようです(参考:PCK作の資料)。
<炭素系資材>
もみ殻、稲わら、広葉樹の落ち葉、おがくず、樹皮など
<窒素系資材>
おから、コーヒーのだしがら、鶏糞、油かすなど
というわけで無事に簡易積層マルチをセットできて、ええ感じに!
ハーブ、何植えよう...