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自分だけのボードゲームを作ろう - ゲームクリエイターを目指すなら読むべし

MakerFaireTokyoでは、主催しているオライリーのブースで書籍のセールも行われます。セールと言ってもお値段というよりかは、他では手に入らないグッズなどがオマケについてくるとか、近刊予定の書籍の先行販売などが行われます。最近は本屋に寄ることも少なくなっているので、この機会にここ1年にオライリーから出た本を立ち読みして、これはと思う本を買う機会にもなっています。

今年(MFTokyo2023)は、先日紹介した「雑に作る」と今回紹介する「自分だけのボードゲームを作ろう」、そしてもう1冊(まだ読み終わっていないので機会があればいずれ紹介します)を購入し、オリジナルエコバッグやTシャツを手に入れました。例年オマケは人気のあるものから無くなってしまいますので、できれば初日、それも早めの時間に買い物することをオススメします。

さて、そのボードゲームを作ろうですが、これも残り2冊となっていたところで慌てて買ったものです(いつものパターン)。内容はボードゲームを例にして、ゲームというものの「メカニクス」と表現されているコンポーネント(ダイスやコマ、カードと言った構成部品)、ルール、そしてプレイスタイルについて説明しています。

いわゆるテレビゲームが登場する以前は、ゲームと言えば囲碁や将棋、トランプカードに花札あたりが誰でも知っているゲームで、これにすごろくであるとか、少し大人になれば麻雀が加わったところまでが一般的でした。

私の少年時代になると、人生ゲームであるとか、億万長者ゲーム、野球盤にダイアモンドゲームあたりが登場し人気を博していました。こうなるともっと別のゲームもやってみたくなるもので、チェスやチェッカー、バックギャモンにモノポリーなどに手を出し、いろいろなゲームのルールを覚えるので、おぼろげながら「ゲームシステム」というものが、どのように設計されているのかを意識するようになります。

自分だけのボードゲームを作ろう

本書でも、そのあたりを具体的な要素ごとに取り上げ、ひとつひとつ説明していますが、あくまで実際に遊ぶゲームについての話なので「ゲーム理論」といった数学は出てきませんので安心してください。ゼロサムかどうかはルールの大きな分岐点ですが、そんなことよりも、どの程度を運に支配させるか、序盤で有利不利が見えてしまう場合の大逆転を、どう仕込むかなんていうほうが興味深いです。

好きなゲームをカスタマイズするところから、ゲーム作りをはじめよう! 新刊『自分だけのボードゲームを作ろう ─ ゲームをデザインして、作って、みんなでプレイする』は12月27日発売! 金井 哲夫さんの「訳者あとがき」を公開します

昔は家庭にあるものでゲームを作ろうとしても、パソコンもプリンタもありませんから、工作用紙を切り抜いて色鉛筆で絵を描いていくしかありません。そうすると内容を秘密にしたいカードの形状や裏面をまったく同じにするのは難しく、どうしてもジョーカーのような意味を持つカードを持っているかがばれてしまい、なかなか都合良くはいきませんでした。今はカラープリンタも普及していますし、どうしても立体的なコマを作りたいとなれば3Dプリンタだってあります。名刺用の紙を使えばキレイに揃ったカードをハサミも使わずに作れます。実に素敵な世の中になったものです。

本の最後のセクションでは実際にゲームを作って見るための素材が用意されており、それまでに読んだ知識を使って自分なりのゲームを作ることができるようになっています。

自分だけのボードゲームを作ろう ―ゲームをデザインして、作って、みんなでプレイする (Make: Japan Books) 単行本(ソフトカバー) – 2022/12/27

世の中に「ゲームで遊ぶ」のではなく「ゲームを作る」ことに興味を持っている人がどのくらい居るのかはわかりませんが、スマホのゲームアプリなどに触発されてゲームクリエイターになるんだ!と思ったのであれば、似たようなゲームばかりをやりこむのではなく、そもそもゲームとはどういうものであるか、古典的ゲームのルールと、どのように愛されてきたのかあたりを知って、ぜひ単に面白いだけではなく、継続してやりたくなり続編を待ち焦がれるような、できることであればゲームをやることで何らかの成長ができるようなゲームを作ることを目指すようになってくれたら、ちょっと嬉しいなと思います。

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