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ゴールデンカムイの世界から

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ゴールデンカムイブームにより一躍脚光を浴びたアイヌ民族。 大学1年の頃の偶然な出会いにより、アイヌ民族の方々と交流するようになった筆者が、そこでの出会いや経験から感じたこと、考え…
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2019年2月の記事一覧

東京でアイヌとして生きるということ

東京でアイヌとして生きるということ

2014年11月上旬。大学1年生だった私は人生最初の学園祭に興奮する同級生たちに見向きもせず、東京・中野で開催されたチャランケ祭りに参加した。

チャランケ祭りとは、1994年にスタートした、主に関東在住のアイヌとウチナーンチュ(沖縄の方々を指す。ちなみに海外では、沖縄の方々はOkinawanと呼称され、Japaneseとは別のグループとして認識されている。)が共同で開催しているイベントである。

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アイデンティティとは、見た目ではわからないもの

アイデンティティとは、見た目ではわからないもの

北海道に行くと決めてから気になっていたことがある。アイヌ固有の言語である「アイヌ語」だ。

アイヌ語は日本語の北海道方言だと思っている方にたまにお会いするが、それは誤解である。日本語とは完全に独立した言語であり、両者間の関連性は認められていない。文法的には、語順は日本語に近いと感じる部分もある。だが、英語のような語順をとる場合がある。例えば、「イテキ ケレ」(触ってはいけない)は、「触る」という動

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