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未来予知の能力もクライマックスを消していく、ネタバレ機能になってしまった【映画「マダムウェブ」】

映画『マダム・ウェブ』に関する解説記事ですね。あらすじ、ストーリー、評価、原作との違い、ソニー・スパイダーマン・ユニバース(SSU)の現状、今後の展望など、多岐にわたるポイントを解説します。


映画『マダム・ウェブ』概要

  • 2024年公開のアメリカのスーパーヒーロー映画

  • マーベル・コミックスの同名キャラクターが主人公

  • 「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」の第4作

あらすじ・ストーリー

ニューヨークで救命士として働くキャシー・ウェブ(ダコタ・ジョンソン)は、ある事故をきっかけに未来予知能力に目覚めます。謎の敵に追われる3人の少女を守るため、キャシーは能力を駆使して立ち向かいます。

評論家からの酷評理由

  1. 脚本の完成度の低さ 物語の展開が一貫性を欠き、キャラクターの動機や行動に説得力がないとの指摘が多く見られました。

  2. キャラクターの描写不足 主人公およびサブキャラクターたちの背景が浅く、観客が感情移入しにくい。

  3. アクションシーンの弱さ スーパーヒーロー映画としての迫力が不足しており、視覚的な魅力が乏しい。

スパイダーマン原作におけるマダム・ウェブ

原作コミックでのマダム・ウェブ(本名:カサンドラ・ウェブ)は、以下の特徴を持つキャラクターです。

  • 高齢の女性で、盲目

  • 強力なテレパシー能力と未来予知能力を持つ

  • スパイダーマンの重要な協力者であり、導き手

  • 生命維持装置に繋がれた状態で登場することが多い

映画版では、オリジンストーリーとして若年期の姿を描き、設定も大きく変更されています。

ソニー・スパイダーマン・ユニバース(SSU)の現状

『ヴェノム』シリーズは成功を収めているものの、『モービウス』や『マダム・ウェブ』など、他の作品は興行的に苦戦しています。その理由は以下の点が考えられます。

  • スパイダーマンの人気に依存:SSU作品は、スパイダーマンの派生キャラクターに頼りすぎている

  • 作品の質にばらつき:一部作品の脚本やVFXが低品質で、観客の期待に応えられていない

  • マーベルシネマティックユニバース(MCU)との差:ディズニーのマーベルスタジオが制作するMCU作品と比べると、作品の質や連携で劣る。

  • キャラクターの知名度不足:スパイダーマンそのものではなく、周辺キャラクターを主軸にした作品が多いため、一般の観客層を惹きつけにくい。


ソニーが企画を続ける理由

ソニーは、スパイダーマン関連の映像化権を保有しており、これを活用することで収益を上げようとしています。

  • 権利の有効活用:スパイダーマン関連のキャラクターは人気が高く、映画化による収益が見込める

  • 独自のユニバース構築:MCUに対抗し、独自のスーパーヒーローユニバースを構築したい

ソニーはスパイダーマン関連キャラクターの映画化権を保持しており、それを活用することで映画市場での存在感を維持しようとしています。また、新しいヒーロー作品を生み出すことで独自のユニバースを拡大しようと試みています。

ディズニーによるマーベル買収の影響

ディズニーがマーベルを買収したことで、MCUが誕生し、マーベル作品の質が向上しました。一方、ソニーはスパイダーマン関連の権利を保持し続け、独自のユニバースを展開しています。

今後の展望

もし「マダムウェブ」の続編が作られるのであれば、下記の様な展開が考えられます。

  • 原作コミックの要素を取り入れ、マダム・ウェブの導き手としての役割を強調

  • SSU作品との連携を強化し、ユニバース全体のストーリーを深める

  • スパイダーマンとのつながりを強め、より壮大な物語を描く

ソニーは、SSU作品の質を向上させ、独自の魅力を打ち出すことが求められます。

本作はスパイダーマンの世界における前日譚として位置づけられていました。しかし、興行成績や評価の低迷により、続編の制作は不透明な状況です。

まとめ

『マダム・ウェブ』は、スパイダーマンユニバースの新たな試みとして制作されましたが、脚本やキャラクター描写の問題により酷評されました。今後、ソニーがどのようにこのユニバースを発展させるのか、引き続き注目が集まっています。

ネタバレ感想

公開当時の評判は聞いていたのでかなりハードル低い状態で見たがそれでも悪くないともいえない作品だった。

未来予知の能力から解決していく設定は今時でいいのだが、マダムウェブとして生きる前日譚みたいな話なので彼女やヒーローとなる少女らもそこから大した力を発揮することもなく彼女のルーツをたどる地味な話だけで終わる。

未来予知される展開のアクションの方が面白そうなのに回避した先が中々その面白さを超えてこずただテンポの悪さを感じる構成になってしまっていた。

続編在りきで作ったのは分かるが主要キャラクターの成長と覚醒がキャシーと母の確執の薄い話の和解ぐらいにしか見えてこないのは一応ヒーローキャラの作品としては寂しい。

少女らを守りながら目覚める彼女自身の母性と母への和解の話を繋げたかったのかもしれないがイマイチかみ合わなかったのもある。

また未来予知と序盤の背景を重なってしまいヴィランの正体や目的まで全て明かしてしまうのもまずかった。あれでは何のためにスパイダーマンのようなスーツを着ていたのか物語としても微妙である。

未来予知の能力がただ物語のクライマックス要素を消していくネタバレ機能になっていたのは勿体なかったかな。ノーラン監督のテネットなどの流れから逆に超わかりやすい時間軸映画になりそうな印象だったが、逆に分かりやすすぎてつまらなくなるということも見える作品だった。

ルーツを中心に見せたドラマだった割にキャシーが結局なぜ能力に目覚めていったのかもさっぱり分からない。スパイダーマンの原作を読んでる人にしか分からないほぼ誰も知らないキャラクターにフォーカスあてるのは良いが、あんまり魅力ないから結局広げることもないのかと思ってしまう。

ソニーとスパイダーマンユニバースシリーズの苦しさが更に垣間見える作品だった。

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