手法を学ぶ – 映画『メランコリック』試写会
note主催のメランコリック試写会に行かせてもらった。前情報なく見てしまったが、内容がとても良く、せっかくなので感想を。
いわゆる低予算映画とは別のもの
最初のシーンから画面に引き込まれる。
怖い。だが、怖いの一歩手前、境界線ギリギリの感じがテンポよく進む。
そこがだんだんじわじわと笑えてくる不思議。
去年流行ったあの低予算映画のような、観客を裏切るある意味奇をてらったような仕掛けは一切ない。だけど充分楽しめる。
アイデア一本勝負ではない、しっかりと考えられ作り込まれた映画だと思った。
サスペンス、コメディー、ファミリー、恋愛と、さまざまなジャンルが織り混ざって展開されるが、これも混ぜることを意図してやったのではないと思われる。監督曰く、描いたのはヒューマンドラマだと。
(ポスターのホラーテイストは失敗らしい)
キャラクターが立っている点も良かった。考えこまれた「普通」が出す自然な演技と観客を引き込み、共感させる工夫が随所にあったと思う。
監督は会社勤めしながら休日を使って10日で撮り終えた
監督の田中征爾さんは、オンラインスクールSchooでお勤めをしていて、働きながらこの映画を製作をした。
綿密な撮影スケジュール作って、10日で撮り終えたとか。別の仕事をしながら映画製作の実現を切り開く行動と計画性がすごい。
あらかじめ用意されたお金や設備が無くても切り開ける楽しさ、勇気を教えてもらった。
ある人物の物語上の役割
幸運にも質問させてもらえる機会に恵まれた。
脚本で気になった部分があったのでお聞きすると、想像していたよりも深いお答えをいただけてとても為になった。
劇中ある人物があるタイミングで死ぬのだが、その行動の物語上の効果について。そうすることによるその人物の脚本上の役割と、彼の末路に関する意味合いについて。
今ものすごく誰かに話したいが、ネタバレになってしまうので、見た人に聞いてもらうことにする。
お話を伺うと、他作品で使われている手法から着想していたり、展開に名前が付いていたりして映像作品も手法を重ねて表現を作っていくものだと知る。
(手法って、アイデアの引き出しだし、知っているから必要な時に使えるんだよな。)
ヒットの予感
8月3日よりUPLINK他で封切り。
知り合いの人に聞いたら、見たい映画のひとつだと。数々の受賞を聞いて、気になっている人は多いのではないだろうか。
左から松本役の磯崎義知さん、和彦役兼プロデューサーの皆川暢二さん、監督・脚本・編集の田中征爾さん
ありがとうございました。
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