見出し画像

【海外移住の話②】 フィジー 《ストライクゾーンに入った時の驚異的な決断力》

のんびりした南の島あるある、動きの遅さ

画像4

フィジーの高校で働いていると、フィジー教育省とのやりとりや関わりも発生します。

全国統一試験のタイミングについて、感染症が起こったときの対策、スポーツ大会の実施について...等々。公立なので教師も教育省から派遣されてきたりも。

画像5

(↑高校のスポーツ大会)

日々の業務の中で、教育省に限ったことじゃないけど、カウンターパートの動きの遅さに辟易することが多い。

4回確認入れたアポをすっぽかされたり、メリット不明な嘘をつかれたり、プリンターの修理をメーカーに依頼して来たのが2週間後だったり(むしろ覚えてたんが凄い)...。

日本の職場の感覚でいると中々慣れない、のんびりした南の島あるあるですね。

本来なら3ヶ月以上前に通知されるはずの全国統一試験の日程が1ヶ月前まで確定できないなど、フィジー人教師たちも教育省の対応の遅さに怒ったりしてました。

画像3

(↑留学生と、陽気なフィジー人教師たち)

リオ五輪で大事件!

日常茶飯事なそういうテキトーさ(これがむしろ国の幸福度の大事な秘訣の一つだと思う)にも慣れてイライラしなくなっていた時期のこと、

リオ五輪の7人制ラグビーで事件が起こりました。

(ラグビーはフィジーにおけるダントツの人気スポーツで、人気すぎてラグビー以外はほぼ全部マイナースポーツに分類されます)

試合中は授業中だろうが先生たちもテレビに釘付けになるため当たり前のように授業崩壊(笑)していた折、なんとフィジーが金メダルを獲得!

スクリーンショット 2020-06-16 17.16.02

https://edition.cnn.com/2016/08/11/sport/fiji-rugby-olympics-sevens-rio-2016/index.html

それがフィジー史上初めて獲ったオリンピックのメダルだったもんで、文字通り国中が歓喜の大騒ぎに。

フレンドリーさが標準装備のフィジー人たちも、このときはそれが更に倍増。道ですれ違う近所のおばちゃんとハイタッチしたもんです。

興味のストライクゾーンはどこ?

金メダルのニュースがフィジー中を駆け巡ってからそう経たないうちに、政府から学校にある通知が。

「選手凱旋の日を祝日にする」

ボール球には3ボールギリギリまで手を出さない(普段の業務2ヶ月遅れ)のに、興味のストライクゾーンに入ったら決断が秒速(笑)。
日本で祝日を決めるには相当な段階を踏む必要がありそうですが、案件の大きさは関係無いようです。

ストライクゾーンの要素は楽しさ、愉快さ、面白さとかやろか。

フィジーあるあるやなーとゆったり構えていたら、なんとその凱旋の日が全国統一試験の日だと判明。

うわぁやりよった。。

多分、首相が教育省に相談せずに、独断と盛り上がったノリで決めちゃったんやなかろうか...。

リスケできるのか、というか開催できるんやろか。そこの判断も教育省待ちだが、その連絡は一向に来ず。

画像6

この全国統一試験は、担当していた留学生が受けない(正当な理由なく欠席した場合も)と卒業資格が与えられないというシビアなもので、開催されないとなると目も当てられない。

速攻、フィジー人上司経由で、校長に教育省をつついてリスケの判断を仰ぐよう3回ぐらいお願いしてもらいました。

(結局試験のリスケはできて、留学生たちも無事卒業していきました)

画像2

(↑左が上司、右が校長)

そして、選手凱旋の日

祝日となった凱旋日。

当時住んでいたナンディ・タウンのスタジアムで凱旋セレモニーが行われるというので、同僚たちと一緒に見に行きました。

外に出ると、ザ・国をあげたお祭り騒ぎ。
いつになく、街の空気がふわふわしてる。

画像9

国旗無料、スタジアムの入場料無料、ナンディ・タウンから4時間はかかる首都でのメインセレモニー行きのバスも無料。

普段はお土産屋で売っている国旗、今日は何千本もが無料配布されてた。奮発。

画像7

画像8

画像10

早い人はスタジアムに4、5時間前入りして、何も起こらないのにDJの選曲だけで大熱狂。

ほぼ同じ曲のリピート("Go Fiji Go"というリオ五輪のフィジーテーマソング)なのに、何時間でもテンションが維持できる不思議。

(僕は2時間くらいで限界を迎えました)

画像11

画像14

画像12

首相も登場!

首相のスピーチにも、日本じゃ考えられない熱狂ぶり。

画像13

あまりにも人がすごくて、人混みで帰れなくなるのを回避するため僕らは選手到着前にスタジアムを後にしました。

帰り道、いつにも増してすれ違う人すれ違う人みんなが声を掛けて来て、こちらも声を掛けて盛り上がる。

ここまで国がひとつになってる感が出るのも、小国ならではかも。

無責任で秒速な決定がなされても、国民全員が共有しているストライクゾーンに入っている案件なので、みんなハッピーなフィジーでした。

画像15

新しい紙幣まで登場

ちなみに後日、これも決定が爆速でしたが、7人制ラグビーで金獲ったということで、7フィジードル紙幣が新しく発行されました。

デザインにも気合い入ってて、全お札の中でかっこ良さが最強。

画像16

(https://bit.ly/3fK5RoB 世界一周学校のMasatoさんのとこから拝借)

スクリーンショット 2020-06-19 17.21.46

https://fijianwalker.com/budget/

高幸福度の秘訣の一つテキトー文化により、以前からお釣りが間違っていることはよくあったフィジー。

7ドル札なんて計算の難易度跳ね上がるので、お釣り間違いが更に激増したことでしょう。笑

金額的価値は日本円にして350円くらいなので、個人的にはこのレア紙幣は滞在中に集めてお土産にするのがオススメです。

おまけ:Rioのラグビー観戦するフィジー人家庭の動画

フィジーのありのまますぎて笑った。笑
こういうところ、好きやわー。


↓現地企業で現地従業員に囲まれて毎日働いて感じた、フィジー人の働き方の話につづく。


いいなと思ったら応援しよう!

Kentaro*ほしのあいま
8月初旬から夫婦でCamino de Santiago巡礼の旅に出ています。出費はできる限り少なくしている旅なので、サポートは有り難く旅の資金にさせていただきます。ですが、読んでくださったり反応をいただけるだけで、一緒に旅している気分になって十分エネルギーをいただいています。^^

この記事が参加している募集