IKEAのレストランで、暴走する母。
私の母(88歳)は、バイキングとかバフェットとか、いろんなものを食べるのがの好き。だからなのか、IKEAのレストランが大好き。
3枚トレーを乗せられるカートに、2枚のトレーを乗せて、サラダ、オードブル、デザートなどが並んでいる棚の脇を順々に歩き始めると、母は目をくるくるさせて、どんどん色々な皿に手を伸ばす。
その姿はまるで、おもちゃ屋さんにつくやいなや、居ても立っても居られずワァーと走り出し、手当たり次第おもちゃを持ってくる子供のよう。
ランチは、いつも母のおごりだから、いくら取っても文句は言えない。でも、メインディッシュ注文カウンターの前で、さすがに見かねて言った。
母:「私には、ローストビーフ(マッシュポテト付き)とミートボール8個入り(マッシュポテト付き)を注文しておいてね!」
私:「えー、2皿も?2人前だよ〜食べれるの?」
母:「食べる、食べる。大丈夫。」
と言い残すと、別の棚を物色しにいなくなってしまった。
私が注文を終えてカートに戻ったときには、2枚のトレーの上には、既に薄いパンに包まれたベジロール、フィッシュ・ナゲット、ソーセージ、ガーリックトースト、ワッフル2ヶが乗っていた。私は、慌ててメインディッシュを乗せるための3枚目のトレーを取りに行った。
結局、老人と中年の女二人は、3人分のランチをつまんで楽しんだ。でも食べきれるはずもなく、残りは、母のミニリュックに隠れていたタッパウェアとジップロックに押し込まれた。
私の母も、この世代の人に漏れず、それなりに大変な人生を送ってきた。けど、側で見てると「暴走してる!」と思うくらい、突如子供のような無邪気さを全開する。
自分の欲しいものに真っ直ぐ。どう見ても取りすぎだったり、食べ過ぎちゃったりするけど、それも子供みたいで笑っちゃう。本当に幸せそう。
ある意味、子供時代に満たされなかった欲求を大人になった自分が、満たしてあげているのかも。インナーチャイルドを上手く喜ばせている感じ。
いつかYouTubeで観た、H&Mで爆買いする黒柳徹子さんを思い出す。
追伸:
様々な種類の料理が並べられ、自分で食べたい種類や量を選択する食べ方を、日本語ではバイキング様式というが、英語ではbuffet-styleやall-you-can-eatという。「バイキング」と呼ばれるのは、この様式の発祥が、バイキングの国スウェーデンだからか?ちなみに本国では、smörgåsbordと呼ばれる。スウェーデンでは、人が集まって朝食をとるときや家族が集まるクリスマス、イースターもこの形式。個人的には、朝食のsmörgåsbordが一番好き。
Pic from today's IKEA lunch. Don't worry. No food was wasted.