ワタスゲがふわりと揺れる湿原の風
先週の土曜日、再び山の中を歩いてきました。
お目当てはふわりふわりと風に揺れるワタスゲの風情。
場所は吾妻山系の谷地平湿原。こちらで度々ご紹介している鎌沼や魔女の瞳の近くです。とは言え、ワタスゲの群落として有名なのは田代湿原や駒止湿原。谷地平を選んだのは、2位年前の秋に東大巓までの道すがらに立ち寄った際に、今度はワタスゲの頃に訪れたいと言う、果たしたい宿題のようなものであったから。
湿原の一面を覆うかのようなワタスゲには少し早かったようですが、そのぽわぽわとした愛嬌のある姿を十二分に楽しむことができました。
日の出と共に歩き始めて、静けさに包まれた湿原にじっと座り込んでいると、涼やかな風が吹き抜ける。
その風にゆらりゆらりと綿毛が世界を漂う。1/fゆらぎとも言えるでしょうか。ひとしきり写真を撮り終えると湿原の池塘のそばで揺れるその姿を飽きもせずに眺めておりました。
か細い、しかし意外な強さでしなる茎の先の綿毛。
朝露に濡れて少し癖毛になっていたけれど、陽光を浴びて少しずつすっきりと清々しく風になびくようになっていきます。
彼らは生きる為に適応した結果の姿なのかもしれません。しかし、そんな姿に心が和み、活力を得ていく人間の私でした。
この日は、ツマトリソウや稚児車、数多くのミツバオウレンなども目を楽しませてくれました。
訪れて良かった。
心地よい余韻を味わえる山旅でした。