マガジンのカバー画像

怖い話し その2

10
ホラー小説まとめ 11話〜20話収録。
運営しているクリエイター

#奇譚

#16 短編空想怪談「何もない部屋」

#16 短編空想怪談「何もない部屋」

その部屋は特段何か噂がある、事故物件だとか幽霊がでるとか、そんな話は無いし、内見の時も不審な所は無かった。
陽当りのいい2階の角部屋、キッチンも風呂場もリフォーム仕立てでピカピカ。

僕は一目でその部屋を気に入り引っ越すことにした。

週末は友達を呼んでどんちゃん騒ぎ、休みの日は映画やゲームを爆音で遊んでもクレーム一つ来ない。
というのも、下の部屋にも隣の部屋にも住人は居らず、他人を気にする必要も

もっとみる
#15 短編空想怪談「見てはいけない人」

#15 短編空想怪談「見てはいけない人」

私は某引っ越し会社に勤務しているのだが、
いや、勤務していたと言ったほうが正しいんだけど…
そこにはいつもニコニコしてる田中さん(仮称)という人がいる。
田中さんはいつも本当にニコニコしていて優しい人で怒るところを見たことがない。

私も何回か同じ現場になったことがあるが、どんな理不尽なクレームや、無理難題にも文句一つ漏らさずニコニコしながら仕事をする。
そして田中さんは時々おかしな予言をする。

もっとみる
#13 短編空想怪談「サバイバルゲーム」

#13 短編空想怪談「サバイバルゲーム」

サバイバルゲームというのは一定の場所に集まり、10人~15人程で、1チームずつに別れ、
自分たちで持ち寄った銃や、もしくはサバイバルゲームを運営しているお店から銃をレンタルして、撃ち合うゲームだ。
装備が整ったら銃を撃っても良いエリア、ゲームフィールドへ。
ゲームのフィールドも様々で、外であったり室内だったり。
撃たれれば、「ヒット!」と叫び、フィールドから退場する。
これが主なサバイバルゲームの

もっとみる
#12 短編空想怪談「ひとりでできるもん」

#12 短編空想怪談「ひとりでできるもん」

僕らは結婚してもう3年程経つ夫婦だ。
これまでも生活は順調に続き、特にこれと言った夫婦間の問題も無い。
あるとすれば一つ、妻に子供が出来ない事。

元々二人で話し、そろそろ結婚して子供がほしいとの思いから、僕の方から結婚を申し込み、彼女も快く同意。
すぐにはできないとは思っていたけど、3年も経ってできないと心配になり、何度か妻にも検査をしてもらうも、異常は見られない。

最近になって僕の方にも問題

もっとみる
#11 短編空想怪談「深夜のコンビニ」

#11 短編空想怪談「深夜のコンビニ」

僕の家の近所に新しくコンビニが出来た。
僕は一人暮らしで、仕事柄夜10時前後の帰宅や、遅い時は11時になることもある。
駅前にはスーパーはあるが、そのスーパーも10時を超えれば閉店してしまうので、このコンビニはありがたかった。

今日も仕事終わりに夕食を買って帰ろうと帰りにコンビニに立ち寄り、弁当や夜食を物色し、食料を買って帰る。
そんな日常が続いていた。

ある時気づいた事がある。
雑誌のコーナ

もっとみる