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「土日に連絡しないほうがいい?」「原稿書く以外にやることある?」「作家と名乗って大丈夫?」にお答えします

先日「書店訪問をしたほうがいいですか?」の質問について、
色々と自分なりに纏めたものにご反響を頂きました。
まずは拙文をお読み下さり、誠にありがとうございます。

最も訊かれるのはこの書店訪問についてですが、
次によく訊かれる質問はこちらでしょう。

「土日に連絡しないほうがいいですか?」

その著者さんとの関係性もありますし、
「編集者による」としか言えませんが、
全体的に言えば避けたほうが無難です。

おそらく、多くの編集者は「大丈夫です」と言いますが、
それは言葉通り「大丈夫」なだけで、特に会社員であれば、
「積極的に連絡が欲しい」というわけではないでしょう。

ましてや、内心「やめて」と思っている可能性もあります。
実際「じつはやめてほしい」と言っている人も結構多いので、
緊急性が高い場合等を除き、安全策として控えたほうがいいです。

百歩譲って、本人的には本当に大丈夫でも、今の時代、
夫婦間・親子間で家庭内での仕事・役割が沢山あります。
特に小さいお子さんがいそうな人にはご注意ください。

というか「土日に連絡しないほうが…」と訊く時点で、
おそらく自分の中に何か引っかかりがあるのでしょう。
ご自分の心の声に従ったほうがいいと思います。

次に多い質問がこちら。

「原稿を書く以外に何をやればいいですか?」

この答えは決まっています。
著者ご自身の知名度を上げて、多くのファンを作ることです。
「〇〇さんの本なら買いたい」という方々の存在は非常に強いです。

じつは著者ご自身こそ、もっとも優秀な営業マンだと言えます。
基本的に出版社の人間は所詮「中の人」に過ぎないので、
いくら宣伝・営業しても、なかなか著者さんには敵いません。

原稿執筆と同時にSNSに積極的に発信したり、
あるいは普段から著者仲間を増やしたりするなど、
人的資源の確保に努めることをお勧めします。

以上がベスト3ですが、番外編として、
印象的だったこちらの質問をご紹介しましょう。

「作家と名乗っても大丈夫ですか?」

もちろん、名乗ってもいいと思います。
そもそも作家業は免許制でも届出制でもないわけで、
自ら「作家です」と名乗っても特に問題ありません。

ただ、周りから作家扱いされるかは難しいでしょう。
著作もある有名な映画監督のお話をご紹介します。

彼は、某大手新聞社の取材を受けた後で、記者さんから、
「肩書はどうされますか?」と訊かれた際、
「作家でお願いします」と答えたそうです。

すると、先方から苦笑されたという話です。
苦笑の意味は「作家とは大きく出たな」ということだそうで、
作家と見なされるハードルは相当高いことがうかがえます。

また、一般的には「作家=小説家」と思われることが多く、
実際「好きな作家ランキング」などでは小説家が占めます。
(一部のノンフィクション作家は例外かもしれませんが)

つまり、デビュー作が知名度の高い小説新人賞を受賞し、
それがかなり売れたなどのレアケースでもない限り、
1冊出しただけで作家と見なされることはないでしょう。

少なくとも現実的にはそうお考え頂いたほうが無難なので、
「いや、1冊だけでも自分は作家だ。周りの目は関係ない!」
という方でもない限りはお勧めしておりません。

まとめ

みなさん、やはり土日に連絡していいかは気になるようですね。
日本は先進国の中でも女性管理職の割合が低い国ですが、
女性が管理職になりたくない理由で多いのは次の2点でしょう。

①責任を取りたくないから
②残業や休日勤務などが増えるから

↑これを「だから女性は」などと嘆く人がいますが、
女性がイヤなことは男性だって本当はイヤなことが多いのです。

確かに①は「だったら昇進するな」となるかもしれませんが、
(だからご本人も昇進を断っているわけですけど)
②は組織や個人が意識を変えていけば解決できることです。

依然「土日や夜遅くまで働く人は偉い」と見る向きが強いですが、
これは日本の社会的な発展を止めている思考であるとも言えます。

僕も及ばずながらですが、基本は土日の連絡は控えています。
「著者さんに連絡したいことがあるけど月曜日を待とう」
ということにして、今まで特に困ったことがありません。

愚見にて恐縮ではありますが、ご参考になれば幸いです。

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