【新提案】話し方の向上に役立つフレームワークを考えました
人を惹きつけ、人を動かすことができる「抜群な話し方」について関心をお持ちの方に向けてお伝えします。
私が副業としている「話し方講師」としての立場で、話し方についての僕なりの考え方・思考の整理・分析・エピソードなどを綴っていきたいと思っています。
初回の今日は、早速核心に触れます。フレームワークについてです。僕は、ベストセラーの『話し方は9割』や最近発売された『話し方の戦略』など、関連書籍を20冊程度読んだのをはじめ、話し方に関する学術論文や雑誌の特集、Web記事や動画など、この分野のプロ・専門家の知見に数多く触れてきました。それらを参考にしながら、僕が主に過ごした20代のアナウンサー時代に培った知識と経験・感覚を整理して組み立てたフレームワークをご紹介します。
少々余談を挟ませてください。2019年、僕がスポーツデータを扱う会社で働いていたときに、人材開発担当の同僚から「主に若手向けに、お客さんを前にしてアイスブレイクしたり、会話を弾ませることができるような話し方について、アナウンサーの経験を活かした研修をしてほしい」と依頼を受けました。
これをきっかけに、僕自身はアナウンサーをやめてから暫く経っていたものの、テレビやラジオで活躍しているアナウンサーの分析をしたり特徴を掴むのことに自信があったので、自分なりの分析力を頼りに、話し方についてのマインドセット(思想や心構え)と技術について棚卸しをしました。
棚卸しして生まれたフレームワークを活用しながら、エクササイズを組み込んで提供した研修にはベテラン社員も集まり、予想を上回る全社員の3割が参加しました。研修の効能として、毎月の全社会議での発表や、業界のカンファレンスや、顧客を前にした商品プレゼンなど、参加者があらゆるシーンで自信を持って話せるように成長していく過程を見ることができました。この体験が僕にとってはたまらない喜びとなって、それ以降、副業として話し方についての講演や研修・ワークショップを提供するようになりました。
これまでは友人・知人からのご要望を受けて提供し続けてきましたが、コンテンツのアップデートをしていくうちに、僕の考え方をもっと広く知ってもらうことで、関心のある方に対して有益な発信ができればと思うようになり、noteのテーマとして書き始めることなったという経緯です。
では本題です。
こちらが新提案の「話し方のフレームワーク」です。
声やコアメッセージなどの外円が6つの要素。これらに全て共通して強く依存関係を持つパッションを内円に配置しています。話し方に必要な要素やポイントを網羅することを目標に作った枠組みです。
例えば「声」の要素は、発声や滑舌などに関するもの、「コアメッセージ」はあなたが話す対象者に向けて伝えたい内容の核心、「動き」はジェスチャーや顔の表情といったものがそれぞれの分解要素になります。
今日は各要素の詳細説明は省きますが、まずお伝えしたいのが、フレームワークの前提です。
そもそも、あなたが特定の一人であれ、不特定多数であれ、聞き手となる相手に対して「話す」という手段をもって情報や考え(総じてメッセージとします)などを伝える際に、必要な構成要素は大きくは2つです。一つが伝えたいメッセージ=コンテンツ、もう一つが効果的に伝わるための届け方=デリバリーです。この大きな区分は、僕の大学院時代の恩師である、元ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)日本代表で早稲田大学名誉教授の内田和成先生が、プレゼンやスピーチの際に必要な要素として仰っている枠組みです。これを拝借しました。
この大きな区分を分解したものが、僕のフレームワーク(べしゃりサークル)だと思ってください。円の左半分はコンテンツ、右半分はデリバリーに関する要素という分け方になっています。
さらに言うと、左半分はメッセージや構成など言語化が必要な思考を伴うので左脳的な要素群、右半分は発声や話術など身体的・感覚的に身につけていくものということで右脳的な要素群と考えており、医学的な知見に論拠が明確にあるわけではありませんが、左右の関係に意味を持たせようとしています。
では、ここで読んでいただいているあなたに、少しご自身のことについて考えてもらう時間を作って頂きましょう。サークルの左右、あなたはどちらが得意でしょうか?どちらも得意?どちらも不得意?
四象限にすると以下のような図になります。
あなたの話し方を考える出発点として、この図を使って主観で結構ですのでどこに位置するのかを分析してみてください。また、同僚や親しい友人と互いの評価をし合ってみるのもお勧めです。おそらく新しい気づきを得るはずです。
主観と客観で自己分析がある程度できたら、これからありたい姿の道筋をクリアにすることができます。たとえばAタイプの人は、苦手なデリバリー力を付けることで得意なコンテンツを届けられるように取り組む、または得意なコンテンツ力をさらに伸ばすという選択肢もあるでしょう。今の姿の把握との未来の目標の方向性を大まかに定めるには、これくらいのシンプルな枠組みが役立ちます。
初回としてはここまでとします。
私の「話し方の考え方」の前提と大枠を紹介しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?