【ひよわな校長の処方箋68】名前をつけると受けとれる
「校長先生、教室で暴れている子がいます」小学校では、そう呼ばれて教室に駆けつけることがあった。教員の数はぎりぎりである。職員室には誰もいない。
教室に行ってみると、担任の先生が必死で男の子を押さえている。周りの子の情報によると、友達に何か言われて切れたらしい。とりあえず抱きかかえて教室から連れ出す。空いている静かな部屋に行って、抱きかかえたまま、「悔しかったんだよね」と話しかける。すると、こわばっていた彼の体から力が抜けた。隣に座らせてもう一度言う。
「そうか。悔しかったか