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問題解決あるあるコラム#34:本当に困ってたらとっくに解決してる

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第34回のテーマは、「本当に困ってたらとっくに解決してる」です。「そんなワケない! 今、本当に困りごとがあるのにその解決策が見つからなくて困っているんだぞ!」という方もいらっしゃるでしょう。それは確かに本当なのでしょう。「解決したい課題があり、解決策が見つからず対策が取れずにいる」訳です。でも、それって本当に「困って」いますか? 今の「対策が取れない状況」を許容してしまっていませんか? 


「困った困った」は、本当は困っていない

我々はよく「困ったなー」という言葉を発します。意図した通りに「こと」が進まず、打開策が見つからない時にこの言葉を発します。確かに「困った」状況です。でも、「困ったなー」と言いながらも別のことをしていたりします。つまり、「本当は意図した状況にしたいけれど、そうなっていない今もまあ許容できる」状況なのです。さらに「困った、困った」と言っている間は、それを解決する方法を考えていません。「困った、どうしよう?」は考えていない証拠なのです。

「考える」と「悩む」は違う

「困った、困った」の状況は、考えているのではなく「悩んで」いる状態です。「悩む」とは、今の状況についてこれまでの経過や具体性のない未来について、あれこれ思うことです。解決するための方策を考えてはいません。解決するための方策を「考えて」いる時は、「困った」という言葉は出てきません。さまざまな選択肢を思い描き、どの選択肢が一番成功の確率が高いのかシミュレーションをし、決断をするプロセスが起動しています。

人間は本当に困ったらどんな形ででも直ぐに解決する

つまり、我々が普段口にしている「困った」という言葉は、言葉でこそ「困った」なのですが、実は本当に「困って」いる訳ではないのです。人間は本当に「困った」ら、そう思った瞬間にどんな形ででも困りごとを解決してしまっています。それがたとえ本来の「意図した結果」でなくても、違う形で解決してしまっているのです。なぜなら、その「困った」状態を放置した瞬間、自分に降りかかる脅威が現実になる可能性が高まるからです。人間のリスク回避能力は凄まじく高いのです。

結局「困った」と口に出すことで別の困りごとを解決している

では、なぜ我々は「困った」と口に出すのでしょう? それは、困りごとを解決できなかったことを「正当化」するためです。我々人間は、そもそもプライドが高い生き物なので、失敗したり問題が解決できないと簡単に傷つきます。問題が解決できないと、今度は「自分が傷つく」というリスクが生まれます。このリスクから自身を守るために「困った」と言って、問題が解決できていない現状を「正当化」し、自分を救います。つまり、問題が解決できなかったことにより生じた、「自分が傷つくかもしれないリスク」を回避しようとしているのです。

人生は問題解決の連続

なんだか「卵が先か鶏が先か」みたいな話になって来てしまいました。色々書いてきましたが、結局は人間は常に「何らかの形で」問題を解決しており、「高い問題解決能力を有している」ということなのです。なのに、仕事で生じる「問題」は上手に解決ができません。それは、問題解決の優先順位が違うからです。我々の優先順位は常に「自分」です。なのでこの優先順位が変えられれば、この高い問題解決能力を自分の事以外にも活用することができます。

どうすれば自分の事以外の問題が解決できる?

そのためには、問題解決の目的を「自分のため」から「他の誰かのため」に変換すれば良いのですが、これがなかなか手強くてそう簡単な話ではありません。この辺りの話についてはまた別の機会でお話ししたいと思います。

まとめ

皆さんも、改めてご自身の行動をふり返ってみてください。「困ったなー」と思った時と、そう思わない時がきっとあるはずです。困らなかった時は、ご自身の問題解決能力が発揮され、あっという間に問題が解決されています。逆に「困ったなー」と思った時は、実は本当は困っていません。そんな時は、その「困ったなー」の先にある具体的な「被害」を思い浮かべてみてください。きっと、「これから自分に降りかかってくるかもしれない被害」が思い浮かんだその瞬間に、もう問題解決のアクションが取られているはずです。我々の持つ問題解決能力は「電光石火」の早業なのです。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「心配事が生まれたらFMEAが始まっている」です。
次回もお楽しみに! 

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