リーアムニーソンの衰えを繋げる演出はやめてほしい【映画「ブラックライト」】
映画『ブラックライト』は、リーアム・ニーソンが主演を務めるアクションスリラー映画で、2022年に公開されました。この作品では、ニーソン演じる元FBIエージェントのトラヴィス・ブロックが主人公です。彼は現在、危険な任務を引き受ける「トラブルシューター」として活動していますが、政府の陰謀に巻き込まれます。
あらすじとストーリー
トラヴィス・ブロックは政府の秘密工作員として働いていましたが、ある日、自身が関与する政府の闇の計画に気づきます。その計画は「プラクティス」と呼ばれ、一般市民を脅威とみなし排除する内容でした。ブロックは計画を止めようとする中、最愛の家族をも脅かされ、彼の過去の仕事と現実の正義感が衝突する展開が描かれます。
映画の中では、ブロックが信頼していた上司と対立し、真相を暴くために記者や内部告発者と協力するスリリングなシーンが展開されます。
登場人物と相関図
トラヴィス・ブロック(リーアム・ニーソン): 主人公で、政府の闇を暴く元エージェント。
ガブリエル・ロビンソン(エイダン・クイン): ブロックの元上司で、陰謀の鍵を握る。
ミラ・ジョーンズ(エミリー・ラド): ジャーナリストで、ブロックと共に真実を追う。
ダスティン(テイラー・ジョン・スミス): 内部告発者で、物語の鍵を握る重要な人物。
組織としては、政府機関の一部が秘密裏に作成した「プラクティス計画」が中心となり、ブロックの正義感がその計画と衝突する構図が描かれます。
特徴と見どころ
『ブラックライト』は、ニーソン主演映画らしい肉体派アクションに加え、現代社会での正義や倫理をテーマにした作品です。特に、親子関係や信頼をテーマにした人間ドラマも含まれており、単なるアクション映画を超えた深みがあります。
感想
正直駄作だった。リーアム兄さんの存在感や作品に与える雰囲気は流石だったが、脚本がよくなかったのか話があまり面白くない。アクションシーンにも段々と衰えが見えてくる。
序盤からの政府に関わる陰謀を膨らませていく見せ方は期待させるものだったが、徐々にFBIにまで対立軸が絞られて話の規模が少しずつ小さくなっていっていく。
そこからは裏で誰が手を回しているのかも中盤の主人公の上司との会話で大体察しがついてしまう。その辺りからサスペンスとしてはだれてしまい後半からはアクションぐらいしか楽しみがなかった。
暗躍するFBI捜査官に乗り込んでいくが相手の人数も少なくあまり強くないのはご愛敬。リーアムニーソンの細かな斜線管理から繊細な銃撃と仕掛けは相変わらずで見事であるが、上手く走れないことを良いことにあっけない隙も生んでしまう演出は悲しくなるからやめてほしい。
この作品の前作か次作に当たった「バッドデイドライブ」で車の密室劇に終始するような作品を作った意味もこの辺りで察した。彼の無駄遣いと聞く作品も増えてきたのは彼自身の新たな模索なのかもしれない。
残念ながら来年いっぱいでご本人がアクション映画の引退示唆するような発言も出てきている。96時間シリーズにかなう作品は難しいだろうが、せめていい脚本と演出に思える作品を作ってほしい。
今作は大事なオチもあっさりしすぎてて全体的に恵まれなかったとしか言いようがない。