岡山でプロ俳優として進む~岡山のお芝居事情を考える/明日のワークショップ告知
2024.4.5
前の記事では、結局のところプロって何なのかということについて考えてみました。
まだ書き残したことが多いのでイントロダクションの続きとして書かせていただきます。
それと明日岡山で開催されるワークショップの告知も含めて。
今一度立ち止まって、そもそもお金をもらうってどういうことなのか考えてみたいと思います。
お金をもらうということは、その仕事に対しての対価なので、責任をもって全うしなくてはいけないですよね。
専門的な技術を持って、仕事をしなくてはいけないということです。
そのための俳優の技術を学ぶ場所として養成所、芸大、アカデミー、劇団などがあるわけです。
こう考えると、俳優は本当に誰でもできる仕事なのかという当たり前の疑問にたどり着きます。
今、イベントや舞台や映画でサラッっと芝居したり、歌ったり、踊ったりしている人たちは、その表現を手に入れるために多大な時間とお金を使っているはずです。
その事実を多くの人に知ってもらわねばならないのではないかと思います。
東京だとこの問題はスルー出来ます。
お金払うのが当たり前ではあるので。
(何にでも例外はありますけどね。約束してお金払わずトンズラする悪い人も沢山いるので。悲しいながら。)
やる側もお金の話をすると次使ってもらえないかもとか思わず、きっちり責任もって話していかないとこの風潮は変わらないと思いますが、ここでフリーの人は言いずらかったりするのですよね。
みんなが事務所に入りたがるのには一定の理由があるとは思います。
お金のハードなやり取りをマネージャーさんが肩代わりしてくれますから。
アメリカだと自分でマネージャー雇って営業するのが普通らしいですが、日本がそれに移行するのは、まだまだ時間がかかりそうです。
芸能事務所の話もいずれまた書きます。
お金の話ばかりしてきましたが、じゃあお金もらえなかったら芝居しちゃいけないのか。
という話になりますが、ここで自分はどうなりたいのかという話になるのだと思います。
1記事目に書いた
①楽しければok
②アマチュアだけど本気でやりたい
③プロになりたい
僕は主に②、③の本気で取り組みたいけど、どうしていいかわからない人向けに書いていこうと思っています。
僕は岡山に帰ってきて、かなり驚いたんですよ。
岡山では市民ミュージカルが盛んで、倉敷では毎年3月に市民ミュージカルが行われていますし、一般の方向けのワークショップも沢山あります。
ダンススクールもとても沢山あります。
劇団も幾つもあります。
最近は自主映画製作も多いですし、大手の映画の撮影も多いです。
なので、一般の方がお芝居をするチャンスはいくらでもあります。
発表会と言われるものは、参加費を取ったりしますが、多くの市民ミュージカルはお金を払わず出演できます。映画も岡山フィルムコミッションに登録しておけば、撮影のお誘いは頻繁にくるようです。現場でエキストラの地元の方とよく会います。何だったら、皆様、僕より沢山岡山撮影の映画に出演しています。
これって実は素晴らしいことではありますよね。やりたい人は望めばいくらでも芝居できる。
なので、前回の記事で書いた岡山の人が芝居なんて誰にでもできると感じてしまっても仕方ない状態ではあると思うのです。
だって、みんな舞台も映画も出ているから。
そんな中、自分の存在の価値を高める必要は出てくると思います。
今岡山在住でよく名前を見る人の肩書を見ればわかりやすいかもしれません。
元劇団四季
元宝塚
元ブロードウェイ俳優
元JAC
有名な俳優さんと共演
有名な映画に出ている
などなど
大きな場所でやっていた人は、そこでやっていた、誰とやっていたという過去の実績が事のほか大きいです。
なので、もしこれから芝居の世界に本気で取り組みたい人はわかりやすい実績を作ったほうが行動はしやすくなるとは思います。
世の中、学歴社会じゃなくなったといっても、現実世界には驚くほど学閥が残っています。
同じ学校ってだけで、すごく仲良くなれたりしますよね。
それと同じで、社会が担保してくれている信頼を利用できるなら利用したほうが良いとは思います。
岡山で本気でやりたい人に向けて言えることとしては、これからどんな作品を選び、誰と過ごすかは重要だよということです。
先ほど書いたように、お芝居したいのなら岡山は驚くほどチャンスがあります。ただ、そのチャンスを生かして先に進むにはやはり戦略が必要になると思います。
岡山で展開されている特に舞台はものすごく拘束時間が長いです。なので、参加するならそれなりの覚悟と目算は必要になると思います。
養成所やアカデミーも同じです。
支払ったお金や時間に見合ったものを手に入れることが出来るのか。
そこは自分が求めている場所なのか。
尻込みする必要はないですが、一度冷静に考えてみてください。
現場に入ったら、与えられるのを待つだけでなく、自分が欲しいものを手に入れる努力も必要です。
セリフなのか。
良い役なのか。
その目的のためには踊れたほうが良いのか、歌えたほうが良いのか、アクション出来たほうが良いのか。
自分は今何が出来るのか。
つらいことかもしれませんが、自分が何ができないのかを考える事も必要。
しっかり自分という商品を認識することが大事だと思っています。
その認識は技術だけでなく自分の見た目や中身にも言及したほうが良いとは思います。
僕はあるとき、自分がイケメンでないことを認めました。
今は若者でないことを認識しています。
僕が自分はかっこいいんだ!と叫んでも意味ありません。
見る側からそう見えなければ意味がないのです。
自分という商品の正しい認識。
すごく大事だと思います。
社会的通念におけるネガティブな要素を全部排除する必要はありません。
例えば太っている人にしかできない役はあります。
大事なのは今の自分を認めて正しく認識することです。
自分を貶める必要はありません。
芝居が素敵なのは、あなたにはあなたにしか出せない価値があるということだと思っています。
他の誰もあなたにはなれません。
まずは自分が一番自分を信じてあげてください。
自信。
ですね。
また、本気でやっていきたいと思ったら、最初はこの大変な芸能界を戦い抜くために自分が自信を持てる技術を1つでも2つでもつけることをお勧めします。
僕にとってはそれがアクションや殺陣にでした。
ダンスや歌でも良いと思います。
そうした技術は誰が見てもうまい人はうまいし、下手な人は下手です。
普遍的なものには力がありますし、上手い人はその技術にしっかり時間をかけて取り組んできたという信頼感が生まれます。
芝居のうまい下手は正直ほとんどの人にはわかりません。下手でも役にあっていたらOKだったりします。
芝居についてはなかなか答えが出ない部分も多いので、また書きますね。
正しく俳優の道を歩むなら、自分を守ってくれるのは技術だと思っています。
自分に技術がないとわかっていると、誰か権限のある人に寄りかかって、自分を引き上げてもらおうとしてしまいます。
でも、そのいびつな依存関係は幸せな結果にはならないと思います。
是非、自分の力でこの世界を歩んでほしいと願っています。
次は、岡山の今を考えながら、現状に即して岡山で芝居をやっていくことについて書いていこうかと思います。
読みたい方は読んでみてください!
