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サくら&りんゴ #110 たい焼き屋さんのハシゴをした啓蟄の日
鯛に天然と養殖があるように、たい焼きにもあるらしい。
どゆこと?
先日散歩の途中でたい焼き屋さんを見つけた話を娘アーニャにすると
それって天然?
と聞いてきたのだ。
天然のたい焼きって????
聞くと工場生産の"養殖”でなく一個ずつお店で焼いているものを天然と言うらしい。
じゃあ、あそこのは天然だと思うよ。
それは阿佐ヶ谷にも近い青梅街道沿いにある小さなお店である。お兄さんがひとり忙しそうに焼いていた。
阿佐ヶ谷と言うと、その店から少し行ったところにも”天然の”たい焼き屋さんがあると娘が言ってきた。
ならば食べ比べをしようと、たい焼き、もとい、天然たい焼き屋さんのハシゴと相成ったのである。
青梅街道のあんびえんさん
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外が薄目でパリリが結構好みかも。中のあんこは甘め。
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下の写真は阿佐ヶ谷パールセンターにあるともえ庵さん
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中のあんこはあっさりめ。外はパリリだけれど中側に少しもっちり感が。
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どちらも並んでいて列に加わった。
いつもは食べる物のために並ぶのが苦手な私なんだけれど・・・
今日は日和が良すぎて
気持ちが穏やかで
そんな天然たい焼きハシゴの帰り。
家も近いご近所の道を歩いていると、少し先になんだか大きな落し物が。
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マジ、あんな大きいの残していく?? 最近ではワンちゃんの小のほうも、ペットボトルの水で流して始末をしているこのあたりの人々である。
と、ところが近づくと
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そういえば啓蟄の頃であった。
後で調べると2022年は3月5日とあった。
なんとぴったりの日付で出て来るなんて。
スマホお持ちでした?お二人さん。。。。。
カナダ湖畔生活のおかげで、突然の生き物との遭遇に驚かなくなった。
湖から上がってくる水をポンプで出していたら、一緒にカエルも出てきて叫び声をあげたことがあった。
夫はあきれて
きみはその目をちゃんと見たことがある?
どんなに美しいか知ってるかい?
そんなこともふっと思い出せる心穏やかな日である。
幸せとか不幸せとか
それは他人にはわからない
それは自分が決めることだから
でも少なくとも
今日の私の頭上で
爆撃音は聞こえなくて
夫がかつて遂行したのであろう
戦地の負傷者をヘリに引き上げる任務もなくて
今この瞬間は
死を意識することなく安寧に息ができる
戦火を前にしなくても
私たちはいずれ死ぬのに
そんなこと考えもしないで
今この瞬間もどこかで誰かが亡くなっていると
そんなことあまり考えもしないで
天然たい焼きを食べることができる
人間と言うものの暢気さに
私はかなり感心している
東を見れば、暮れなずむ空を背景に都庁とパークタワーが今日最後の光を受けて金色に輝いている(ヘッダー写真)。
もう数時間もすれば、ここで見送った光がカナダの湖畔の家の窓にも差し込み始めるのだろう。
湖に浮かぶフォックス島から見たら、湖畔の家の窓は金色に輝いているのかもしれない。
あと何回この光を見送ったら
私の体はこの地球を離れるのだろう
でもそれを数えてみようなんて考えない
人間の暢気さに、やっぱり私は安心する
そろそろカナダに戻る準備を始めなければいけない
2022年啓蟄 記
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