長くなりましたが、明日のワークショップの告知を少し。
僕はワークショップ前に心と身体を準備するシアターゲームクラスを担当します。
俳優訓練のシアターゲームやインプロはもっとみんなで取り組んで良いと思っているので、そうした場を作れるようにして行きたいと思います。
以下ワークショップ詳細
4/6(土)
安藤美亜監督
【アクティングワークショップ開催!!】
岡山県出身、現在ロサンゼルス在住の映画監督、役者、脚本家の安藤美亜さんによる演劇ワークショップを開催!
アメリカ・ロサンゼルスを中心にインターナショナルに活動する役者、脚本家でもある安藤監督が、アメリカ演劇の基礎を交えながら、制作者・役者としての多角的な面から伝える、総合演技能力、オーディション力、プレゼンスを高める為のスペシャルなワークショップ。
■イントロダクション(初級)
始めてカメラの前で演技をするという方に向けて、映像での演技にあたっての心構え、台本の分析、インプロ(即興)など基礎的な部分を踏まえ、すぐに役立つ技術をじっくりお伝えするクラス。
■アドバンス(上級)
演技の経験を積まれた方向けのアドバンスクラスでは、シーンワーク、モックオーディション(擬似オーディション)なども踏まえ、より深く、実践的なレッスンを行っていきます。
◆同時開催 シアターゲームティーチャー大岩主弥による「ワークショップに向けて、心と身体を解きほぐすシアターゲームクラス」安藤監督のワークショップに向けてウォームアップ、アイスブレイクとして是非ご参加下さい。
日時:4/6 (土)12:00~18:00
場所:テラスクエア
①12:00~13:00 大岩主弥
心と身体を解きほぐすシアターゲームクラス
②13:00〜15:00 Mia Ando
演技イントロダクションクラス(初級)
③15:30~18:30 Mia Ando
演技アドバンスクラス(上級)
参加費
①1000円
②3000円
③4000円
②、③同時申込みの方は6000円に割引
【お申し込み】
MAIL:info@terra-ent.com
【お問い合わせ】
TEL:086-230-5083
HP:terra-ent.com
【ワークショップ概要】
ロサンゼルス、岡山が舞台の国際共同制作映画、「Korakuen 」の監督・プロデューサー、そして役者としても活躍中の安藤美亜(Mia Ando)さんが、岡山の俳優の皆様の為のアクティング・ワークショップを開催します!
アメリカ・ロサンゼルスを中心にインターナショナルに活動する彼女が、ハリウッドで学んだ経験を元に、制作者・役者としての多角的な面から伝える、役者の総合演技能力、オーディション力、プレゼンスを高める為のテクニックをお伝えします。
英会話も交えたワークショップなので、これからどんどん増えてくる国際的なキャスティングに関わりたい方、英語に苦手意識がある方にもおすすめです。
(シーンで使う英語は簡単なものなので、英語力は問いません。日本語、英語両方使いますので、全く初めて、という方でも大丈夫です。英語初心者や英会話アドバンスの方でも、台詞、言葉をどう自分のものにしていくかをより深めていく内容になっています。)
内容は、
・スクリプト分析(イントロ、アドバンス)
・インプロ(即興)(イントロ、アドバンス)
・オーディションテクニック(イントロ、アドバンス)
・キャラクターワーク(イントロ、アドバンス)
・ルーシッドボディ(イントロ、アドバンス)
・シーンワーク(アドバンス)
・モックオーディション(アドバンス)
など交えたハイブリッドなクラス。
俳優それぞれが、自分の身体、心(個々のユニークなインストルメント)への理解をより
深め、演技の幅を更に拡げるために必要な様々なツールを学びながら、アドバンスクラスでは実際にシーンを演じながら録画し、オーディション(海外案件にも)に役立つ為のテクニックを学びます。
必要なもの
・筆記用具
・飲料水、飲み物
・携帯電話(アドバンスクラス受講の方。シーンの録画用)
・タオル
・ヨガマット(もしお持ちの方。ない場合は大丈夫です。)
当日は動きやすい格好でご参加下さい。
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